外科療法
手術に際しての一番の苦痛は、術後の痛みです。
しかし今は疼痛対策が非常に進歩していますので、かつてのような激しい痛みはほとんど感じることはなくなりました。硬膜外麻酔という仕掛けを手術直前に麻酔医が背中から行います。その他の鎮痛剤も非常に良いものが出来ています。
手術にはリスクがつきもので、100%安全な手術はありません。しかし、この手術も非常に安全になってきました。現在の一般的な手術関連死亡率は1~2%です。
手術中の事故はまずないのですが、怖いのは術後の合併症(余病)が生命の危険を伴うことがあることです。この中で最も怖いのは肺炎で、喫煙者は明らかに多くなります。手術を受けるなら、禁煙は絶対にしなければ命にかかわると思って下さい。
退院後は、息ぎれや、術後6ヶ月程度は傷の痛みを伴うことがあります。息ぎれがひどくライフスタイルの変更が必要になる場合がありますが、術前に予測不能でこのようになることはほとんどありません。
放射線療法
主な副作用は、放射線による食道炎、皮膚炎、肺臓炎です。
食道炎、皮膚炎は放射線治療の中ごろから終わりごろに出てきます。食道炎は食事をするとしみたり、痛みを感じたりします。皮膚炎は皮膚に痒みや軽い痛みが出ます。肺臓炎は放射線終了後に二カ月位の間に出ることがあります。
初期症状は咳、微熱、息ぎれです。強い反応が出た場合は、ステロイドホルモンを投与して治療する必要があります。強い肺臓炎にはならなくても、放射線のかかった範囲の肺は放射線肺線維症という状態になり、肺としての機能はなくなります。
化学療法
主な副作用は、骨髄毒性(貧血、白血球減少による感染、血小板減少による出血傾向など)、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、末梢神経障害(手足のしびれ)、肝機能障害、腎障害、脱毛、疲労感などです。
用いる抗がん剤の種類や個人差もあります。その他予期せぬ副作用も認められることがあります。強い白血球減少に対しては感染を防ぐため、白血球増殖因子(G-CSF)を用います。吐き気に対しても良い薬剤が開発されずいぶん楽になりました。
内視鏡治療(レーザー治療)
副作用として重篤なものはありません。
しかし、ヘマトポルフィリンは正常組織にも1~2カ月はわずかに残りますので、直射日光との反応で光過敏性皮膚炎を起こします。その防止のため、約4週間直射光より遮断する必要があります。
肺がんの治療
治療法は原則的には病期により決定されます。
それに、がんの部位、組織型、年齢、既往歴、合併症、臓器の機能や一般的な健康状態に基づいて、慎重に治療の方法を選択します。肺がんの治療法には、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法、痛みや他の苦痛に対する症状緩和を目的とした治療(緩和治療)などがあります。
外科療法
手術方法の原則は、肺野末梢部肺がんには腫瘍を含めた肺葉切除(右は上、中、下の3葉に、左は上、下の2葉に分かれており、その葉の単位で切除すること) とリンパ節郭清(リンパ節を一つ一つつまみとるのではなく、まわりの脂肪と一緒にまとめて切除すること)、肺門部肺がんには、気管支形成術(切り取った気管支の残りをつなぎ合わせる手術)を伴った肺葉切除とリンパ節郭清です。病巣の進行が軽ければ肺の部分切除で済むこともあり、進行していると1側肺の全摘にることもあり、隣接臓器を合併切除する場合もあります。
非小細胞がんの場合、通常、I期から3A期が手術の対象となります。肺は切り取っても生えてくる臓器ではありませんので、残る予定の肺機能が悪いと手術ができないこともあります。術後の5年生存率は、術後病期で見てI期:80%、2期:60%、3期:40%、IV期:10%未満です。
小細胞がんでは抗がん剤の効果が大きいので、手術を行う場合でも、手術前あるいは手術後に抗がん剤による治療を行うのが原則です。
放射線療法
X線や他の高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺すものです。
非小細胞がんの場合手術できないI期、2期、胸水を認めない3期が対象です。小細胞がんの場合には限局型が対象となります。
