子宮内膜症の薬物治療:漢方

子宮内膜症は静脈血のうっ血した症状で、漢方ではお血といいます。
代表的な漢方の薬は、桃核承気湯、通導散、きゅう帰調血飲第一加減、桂枝茯苓丸、温経湯、折衝飲等です。                                                 病変の程度によって西洋薬と漢方を使い分ける考え方もありますが、漢方を長期間服用することで、うっ血の除去、月経痛、腰痛などの痛みを改善し、再発の予防に有効です。
 (加減1)
 きゅう帰調血飲第一加減の代わりに当帰芍薬散+桂枝茯苓丸でもいいでしょう。
 (加減2)
 便秘傾向の場合は、当帰芍薬散+大黄牡丹皮湯。
 (加減3)
 主な症状が下腹部痛の場合は、折衝飲。
 (加減4)
 月経過多の場合は、きゅう帰膠艾湯を併用します。

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大腸がんの予防:漢方

漢方というのは、中国から伝わった医学を日本人が発展させて独自のものにさせていった医学です。
漢方は身体全体のバランスが崩れると病気にかかってしまうと考え、治療も身体を本来のバランスのとれたあるべき姿に戻して健康にするという考え方をします。
「気」「血」「水」の状態を把握することが大事とされています。気力が充実して血液の流れや栄養に問題なく、汗など血液以外の水分についても問題がなければ健康な状態になると考え、これらのバランスを整えることで健康にするのが漢方治療ということになります。
漢方薬の重要な働きは身体の免疫力を高めることです。
疲れなどが溜まった気力が低下しているときや、栄養不足などで血液中の栄養不足があると免疫が低下し、細菌やウィルスなどの感染症にもかかりやすくなりますし、ガン細胞の発生を食い止める力も弱まりますので発症しやすい状態となります。
漢方薬は薬ですので健康なときに摂るものではありませんが、身体の不調を感じたときには、深刻な不調に陥る前に身体の状態にあった漢方薬を使用することで、本来の免疫力を取り戻すことができます。
ラクトフェリンは自分の免疫力の限界点を高めることが期待できますが、漢方は不調になって低下した免疫力を元の正常な状態に戻すと考えればよいでしょう。
         
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前立腺がんの骨転移:生存率と余命

前立腺がんが骨転移を起こしていると、治療後の経過は悪くなります。
5年生存率は30%程度となり、平均余命が2年から3年となっています。
症状の進行が遅いため、他の癌と比べると期待余命が長い傾向にあります。
その間の生活を症状が邪魔しないようにしておく必要があります。
治療は余命を延ばすだけではなく、生活の質を維持するためにも大切です。
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腎臓の病気:水腎症

腎臓でつくられた尿は、腎盂から尿管を通って膀胱にたまり、尿道から排泄されます。尿路の途中に障害が起きて尿が流れにくくなると、尿が腎臓の中にたまってります。
すると、腎盂や腎杯の拡張が生じますが、この症状が水腎症です。。
子供の水腎症は先天的なものが多く、中高年の水腎症は後天的な原因が主になります。
水腎症の原因
水腎症の原因となる尿路閉塞症には、先天性疾患と後天性疾患のものに分けられます。また、特殊な例では、子宮内膜症が尿管で発症したケースや、外傷や手術の後遺症なども原因となります。
先天性疾患
生まれつき尿管が細い
膀胱尿管逆流症
膀胱憩室
先天性神経障害
大動脈後尿管
線維上皮性ポリープ など

後天性疾患
尿路結石による尿の通過障害
腫瘍
悪性腫瘍の転移
前立腺肥大
動脈瘤による圧迫
尿管炎、結核などの尿管の炎症 など

水腎症の症状
水腎症の進行はゆるやかなため、早期に症状が現れることはあまりありません。
症状は原疾患によって異なりますが、急性の尿管結石の場合は、腰や側腹部に激しい痛みが現れます。吐き気などの消化器症状もみられることがあります。
尿の停滞により尿路感染を合併します。発熱がみられ、痛みも大きくなります。膿腎症に発展するケースもあります。
水腎症の治療
水腎症の原因はさまざまなので、治療はそれぞれの症状を解消することが基本となります。原則としては、尿路の閉塞を早めに解除して、腎機能が障害されるのを防がなければなりません。
手術療法では、カテーテルを挿入するなどして、尿流の改善を行います。腎機能が失われているときには、腎摘出手術が行われる場合もあります。
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B型肝炎の治療法

