肺がんの転移の見つけ方

肺がんの脳への転移を見るには造影CTあるいは造影MTを使います。
骨転移は、骨シンチグラフィで調べます。肝臓や副腎への転移は、CTまたは超音波で調べます。
骨シンチグラフィは、全身の骨を一度に簡単に検査することができます。骨に取り込まれやすい放射性医薬品を使って行います。シンチグラフィが、骨転移がある部分に多く取り込まれ、黒く映るのです。
検査の流れとしては、まず事前に放射性の医薬品を静脈注射します。3時間ほど経つと、薬が骨に取り込まれますから、シンチグラフィの機械にかかります。ベッドに寝ると、シンチカメラがゆっくりと動いて全身を撮影します。
転移先が脳の場合ですが、ここは抗がん剤が効きにくいので、放射線で治します。なぜ、抗がん剤が効きにくいかというと、血液脳関門というものがあって、化学物質である抗がん剤が脳の中にはいっていかないのです。これはもともと、有害な物質が脳に入らないようにするための自然の砦なのです。
脳転移が1個で小さいものなら、手術で取ることもありますが、複数個ある場合は、定位照射ということを行います。あらかじめMRIなどで病巣の位置を確かめておき放射線を照射します。
別に脳転移の症状を緩和するためにステロイドなどを使う場合があります。骨転移の治療は痛みのコントロールと骨折の予防です。
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胃手術後の障害:腹痛・便秘、腸閉塞

手術後、傷が治るまでの過程で、腸の癒着が生じることがあります。
癒着とは、炎症などにより、本来離れているべき組織同士がくっついてしまうことをさします。
腸の場合、腸管が曲がりくねっているので、隣接している腸管や腹膜などにくっついてしまうことがよくあります。腸管が折れ曲がったり、ねじれたり、締め付けられるようになります。
癒着した部分は、詰まりやすいことも挙げられます。繊維質のものを多く食べたときは、消化しきれずに残ったものが、狭くなった部分にひっかかって、流れを止めてしまうこともあります。
たまった内容物の圧力と、流そうとする腸の運動によって、腹痛をもたらします。腹痛にも感じ方はいろいろありますが、きりきりとしたような痛みがあるのが特徴です。また、流れが止まってしまっているため、腸の内容物が戻ってきて、吐き気や嘔吐をするようになります。
腸の癒着は、便通にも影響を与えます。そして、腸閉塞も引き起こすことがあるので、症状が続く人は医師に相談するようにしましょう。
腸閉塞への対処法
手術後の腸閉塞の原因は、ほとんどが腸の癒着です。まれに、再発したがんが大きくなって、腸を圧迫する場合もありますが、まずは腸の流れを滞らせないように心がけましょう。
腸にひっかかりやすくなっているので、よく噛んで食べるようにしなければなりません。便秘がちな人は、便をやわらかくする薬などを使って、便通をよくしましょう。
無理に食事を摂るのも控えましょう。お腹の調子が悪いときは、水分をとって様子を見ます。
腹痛とともに吐き気があり、嘔吐したような場合は、血行障害とともに腸閉塞が起きていると考えられます。その際は、すぐに病院で手当を受ける必要があります。
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