肺がんの場合、通常、体外から肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的には1日1回週5回照射し、5週間から6週間の治療期間が必要です。最近では、1 日2回週10回照射する多分割照射も試みられています。症例によっては、副作用を軽減できて、十分な量の放射線照射の出来る3次元照射が出来る場合もあります。
化学療法
外科療法・放射線療法が局所治療であるのに対し、抗がん剤による化学療法は全身治療です。
小細胞がんには抗がん剤の効果が著しいことから、化学療法は小細胞がんに対するもっとも一般的な治療です。非小細胞がんに対する化学療法の対象は、原則的には手術適応がない3期とIV期の症例です。
抗がん剤は通常、2種類以上を使用します。治療期間は、通常3~4週を1コースとして複数回繰り返します。毎週抗がん剤を投与する治療も行われています。
一方、非小細胞がんでは小細胞がんに比べ抗がん剤の効果が低く、抗がん剤のみでがんが治癒することは稀です。
抗がん剤による治療は化学単独で行うこともありますが、最近は、手術や放射線治療に化学療法を組み合わせる治療も積極的に行なわれるようになって来ました。このようにいろいろな治療法を組み合わせて行う治療を集学的治療と呼びますが、進行した肺がんの多くには集学的治療が必要です。
内視鏡治療(レーザー治療)
気管支鏡の可視範囲内の早期がんにはレーザー光線を照射して治療できるものがあります。
肺門型肺がんはヘビースモーカーのがんですので、高齢者や肺機能の悪い人が多く、また多発することも多く、手術ができない場合があり、レーザーを用いた「光線力学的療法」が開発されました。
「光線力学的療法」とは、がん組織に取り込まれやすく光に反応しやすい化学薬品を投与後、レーザー光線を照射し、肺門部の早期肺がんを選択的に治療する方法です。
腫瘍に集まりやすい光感受性物質(ヘマトポルフィリン誘導体)を静脈注射してから腫瘍にレーザー光を照射することにより、腫瘍細胞が選択的に破壊するという治療です。レーザー照射後は、壊死組織の器質化による気道の閉塞を防止するため、翌日より2~3日は連日、その後1カ月間は1週間に1回、気管支鏡による壊死物質の除去が必要です。
免疫療法
免疫は外敵(細菌やウイルス等)の排除に活躍していますが、体の中にできるがんに対しても作用します。
この体に備わった免疫力を強化してがんを克服しようとするのが免疫療法です。体の免疫機能を高めるとか、がん細胞を特異的に殺す免疫担当細胞を点滴するなどの種々の免疫療法が試みられています。しかし、いずれも実験段階であり、現状では肺がんに有効な免疫療法はありません。
それに、がんの部位、組織型、年齢、既往歴、合併症、臓器の機能や一般的な健康状態に基づいて、慎重に治療の方法を選択します。肺がんの治療法には、外科療法、放射線療法、抗がん剤による化学療法、免疫療法、痛みや他の苦痛に対する症状緩和を目的とした治療(緩和治療)などがあります。
外科療法
手術方法の原則は、肺野末梢部肺がんには腫瘍を含めた肺葉切除(右は上、中、下の3葉に、左は上、下の2葉に分かれており、その葉の単位で切除すること) とリンパ節郭清(リンパ節を一つ一つつまみとるのではなく、まわりの脂肪と一緒にまとめて切除すること)、肺門部肺がんには、気管支形成術(切り取った気管支の残りをつなぎ合わせる手術)を伴った肺葉切除とリンパ節郭清です。病巣の進行が軽ければ肺の部分切除で済むこともあり、進行していると1側肺の全摘にることもあり、隣接臓器を合併切除する場合もあります。
非小細胞がんの場合、通常、I期から3A期が手術の対象となります。肺は切り取っても生えてくる臓器ではありませんので、残る予定の肺機能が悪いと手術ができないこともあります。術後の5年生存率は、術後病期で見てI期:80%、2期:60%、3期:40%、IV期:10%未満です。
小細胞がんでは抗がん剤の効果が大きいので、手術を行う場合でも、手術前あるいは手術後に抗がん剤による治療を行うのが原則です。
放射線療法
X線や他の高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺すものです。
非小細胞がんの場合手術できないI期、2期、胸水を認めない3期が対象です。小細胞がんの場合には限局型が対象となります。
