子宮内膜症の過多月経・レバー状のかたまり

子宮内膜症に似た病気で、子宮の壁が厚くなっていく「子宮腺筋症」の場合、子宮全体が大きくなって経血量が増え、夜用ナプキンでも短時間で不安という状態になります。
通常は特別な酵素の働きでサラサラの形で排出される経血が、量が多いため酵素の働きが追いつかず、レバー状のかたまりとなって排出されます。
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大腸がんと似た症状:薬剤性大腸炎

病気の治療のために投与された抗生物質が原因で大腸炎をおこすことがあります。
大腸の中には「腸内細菌」というたくさんの細菌がすんでいます。「腸内細菌」のなかには「悪玉菌」と「善玉菌」がいて通常は両者は冷戦時代の米ソのようにバランスをたもっています。
そこに抗生物質が投与され、たまたま抗生物質が「善玉菌」のみを殺菌し「悪玉菌」が優勢になると薬剤性大腸炎になります
治療は最初の抗生物質を中止して、「悪玉菌」に有効な抗生物質を投与することです
医師が診断に気づかずに最初の抗生物質を続けていると重症になります。
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前立腺肥大の治療:薬物療法

前立腺肥大症の薬による治療である「薬物療法」では、内服薬などを使って尿の通りをよくします。
α1受容体遮断薬
 この薬は、交換神経の緊張によって起こる前立腺・膀胱(ぼうこう)の平滑筋(へいかつきん)の緊張を解いて、尿道の内圧を減らして尿の通りをよくします。広く使われている薬です。
 効果は 1週間程度で現れて、長くつづきます。
 副作用はとても少ないです。下痢、鼻づまり、立ちくらみ、めまい、精液量の減少などが起こります。
 肥大した前立腺を小さくする効果はないので、薬の服用をやめると、また排尿障害の症状が戻ってしまいます。
・薬の名前[選択的]
 塩酸タムスロシン(商品名:ハルナール)、シロドロン(商品名:ユリーフ)、ナフトピジル(商品名:アビショット・フリバス)
・薬の名前[非選択的]
 ウラピジル(商品名:エブランチル)、塩酸テラゾシン(商品名:ハイトラシン・バソメット)
抗男性ホルモン薬
 男性ホルモンの作用を抑制(よくせい)して、肥大した前立腺を小さくすることで、尿の通りをよくします。
 効果は、服用から 2週間から 2ヶ月で現れます。
 副作用は、性欲が減る、勃起不全(ぼっきふぜん)、女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)、肝機能障害、胃腸障害など。
・薬の名前
 酢酸クロルマジノン(商品名:プロスタール・プレニバール・ルトラール・他)、アリルエストレノール(商品名:パーセリン・サルミコール、アランダール、他)
漢方薬
(かんぽうやく)
 排尿障害の治療として、漢方薬や生薬を使う場合もあります。
・薬の名前
 漢方薬(牛車腎気丸・八味地黄丸、他)、生薬(セルニルトン・エビプロスタット、他)

人口透析で起こりやすい合併症/感染症

人工透析を受けるようになって寿命が増えてきました。
しかし、透析療法を行っても、失った腎機能を完全に補うことはできません。
血液透析や腹膜透析が体の負担となって、さまざまな病気を合併しやすくなってしまいます。
知っておきたい合併症や感染症を紹介しています。
不均衡症候群
血液透析による代表的な合併症が不均衡症候群です。透析を始めたことで血液中の老廃物が急激に除去され、脳の細胞液の濃度バランスが崩れることが原因と考えられています。
主な症状には、頭痛、吐き気、不安感、けいれん、血圧降下などがあります。
不均衡症候群を予防するには、血液透析の導入期は短時間で済ませて、その後、緩やかに時間を増やしていきます。また、食事療法で血液中の窒素化合物が多くならないようにしたり、塩分・水分の制限を行うことが有効です。
ゆっくりと透析が進行する腹膜透析では、不均衡症候群はみられません。
低血圧(透析困難症)
透析困難症とは、人工透析が長期間つづくと、血圧が降下して低血圧になり、透析が行いにくくなる合併症をいいます。
心不全
慢性腎不全の患者の死亡原因の多くが心不全です。腎機能が低下すると心臓にも多くの負担がかかり、息切れや呼吸困難などの症状があらわれるようになります。
心臓に栄養を送る血管の流れも悪くなり、狭心症や心筋梗塞を合併することもあります。
予防には、血圧のコントロールや体液のバランスの管理などが重要となります。
脳血管障害
高血圧の患者は、脳出血、くも膜下出血、脳血栓などの脳血管障害を起こしやすくなります。
血圧のコントロールや食事療法による管理が大切です。
骨や関節の異常
腎不全によりビタミンDの産生が低下するため、カルシウムの骨への吸着が減少し、骨の異常が起こりやすくなります。二次性副甲状腺機能亢進症や高リン血症などが原因となります。
予防や治療には、カルシウムの濃度調整、活性型ビタミンD製剤の使用、食事療法によるリンの制限があります。
神経障害
手足を動かす末梢神経に異常が起こり、手足がだるくなります。知覚の異常も起こります。
発育障害、性腺の異常
腎臓病を患っている幼児は、腎機能の低下により成長ホルモンの分泌が損なわれるため、発育に障害が発生します。
成人の場合、インポテンツ、月経異常、性欲の低下などの症状があらわれます。
感染症
感染症は、血液透析による重大な合併症のひとつです。
透析の際に針を皮膚に刺しますが、この傷から細菌感染をすることがあります。
感染症を予防するには、皮膚を清潔に保ったり、免疫力を高めることが必要です。
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肝臓病予防に良い食べ物

