肺がんの種類を分ける基準としては、組織型や病巣の位置、病期分類が用いられます。症状の現れ方や治療方法が変わってきますので、どれに該当するかを知っておくことは重要です。
組織型による種類
一般的に肺がんの種類と言った時には、組織型のことを指すことが多くなっています。これは顕微鏡で見たときの癌細胞の形態で分けるものです。腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんの4つが大部分を占めており、その他のものもわずかに存在しています。
組織型の違いは、悪性度や治療法に大きな影響を与えます。腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんはまとめて非小細胞がんと呼ばれているのですが、これらは抗がん剤や放射線があまり効かないとされています。
これに対し、小細胞がんという種類の場合には、抗がん剤や放射線の効き目は高いものの悪性度が高く、症状の進行速度が速い上に転移もしやすく、手術ができないことが多いことが特徴です。
このように、組織型による種類の違いは治療法の向き不向きに関わってくる重要な要素となります。
病巣の位置による種類
肺の入り口に当たる太い気管支に病巣がある肺門型(中心型)と、奥に当たる末梢部にできる肺野型(末梢型)に分けることができます。位置が違うと、症状の現れ方やレントゲン写真への写り方が変わってきます。
肺門型の場合には初期症状のうちはレントゲン写真にははっきり写らないものの、咳や痰、血痰といった症状が現れやすい傾向にあります。肺野型の場合には、自覚症状は少ないものの、レントゲン写真で発見しやすいことが特徴です。
肺がんの種類が肺門型か肺野型かによって、どのように見つけやすいかが変わってくるのです。
病期分類による種類
病期(ステージ)が何期であるかは、治療法や生存率に関わってきます。初期症状の患者さんと末期の状態では同じように論じることはできません。そのため、該当する病期を知っておく必要があります。