肺がんの場合、通常、体外から肺やリンパ節に放射線を照射します。一般的には1日1回週5回照射し、5週間から6週間の治療期間が必要です。最近では、1 日2回週10回照射する多分割照射も試みられています。症例によっては、副作用を軽減できて、十分な量の放射線照射の出来る3次元照射が出来る場合もあります。
化学療法
外科療法・放射線療法が局所治療であるのに対し、抗がん剤による化学療法は全身治療です。
小細胞がんには抗がん剤の効果が著しいことから、化学療法は小細胞がんに対するもっとも一般的な治療です。非小細胞がんに対する化学療法の対象は、原則的には手術適応がない3期とIV期の症例です。
抗がん剤は通常、2種類以上を使用します。治療期間は、通常3~4週を1コースとして複数回繰り返します。毎週抗がん剤を投与する治療も行われています。
一方、非小細胞がんでは小細胞がんに比べ抗がん剤の効果が低く、抗がん剤のみでがんが治癒することは稀です。
抗がん剤による治療は化学単独で行うこともありますが、最近は、手術や放射線治療に化学療法を組み合わせる治療も積極的に行なわれるようになって来ました。このようにいろいろな治療法を組み合わせて行う治療を集学的治療と呼びますが、進行した肺がんの多くには集学的治療が必要です。
内視鏡治療(レーザー治療)
気管支鏡の可視範囲内の早期がんにはレーザー光線を照射して治療できるものがあります。
肺門型肺がんはヘビースモーカーのがんですので、高齢者や肺機能の悪い人が多く、また多発することも多く、手術ができない場合があり、レーザーを用いた「光線力学的療法」が開発されました。
「光線力学的療法」とは、がん組織に取り込まれやすく光に反応しやすい化学薬品を投与後、レーザー光線を照射し、肺門部の早期肺がんを選択的に治療する方法です。
腫瘍に集まりやすい光感受性物質(ヘマトポルフィリン誘導体)を静脈注射してから腫瘍にレーザー光を照射することにより、腫瘍細胞が選択的に破壊するという治療です。レーザー照射後は、壊死組織の器質化による気道の閉塞を防止するため、翌日より2~3日は連日、その後1カ月間は1週間に1回、気管支鏡による壊死物質の除去が必要です。
免疫療法
免疫は外敵(細菌やウイルス等)の排除に活躍していますが、体の中にできるがんに対しても作用します。
この体に備わった免疫力を強化してがんを克服しようとするのが免疫療法です。体の免疫機能を高めるとか、がん細胞を特異的に殺す免疫担当細胞を点滴するなどの種々の免疫療法が試みられています。しかし、いずれも実験段階であり、現状では肺がんに有効な免疫療法はありません。
肺がん病期(ステージ)
がんの拡がりぐあいで治療方法が変わります。
肺がんが診断されると、がんが肺から他の臓器に拡がっているかどうか、病期診断の検査が必要になります。通常行われる検査は、脳MRI、胸部CT、腹部のCTあるいは超音波検査、骨シンチグラフィーなどです。
病期分類
がん細胞の拡がり具合で病気の進行を1~4期の病期に分類します。
1~3期は、さらにその病期の中で軽いものをA、重いものをBともう一段階細分化します。
1 期 がんが肺の中にとどまっており、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。
2 期 原発巣のがんは肺内にとどまっており、同側の肺門リンパ節には転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。
3 期 原発巣のがんが肺を越えて隣接臓器に浸潤しているか、縦隔リンパ節に転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。両方あっても・期です。
4 期 原発巣の他に、肺、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合。
小細胞肺がんでの進行度分類
小細胞がんでは手術の適応の時期を逸した進行がんで発見される症例が多いことから、限局型、進展型に大別する進行度分類も使われています。
1.限局型:
がんが1側の肺と近くのリンパ節に存在する場合。
2.進展型:
がんが肺の外に拡がり、遠隔転移のある場合。
手術を考慮している時には、1)の病期分類を使います。
肺がんが診断されると、がんが肺から他の臓器に拡がっているかどうか、病期診断の検査が必要になります。通常行われる検査は、脳MRI、胸部CT、腹部のCTあるいは超音波検査、骨シンチグラフィーなどです。