脂肪肝を防ぐ大豆
 大豆にはコリンという成分が含まれています。これは、アルコールによって作られた中性脂肪が肝臓に沈着しておこる脂肪肝の脂肪を取り除いてくれる作用があります。
肝臓病予防になる豆乳 豆乳に含まれているダイズの物質に サポニン、コリンが含まれています。サポニンは、これまで溶血作用をもつ植物性要素として知られていましたが、逆に溶血を阻止するもの、血圧低下作用のあるものといろいろある事がわかってきました。
 また、コリンは、肝臓から余分な脂肪を取り除くリポトロピック・ファクター(抗脂肪肝因子)の一つで、ビタミンB群に属しています。ダイズに含まれるこれらの成分は豆乳にも受けつがれています。
肝硬変の予防に酵母 フェニルアラニンは糖分の代謝に関与するので、糖分をつくる機能や肝臓によい影響を与え、メチオニンはリン脂肪の合成を促進するので、肝臓にある余分な脂肪分をリンと合成させ正常に働くようにし、脂肪肝や肝硬変などの予防に役立ちます。
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乳がんのしこり

乳がんにかかっている場合、初期症状としてあらわれるのがしこりです。乳房の周辺にしこりがあれば要注意です。しかし、しこりができたからといって、必ずしも、そのすべてが乳がんと決まったわけではありません。乳房のしこりには、乳がん以外の病気には、乳腺繊維線種や乳腺症などがあります。
乳腺繊維線種は、比較的若い年齢の女性によくみられる症状で、良性のしこりなので、とくに心配はいりません。しこりが良性である場合は、大きくなっても2センチ程度の大きさで、それ以上大きくなることはまずありません。自然にしこりが小さくなることもあります。
専門医の診察を受けると、乳がんの場合は、乳房を触る触診断で、触ったかんじである程度良性か悪性かの違いがわかることもあります。悪性のしこりは、触ったときのかんじが石のように硬いのが特徴です。良性の場合は、比較的やわらかく、しこりがある部分を押しても、しこりが逃げるような感じです。
乳がんにかかって、しこりができても、ほとんどの人は痛みを感じることがありません。つまり、自覚症状が感じられないので、しこりに気づくのが遅れると、がんが進行していることがあります。しこりに気づいたら、まずはマンモグラフィー検診を受けて、専門医の診察を早めに受けましょう。
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食道がんにならないために

食道がんになる危険性が高い項目は次のとおりです。
55歳以上の男性。
喫煙者…とくにたばこ1日20本以上。
飲酒者…とくに飲酒1日3合以上。あるいは強い酒をそのまま飲む。アルコールを飲む機会の多い接客業の女性など。
熱い食べものや辛い食べものが好きな人。
咽喉頭がん、胃がん、肺がん、大腸がんなどにかかったことがある。
がんの家系…両親と兄弟のなかに2人以上のがん患者がいる。
食道に病変がある…逆流性食道炎、腐食性食道炎、食道アカラシア、バレット食道など。
 7項目をあげましたが、とくに注意すべきことは、たばことアルコールです。したがって、食道がんを予防するためにしていただきたいことは以下の3点です。
禁煙。
過量の飲酒をしないこと。1日2合以下で、毎日は飲まないこと。アルコール濃度の高い種類のお酒を避けること。
食道の粘膜が荒れるような熱いもの、辛いもの、硬いものは避けること。
早めにみつけるためには
 以上のような点に注意しても、食道がんの発生を100%防ぐことは不可能です。したがって早期発見がきわめて重要となります。 
 地域での検診やかかりつけの病院での定期検査で、胃カメラ検査を受けることが肝要です。
自覚症状に気づいたら、我慢せず早めに病院を受診し、検査を受けてください。
 もし、ルゴール散布による色素内視鏡検査を行ない、ルゴールに不染な白色の粘膜が5?以下であれば、がんの可能性は低いのですが、1?以上だとがんの可能性が高くなります。
 微小な不染粘膜が発見された場合は、少なくとも6カ月後の再検査が必要となります。
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胃がんになりやすい食事

