a. 一般療法
潰瘍患者さんでは、生活環境と潰瘍の発生・再発に因果関係を認めることが少なくないため、因果関係の推測できるストレス因子があれば、その除去を考えます。
b. 食事療法
酸分泌抑制薬の適切な内服下では、原則として食事制限は不要です。刺激物を控える程度でよいでしょう。
c. 嗜好習慣
主として喫煙とアルコールが問題とされてきましたが、ほとんどの例で潰瘍の治癒遷延化・再発因子とは認められません。したがって、再発との関連が濃厚な例に限って制限します。
d. 薬剤
消炎鎮痛薬では胃潰瘍を引き起こす可能性がありますが、そのほかにも副腎皮質ホルモン、糖尿病薬、抗生物質、降圧薬など多くの薬剤が潰瘍の発生と難治化に関係しうると考えられます。
しかし、一般的には酸分泌抑制薬が適切に内服されておれば処方を神経質に回避する必要はありません。これら薬剤は基礎疾患に対し継続投与の必要なことが多く、潰瘍との関連性が強い場合には、より胃粘膜障害の少ない薬剤への変更、酸分泌抑制薬の増量または制酸薬、粘膜被覆薬との併用を試みます。ただ消炎鎮痛薬では坐薬でも胃粘膜障害を引き起こす例があることを知っておくべきです。
e. 薬物療法
H2(エッチツウ)プロッカーと言う酸分泌抑制薬が胃潰瘍に使われだして、胃潰瘍の薬物療法は全く変わりました。潰瘍の治癒率もあがり、胃潰瘍で胃の手術を受けることはほとんどなくなりました。
H2プロッカーには、最初のタガメットに始まり、ガスター、ザンタック、アルタット、など多くの薬剤が開発されています。
また最近ではPPIというH2プロッカーよりもっと制酸機能の強い薬剤も発売され早くかつ高い治癒率をもたらしています。
維持療法胃潰瘍に対し防御因子強化薬を初期治療から併用すると質の高い潰瘍治癒が得られ再発の抑制につながるという成績があります。また治癒後の維持療法に用いると再発抑止に有用だといわれています。
胃潰瘍の症状と診断
胃潰瘍の症状
一般症状・局所症状ともに胃潰瘍に特異的なものはありません。
潰瘍の自然歴のなかで、比較的古い、再発を繰り返した潰瘍においては食後の心窩部痛(みぞおちの痛み)、胸やけなどの定型的な症状を示しますが、高齢者では痛みを自覚しない場合もあり、不定愁訴や吐血が初発症状の方もあります。
胃潰瘍の診断
自覚症状だけでは胃潰瘍の確定診断は出来ませんし、胃癌などでも心窩部痛、胸焼けもありますので、必ず検査が必要です。
検査としては胃透視と胃内視鏡検査があります。
胃透視はバリウムという液体を飲んでいただき、レントゲンで潰瘍部のバリウムの溜まり(ニッシェ;影)を見つけます。胃透視だけでの診断には限界がありますので、出来れば内視鏡の併用が必要です。
一般症状・局所症状ともに胃潰瘍に特異的なものはありません。
潰瘍の自然歴のなかで、比較的古い、再発を繰り返した潰瘍においては食後の心窩部痛(みぞおちの痛み)、胸やけなどの定型的な症状を示しますが、高齢者では痛みを自覚しない場合もあり、不定愁訴や吐血が初発症状の方もあります。
胃潰瘍の診断
自覚症状だけでは胃潰瘍の確定診断は出来ませんし、胃癌などでも心窩部痛、胸焼けもありますので、必ず検査が必要です。
検査としては胃透視と胃内視鏡検査があります。
胃透視はバリウムという液体を飲んでいただき、レントゲンで潰瘍部のバリウムの溜まり(ニッシェ;影)を見つけます。胃透視だけでの診断には限界がありますので、出来れば内視鏡の併用が必要です。
胃潰瘍とは
自分の胃液によって、胃・十二指腸の粘膜を自己消化してしまい、部分的に組織の欠損が起きた状態が、胃・十二指腸潰瘍で、消化性潰瘍とも呼ばれています。
胃潰瘍は、中年以降に多く、また、十二指腸潰瘍は、青年・壮年に多くみられます。
男女差では、男性に多いのが特徴です。消化性潰瘍と一口にいっても、短期間で治るもの、手術が必要なものなど、程度によって治療の方法は異なります。
コントロールしにくい、精神的ストレスが、多くの場合、その主因であるため、胃・十二指腸潰瘍の治療や再発防止には、医師の指示のもとで、しっかりした治療を受けなければなりません。
最近、欧米ではヘリコバクター(Helicobacter pylori)と言う菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発や悪化に関係があるとされ、その除菌治療が十二指腸潰瘍の再発防止に極めて有効とする報告が数多くなされています。ただ、除菌による再発防止のメカニズムにはまだ不明の点が多く、一方、胃潰瘍では除菌と再発防止の関連は十二指腸潰瘍ほどはっきりした成績は得られていません。
現在のところわが国ではヘリコバクター除菌の是非についてのコンセンサスは得られていませんが、ヘリコバクターの影響がある症例も現実で、今後の課題だと思います。
胃潰瘍は、中年以降に多く、また、十二指腸潰瘍は、青年・壮年に多くみられます。
男女差では、男性に多いのが特徴です。消化性潰瘍と一口にいっても、短期間で治るもの、手術が必要なものなど、程度によって治療の方法は異なります。
コントロールしにくい、精神的ストレスが、多くの場合、その主因であるため、胃・十二指腸潰瘍の治療や再発防止には、医師の指示のもとで、しっかりした治療を受けなければなりません。