病期分類
がん細胞の拡がり具合で病気の進行を1~4期の病期に分類します。
1~3期は、さらにその病期の中で軽いものをA、重いものをBともう一段階細分化します。
1 期 がんが肺の中にとどまっており、リンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。
2 期 原発巣のがんは肺内にとどまっており、同側の肺門リンパ節には転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。
3 期 原発巣のがんが肺を越えて隣接臓器に浸潤しているか、縦隔リンパ節に転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。両方あっても・期です。
4 期 原発巣の他に、肺、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合。
小細胞肺がんでの進行度分類
小細胞がんでは手術の適応の時期を逸した進行がんで発見される症例が多いことから、限局型、進展型に大別する進行度分類も使われています。
1.限局型:
がんが1側の肺と近くのリンパ節に存在する場合。
2.進展型:
がんが肺の外に拡がり、遠隔転移のある場合。
手術を考慮している時には、1)の病期分類を使います。
肺がんの検査
確定診断
がんであることの確定診断はがん細胞を確認することです。
喀痰の中のがん細胞を確認する場合(喀痰細胞診)、気管支経由で細胞を採取する器具を病変に挿入する場合(気管支鏡検査)と、体外から針を刺して病変から細胞を採取する方法(経皮的肺穿刺法)の3種類があります。これで診断がつかない時には、手術により診断をつける場合(開胸生検)があります。
1.喀痰細胞診:
喀痰細胞診は血痰、継続する咳、痰などの呼吸器症状を訴える患者に対して、必須の検査です。
特に、太い気管支に発生した肺門部早期肺がんでは、胸部・線写真に異常がないことが多く、喀痰細胞診が発見手段となります。喀痰細胞診の陽性率は、回数を重ねるとともに向上するので最低3日間の検査が必要です。
2.気管支鏡検査:
気管支鏡で病巣を観察しながらブラシなどで目的の部位を擦過する病巣擦過法、あるいは病巣を針で穿刺する経気管支的穿刺吸引細胞診を行います。気管支鏡の可視範囲外の末梢病巣に対しては、X線透視下にブラシや針を誘導オ病巣から細胞を採取します。
よく気管支鏡検査は非常に苦しいといわれますが、決してそんなことはありません。喉に局所麻酔剤をよく効かせて検査を行いますので、胃カメラ検査よりも楽に検査ができます。
3.経皮的肺穿刺法:
経気管支的に検索が困難な末梢病巣には、穿刺針を用いて細胞を採取します。
・線透視下に病巣を確認しながら、皮膚を通して目的の部位まで穿刺針を挿入し、腫瘤に到達したら注射器で吸引します。
・線透視で確認できない微小病変では、CTガイド下に穿刺をします。経皮針生検の場合は肺を覆っている胸膜に外から穴をあけることになりますので、そこから空気が漏れて、気胸という合併症をおこす可能性が10%ほどあります。
これに対応できるように、基本的には短期の入院が必要な検査です。
4.開胸生検:
手術により直接腫瘍から組織をとり診断する方法です。近年は胸腔鏡という技術ができて、負担の少ない手術で診断がつくようになりました。
病期(ステージ)診断
がんは発生した部位で大きくなるのみではなく、リンパ節やいろいろな臓器に転移をおこす可能性があります。その程度によって適切な治療方法が異なります。すなわち肺がんの進行の程度を示す病期を決める検査です。これらを調べるために胸部のみならず、いろいろな臓器のCT、MR、超音波、アイソトープの検査などが目的に応じて行われます。詳しくは「Chapter.9 病期(ステージ)」を参照して下さい。
耐術能検査
肺は生命の維持に必須の臓器であり、切除の限界は、肺機能の正常な人で左右の肺のどちらか一方を全部切除するところまでです。肺や胸膜の病気により肺活量が減少したり、肺気腫などの肺の疾患で肺から血液に酸素を取り入れる効率の低下したりしている時には、片方の肺全部を切除すると残りの肺では生きてゆくことが困難な場合もあります。