B型肝炎の治療法
主に次の4種類の方法があります。
ラミブジン(Lamivudine:ゼフィックスTM)
ヌクレオチドアナログであるラミブジンは内服の抗ウイルス剤で、副作用も少ないため各国で広く使用されています。ALTが正常値の2倍以上の高値で経過する場合には、本剤を使用する適応がありますが、肝臓専門医による投与が理想的です。e抗原陰性例やe抗原陽性でもHBV-DNAが108copy/ml以下であれば効果も良好ですが、e抗原でHBV-DNAが108copy/ml以上の場合には治療効果に限界があり、6ヶ月目前後より耐性株の出現が高頻度で注意が必要となります。耐性株が出現することによる肝炎急性増悪が起こった場合は、インターフェロンの他、同様な抗ウイルス薬であるアデフォビルAdefovirが有効です。
いずれの場合においても1年以上の長期投与が原則となります。
ラミブジン1日100mg内服を1年間行った場合のe抗原e抗体系のセロコンバージョン率は、治療前のALT値に比例します。ALT値が正常の5倍以上であれば65%、2~5倍であれば25%、2倍以下では5%以下です。ラミブジンにインターフェロンを併用するとセロコンバージョン率が高くなり、また、長期投与を行うとセロコンバージョン率が高くなると報告されています。
インターフェロン
抗ウイルス剤として以前より使用されており、ラミブジンと同様の治療目標で、同様の治療適応の薬剤です。インターフェロンは注射剤で、発熱・全身倦怠感・うつ病などの副作用もありますが、ラミブジンにみられるような耐性株の出現はありません。両薬剤は、投与期間・薬剤費用・通院の手間・副作用出現などについて、患者への十分な説明が必要となります。
インターフェロン治療は、通常週2~3回で6ヶ月またはそれ以上の間歇長期投与で行われますが、多くの場合、治療開始初期のみ4週間程度の連日投与が行われます。
ALTが正常の2倍以上のe抗原陽性慢性肝炎に対して、週2回のインターフェロン治療を6~12ヶ月間行うと、e抗原陰性化率は30~40%で、無治療の10~15%より高率となります。インターフェロン投与方法による治療効果の違いは大きく、4週間連日投与のみを行ったわれわれの治療症例ではe抗原陰性化率は19.5%となりました。また、インターフェロン治療例を長期に観察した51例のわれわれの集計では、7年後のe抗原陰性化率は49.0%でした。
ステロイド離脱療法
e抗原陽性のB型慢性活動性肝炎に対して、宿主の免疫能の高まったALT上昇時期にステロイド剤を3~4週間投与する治療法です。投与終了後に特徴的なALTの反跳現象がみられ、この時期の経過観察後にe抗原陰性化・ALT正常化を期待する治療です。ALT反跳時期に肝炎重症化を引き起こす危険性が指摘されているので、肝臓専門医以外での治療はできません。肝硬変に近い進行慢性肝炎症例やAFP高値の慢性肝炎症例においては行えません。
e抗原陰性化率は1年後約50%、3年後は約70%です。
その他の治療薬
漢方製剤である小柴胡湯、グリチルリチン、グリチルリチン注射剤(強力ネオミノファーゲンCTM)、ウルソデオキシコール酸などは免疫調節剤・肝庇護剤として主としてトランスアミナーゼを低下させる目的で使用されますが、ウイルス学的な効果は小さいです。プロパゲルマニウムは免疫調節作用があり、トランスアミナーゼの反跳現象を経てウイルス学的な改善をもたらしますが、一時的な肝炎重症化の危険性も指摘されています。
グリチルリチン注射製剤を1日40mlで週5回以上静脈注射すると16%の症例でALTの正常値が得られました。1日100mlとすると32%の症例でALT正常値が維持できています。ウルソデオキシコール酸内服は、これらグリチルリチン製剤と相加的ないし相乗的作用を示して、ALT低下をもたらします。
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乳がん治療の有名・おすすめ病院:中国・四国