胃がんは、日本において、発症率の高いがんの1つです。
その理由として、高塩分の食事が考えられます。
とくに、塩魚や漬物といった塩分の高い食事は、胃の粘膜に負担をかけてしまいます。
少し前の北陸や東北では、胃がんの患者さんが、非常にたくさんいらっしゃいました。
それは、この地方特有の食生活にありました。
この地域は、冬が長く、雪におおわれているため、食物を塩漬けにする習慣がありました。
現在は、新鮮な野菜や果物が年中食べられるので、そのようなことはありませんが、以前は、塩分をたくさん使用した食品が、テーブルに並ぶことが多くあったため、このような状況でした。
胃がんは、食生活との関わりが大きく、食生活を見直すことで、予防も可能です。
最近の研究では、野菜や果物の摂取が、胃がん予防に有効であるというデータもあります。
これらの野菜や果物に含まれるβカロチンやビタミンC、ビタミンEなどが、細胞に傷がつくのを防いでくれます。
そして、冷蔵庫の普及が、食べ物を塩漬けにしなくても良くなり、新鮮な野菜や果物が、年中手に入るようにもなりました。
このように、高塩分の食事は、とくに胃がんに関しては、ハイリスクになっています。
少しでも、塩分を控える食事に切り替え、さまざまな種類の野菜や果物を食べることが、胃がん予防につながります。
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慢性膵炎になる原因

アルコールの過剰摂取
慢性すい炎になる原因として、飲酒や食生活などが関わってくる他、胆石症の人に多く見られるともいわれています。
そんな原因の中でも、慢性すい炎の半分以上がアルコール性であるといわれています。
アルコールの過剰摂取の他にも脂肪の多い食事の摂り過ぎ(欧米食化)や長期間にわたる継続した疲労やストレスなどもあげられます。
また、約3割の患者は原因が不明なケースもあるようで、「特発性慢性膵炎」と呼ばれているそうです。
慢性膵炎の男女での原因差
慢性すい炎は以前、男性に非常に多い病気だったらしいのですが、近年は女性の患者さんの増加が目立ってきているとのことです。
慢性すい炎の原因を男女別でみてみると、男性の方がアルコール性で6割強を占めるのに対し、女性では特発性が約6割と最も多く、男女での原因差が明らかです。
男性に多く見られる多量のアルコール摂取が原因となっている慢性すい炎に対しては、まずは何より禁酒を心がけるなどの生活習慣を見直すことが最低限の改善策といえるようです。
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肺がん治療手術の最高の名医9人

肺がん治療・手術の最高の名医9人
            呉屋朝幸
           杏林大学病院
 外科教授 1974年鹿児島大学医学部卒。国立がんセンター等を経て現職。
「患者に最大の利益を還元する」をモットーに治療に取組んでいます。近い将来肺がん外科分野の中心になる人物と評されています。
            土屋了介
        国立がんセンター中央病院
 副院長 1970年慶應義塾大学医学部卒。防衛医科大学校等を経て現職。
 肺がんの手術件数で日本一の症例数を誇る国立がんセンター中央病院の中心的人物です。人当たりのよさに定評があり、話しやすい良い先生と評判です。
             西脇裕
         国立がんセンター東病院
 臨床検査部長 1971年京都大学医学部卒。国立療養所松戸病院勤務等を経て現職。
肺がんの化学療法の治療にいち早く取組み、着実に研鑽を重ねてきたドクターです。肺がん治療の分野において、国立がんセンター東病院の中心人物の一人です。
           淺村尚生
        国立がんセンター中央病院
 呼吸器外科医長 1983年慶應義塾大学医学部卒。米国留学等を経て1999年より現職。
年間700件の肺がん手術を三人の医師で行っている同病院の中でも、中心的な役割を果たしているドクターで、外科医としてトップレベルの技術を持っています。
           一瀬幸人
      国立病院機構九州がんセンター
 呼吸器科部長 1978年長崎大学医学部卒。テキサス大学MDアンダーソン病院等を経て現職。
患者とのスキンシップを大切にしており、実際の肺がん診療の際には患者に直に接し、スキンシップをはかる診療を心がけています。
            岡田守人
         兵庫県立成人病センター
 呼吸器外科長 1995年神戸大学大学院医学研究科修了。2002年より現職。
 肺機能温存術式である難易度の高い気管支形成術や血管形成術によって、出来る限り肺摘除を回避する治療を行っています。
            川原克信
         大分大学医学部附属病院
 腫瘍病態制御講座外科第二教授 1971年長崎大学医学部卒。福岡大学第二外科助教授を経て現職。
肺がん、食道がんの外科的治療を専門としており、腹腔鏡を用いた手術を積極的に取り入れ、低侵襲で根治的な縮小手術を行うことを目指しています。
            佐々木康綱
          埼玉医科大学病院
 
 臨床腫瘍科教授 1980年昭和大学医学部卒。国立がんセンター病院等を経て現職。
大学病院としてはまだ珍しい腫瘍内科(臨床腫瘍科)があり、また専門病院とは違って様々な合併症を有する肺がん患者に対する治療が可能です。
             中川健
         癌研究会癌研有明病院
 副院長 呼吸器外科部長 1966年東京大学医学部医学科卒。結核予防会結核研究所附属療養所等を経て現職。
治療する科の主体性で治療方針が決まるのではなく、「キャンサーボード」と呼ばれる臓器別診療グループで患者の病状を詳細に検討し、最適な治療を提供しています。
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