最近、欧米ではヘリコバクター(Helicobacter pylori)と言う菌が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発や悪化に関係があるとされ、その除菌治療が十二指腸潰瘍の再発防止に極めて有効とする報告が数多くなされています。ただ、除菌による再発防止のメカニズムにはまだ不明の点が多く、一方、胃潰瘍では除菌と再発防止の関連は十二指腸潰瘍ほどはっきりした成績は得られていません。
現在のところわが国ではヘリコバクター除菌の是非についてのコンセンサスは得られていませんが、ヘリコバクターの影響がある症例も現実で、今後の課題だと思います。
食道がんの治療3
放射線・化学療法
食道癌が気管や大動脈へ直接浸潤しておりすぐには手術で取り去ることが難しい場合には、放射線と抗癌剤(化学療法)を組み合わせた治療を行います。治療に要する期間は4-6週間くらいとなります。その後は、手術を行う方と抗癌剤で維持療法を行う方に分かれます。
また、食道癌が粘膜もしくは粘膜下層にとどまっており・リンパ節転移もなさそうな方には、手術を行わず放射線と抗癌剤を組み合わせた治療も選択肢の1つとなります。
われわれの施設が国立がんセンターと協力して行った研究では、現在までのところ手術に劣らない成績が得られていますが、もう少し先でないと確定的なことは分かりません。
食道癌が気管や大動脈へ直接浸潤しておりすぐには手術で取り去ることが難しい場合には、放射線と抗癌剤(化学療法)を組み合わせた治療を行います。治療に要する期間は4-6週間くらいとなります。その後は、手術を行う方と抗癌剤で維持療法を行う方に分かれます。
また、食道癌が粘膜もしくは粘膜下層にとどまっており・リンパ節転移もなさそうな方には、手術を行わず放射線と抗癌剤を組み合わせた治療も選択肢の1つとなります。
われわれの施設が国立がんセンターと協力して行った研究では、現在までのところ手術に劣らない成績が得られていますが、もう少し先でないと確定的なことは分かりません。
食道がんの治療2
外科的治療
食道癌が粘膜をこえて粘膜下層より深くもぐり込んでいる場合には、原則的に手術が必要になります。手術は、食道の病巣の完全切除と癌が転移しているかもしれないリンパ節を十分な範囲取り去ることから成ります。
手術方法は食道癌の発生部位により異なり、頚部・胸部の上半分に病変がある場合には頚・胸骨(時には腹部も)を切開する手術を行います。胸部の下半分や腹部に病変がある場合には胸(右側の乳首の下あたりを肋骨に沿って横に切る)・腹部(時には頚部も)を切開する手術を行います。このように食道癌の手術は頚・胸・腹部におよぶ広範囲なものとなります。
また、食道を取り去った後には胃(すでに胃を手術しておられる方には小腸や結腸)を持ち上げ、食べ物が通る経路を再建します。これまでは持ち上げた胃を頚でつなぐことが多かったのですが、われわれの施設では胸の中の上の方で胃をつなぐことにより、手術後の良好な食事摂取を可能にしています。
食道癌が粘膜をこえて粘膜下層より深くもぐり込んでいる場合には、原則的に手術が必要になります。手術は、食道の病巣の完全切除と癌が転移しているかもしれないリンパ節を十分な範囲取り去ることから成ります。
手術方法は食道癌の発生部位により異なり、頚部・胸部の上半分に病変がある場合には頚・胸骨(時には腹部も)を切開する手術を行います。胸部の下半分や腹部に病変がある場合には胸(右側の乳首の下あたりを肋骨に沿って横に切る)・腹部(時には頚部も)を切開する手術を行います。このように食道癌の手術は頚・胸・腹部におよぶ広範囲なものとなります。
また、食道を取り去った後には胃(すでに胃を手術しておられる方には小腸や結腸)を持ち上げ、食べ物が通る経路を再建します。これまでは持ち上げた胃を頚でつなぐことが多かったのですが、われわれの施設では胸の中の上の方で胃をつなぐことにより、手術後の良好な食事摂取を可能にしています。
食道がんの治療1
内視鏡治療
食道癌が粘膜にとどまっており・病変のひろがりが3-5cm以内であり・病変の個数が3-4個までである場合には、手術をしなくても内視鏡で病変を取り去り治療を行うことができます。1週間あまりの入院が必要となります。
術前化学療法
CT検査や超音波検査により、頚・胸・腹部のリンパ節がるいるいと腫れているような場合には、手術に先立ち抗癌剤治療を行うことがあります。
術後化学療法
手術で取り去ったリンパ節に癌が転移していたものが多かった方には、退院後外来で抗癌剤治療を行います。
食道癌が粘膜にとどまっており・病変のひろがりが3-5cm以内であり・病変の個数が3-4個までである場合には、手術をしなくても内視鏡で病変を取り去り治療を行うことができます。1週間あまりの入院が必要となります。
術前化学療法
CT検査や超音波検査により、頚・胸・腹部のリンパ節がるいるいと腫れているような場合には、手術に先立ち抗癌剤治療を行うことがあります。
術後化学療法
手術で取り去ったリンパ節に癌が転移していたものが多かった方には、退院後外来で抗癌剤治療を行います。
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