岡山県 2病院
倉敷中央病院
★診療科目 外科  岡山県倉敷市美和1-1-1 ℡086-422-0210 
年間の乳がん手術件数は122件(2005年度)と岡山県では上位。乳房温存手術を希望すれば、乳癌学会のガイドラインを超えていても極力対応。
川崎医科大学病院
★診療科目 乳腺甲状腺外科  岡山県倉敷市松島577 ℡086-462-1111 
乳腺甲状腺疾患の研究・診療における中国地区の拠点となっており、多数の患者を診察・治療。乳房温存手術については、日本で最も早い時期、1987年から行っており、現在までに370例に及ぶ。
広島県 3病院
広島市民病院
★診療科目 外科  広島県広島市中区基町7-33 ℡06-6929-1221 
県内では最も乳がん手術の多い病院。早期の乳がんの場合は多くの場合、乳房温存手術(腫瘍を周囲を含めて広めに切除します)およびセンチネルリンパ節生検が可能。現在の乳がん手術の約7割は乳房温存手術。
国立病院機構 呉医療センター 中国がんセンター
★診療科目 外科  広島県呉市青山町3-1 ℡0823-22-3111 
乳がんにおける治療の中心は乳房温存術であり、手術患者の約半数に行っている。また、腫瘍が大きく温存術が困難な場合には術前化学療法を行い、腫瘍の縮小を計り温存術を行っている。やむを得ず乳房切除術になった場合には同時乳房再建を行う。
広島大学病院
 
★診療科目 第2外科  広島県広島市南区霞1-2-3 ℡082-257-5555 
現在では定型あるいは拡大乳房切除術はほとんど行わず、非定乳切または乳房温存術が合わせて全手術件数の約90%を占めるに至っている。
徳島県 1病院
とくしまブレストケアクリニック
★診療科目 外科  徳島県徳島市中島田町4-7-7 ℡088-633-8484
年間の乳がん手術件数(2005年度)は162件と、県内2位の徳島大学(52件)を大きく引き離してのトップ。乳房温存率も71%と高い。
香川県 1病院
香川労災病院
★診療科目 外科  香川県丸亀市城東町3-3-1 ℡0877-23-3111 
日本乳癌学会研修施設に認定されており、年間の乳がん手術件数は102件と、香川県ではトップクラス。術前および術後の化学療法を積極的に行っている。
愛媛県 1病院
国立病院機構 四国がんセンター
★診療科目 乳腺・内分泌外科  愛媛県松山市堀之内13 ℡089-932-1111
愛媛県の全てのがん患者の60%以上にあたる年間260例以上の手術を行っている。手術方法としては、乳房温存療法を主として行っており、さらに形成外科の協力のもときれいな乳房を残すべく努力している。

食道がんの手術後の後遺症

食道がんの手術後の後遺症
反回神経麻痺
声帯の働きに関わる反回神経が麻痺してしまうことがあります。付近のリンパ節を取るために起こるもので、術後に声が嗄れることがあるほか、誤飲を引き起こすことがあります。時間が経つと回復していくことがあります。
縫合不全
食道と胃や腸を縫い合わせる際に、縫い目の部分から唾液や飲食物が漏れるのが縫合不全です。手術の5%ほどの頻度で起こり、時間の経過によって治ることが大多数です。
肺合併症
食道がんの手術後の傷の痛みや肺の付近の神経のまわりにあるリンパ節を取ることによって、咳をして痰を出すことが十分にできなくなった場合、肺炎を起こすケースがあります。また唾液や食べ物が気管に入ってしまうことも肺炎の原因となります。
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すい臓がん(膵臓癌)は再発・転移しやすい

すい臓がん(膵臓癌)を手術で全部切除できても、その時点ですでにがん細胞がリンパ液や他の臓器に転移していることがあり、時間の経過とともに転移が明らかになることがあります。
目に見える大きさの癌がなくなったあとに、再びがんが現れることをがあります。
すい臓がん(膵臓癌)が再発した場合、再度手術できることは稀で化学療法(抗がん剤治療)が行われることが一般的です。
すい臓がん(膵臓癌)はたとえ早期に見つかって根治手術が行われたとしてもほとんどのケースで再発が認められてしまいます。
すい臓がん(膵臓癌)は極めて進行が速いため診断を受けた時点ですでに周りに浸潤していたり、転移してしまっていることが多く治療を困難にしています。
すい臓がん(膵臓癌)はがんが小さなうちから周囲に浸潤したり、肝臓転移や肺転移、腹膜播種、骨転移など転移しやすい性質が強い傾向があります。早い段階で転移してしまうことが膵臓がん治療をさらに困難にしているといえます。
肝臓や肺そして骨などにがんが転移するのは、血液やリンパ液の流れにがん細胞が乗ってそれらの臓器に運ばれ、増殖するためです。
肺転移や肝臓転移、腹膜播種、骨転移などの症例では手術によってがんを切除しても、全身を血液やリンパ液の流れに沿ってがん細胞が回っているため、すぐに他の部位にがんが出来てしまいます。手術は体に大きな負担を掛けますから、一部の例外を除いて遠隔転移したすい臓がん(膵臓癌)は手術をしません。
肺転移や肝転移、骨転移など遠隔転移を有するケースでは主に化学療法(抗がん剤)など全身治療が中心となります。他に症状緩和を目的として放射線治療が行われることもあります。
遠隔転移した場合でも、最初にできたすい臓がん(膵臓癌)と同じ性質を持っているため、すい臓がん(膵臓癌)治療に使用する抗がん剤などを用いて治療を行うことになります。
遠隔転移したすい臓がん(膵臓癌)治療には限界があります。
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肺や肝臓、腹膜や骨などに転移した進行すい臓がん(膵臓癌)は治癒不可能な疾患です。
遠隔転移をきたした患者さんでも生活の質を保ち、通常の生活を続けている方もいらっしゃいます。。

肺がんの予防につながる栄養素:ビタミンC

タバコを吸うとビタミンCが壊れます。
タバコを吸う人は、体内で発生した活性酸素を処理するために、ビタミンCを大量に消費しています。
活性酸素とは、食べ物が酸素によって燃やされた時にできる燃えカスのことですが、物質には遺伝子を酸化させる作用があるため、増えれば増えるほど体が老化し肺がんなどの病気に罹りやすくなってしまいます。
この活性酸素を打ち消してくれる大栄養素がビタミンCですので、喫煙者は意識してたくさん摂取するようにしましょう。
ビタミンCが多く含まれている食べ物には、パセリやピーマンなどの緑黄色野菜や、レモン・アセロラ・キウイフルーツ・イチゴなどの果物があります。
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胃がん治療後の生活:再発

胃がん手術後の患者さんの約30%に再発が起こるとされています。再発を予防するために、治療時にはがん細胞があると考えられるリンパ節を郭清したり、化学療法などで消滅させたりしていきます。
再発の時期
胃がんの再発については、はっきりと予測することはできません。手術後数ヶ月でみられる場合や、数年後になってやっとあらわれるものもあります。
再発のほとんどは手術後5年以内ということがわかってきました。5年を過ぎてから発見される再発は10%以下ということもわかっています。
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手術を受けてから5年間は、定期検査を受けて再発がないかをチェックする必要があります。
再発が起きやすい部位
胃がんの再発が起きやすい部位は、腹膜と肝臓です。その他には、リンパ節、肺、骨、胸膜、脳、髄膜などにもみられます。
腹膜再発は、全体の約半数を占めています。なかでもスキルス胃がんで頻度が高いとされています