そこで、がんを治すために必要十分な切除の範囲を決定し、予定手術の術後にどれだけの肺機能になるかを正確に予測すること、また予定以上に進行していた場合には、どこまで手術を拡大できるかを把握しておくことは非常に重要なのです。
このために、通常の肺機能検査のほかに、肺血流シンチや肺換気シンチなどが行なわれます。
手術適応から外れる人にはここまで詳しく調べる必要はありません。
がんであることの確定診断はがん細胞を確認することです。
喀痰の中のがん細胞を確認する場合(喀痰細胞診)、気管支経由で細胞を採取する器具を病変に挿入する場合(気管支鏡検査)と、体外から針を刺して病変から細胞を採取する方法(経皮的肺穿刺法)の3種類があります。これで診断がつかない時には、手術により診断をつける場合(開胸生検)があります。
1.喀痰細胞診:
喀痰細胞診は血痰、継続する咳、痰などの呼吸器症状を訴える患者に対して、必須の検査です。
特に、太い気管支に発生した肺門部早期肺がんでは、胸部・線写真に異常がないことが多く、喀痰細胞診が発見手段となります。喀痰細胞診の陽性率は、回数を重ねるとともに向上するので最低3日間の検査が必要です。
2.気管支鏡検査:
気管支鏡で病巣を観察しながらブラシなどで目的の部位を擦過する病巣擦過法、あるいは病巣を針で穿刺する経気管支的穿刺吸引細胞診を行います。気管支鏡の可視範囲外の末梢病巣に対しては、X線透視下にブラシや針を誘導オ病巣から細胞を採取します。
よく気管支鏡検査は非常に苦しいといわれますが、決してそんなことはありません。喉に局所麻酔剤をよく効かせて検査を行いますので、胃カメラ検査よりも楽に検査ができます。
3.経皮的肺穿刺法:
経気管支的に検索が困難な末梢病巣には、穿刺針を用いて細胞を採取します。
・線透視下に病巣を確認しながら、皮膚を通して目的の部位まで穿刺針を挿入し、腫瘤に到達したら注射器で吸引します。
・線透視で確認できない微小病変では、CTガイド下に穿刺をします。経皮針生検の場合は肺を覆っている胸膜に外から穴をあけることになりますので、そこから空気が漏れて、気胸という合併症をおこす可能性が10%ほどあります。
これに対応できるように、基本的には短期の入院が必要な検査です。
4.開胸生検:
手術により直接腫瘍から組織をとり診断する方法です。近年は胸腔鏡という技術ができて、負担の少ない手術で診断がつくようになりました。
病期(ステージ)診断
がんは発生した部位で大きくなるのみではなく、リンパ節やいろいろな臓器に転移をおこす可能性があります。その程度によって適切な治療方法が異なります。すなわち肺がんの進行の程度を示す病期を決める検査です。これらを調べるために胸部のみならず、いろいろな臓器のCT、MR、超音波、アイソトープの検査などが目的に応じて行われます。詳しくは「Chapter.9 病期(ステージ)」を参照して下さい。
耐術能検査
肺は生命の維持に必須の臓器であり、切除の限界は、肺機能の正常な人で左右の肺のどちらか一方を全部切除するところまでです。肺や胸膜の病気により肺活量が減少したり、肺気腫などの肺の疾患で肺から血液に酸素を取り入れる効率の低下したりしている時には、片方の肺全部を切除すると残りの肺では生きてゆくことが困難な場合もあります。
そこで、がんを治すために必要十分な切除の範囲を決定し、予定手術の術後にどれだけの肺機能になるかを正確に予測すること、また予定以上に進行していた場合には、どこまで手術を拡大できるかを把握しておくことは非常に重要なのです。
このために、通常の肺機能検査のほかに、肺血流シンチや肺換気シンチなどが行なわれます。
手術適応から外れる人にはここまで詳しく調べる必要はありません。
肺がんの発見
症状による発見
自覚症状によって肺がんが発見された場合、肺門型肺がんであれば良いのですが、肺野型肺がんの場合には一般には、治癒に結びつく治療は難しいのが現実です。さらに遠隔転移による症状で発見された肺がんの場合、基本的には治癒に結びつく治療はありません。
検診による発見
肺がん発見のための検査は喀痰細胞診と胸部レントゲン検査、CT検査(ヘリカルCT)です。
肺門型肺がんではたんの中にがん細胞がでてくることが多いので、喀痰細胞診を行って発見します。早朝の痰を採取し痰の中にがん細胞が含まれているかどうかを検査するものです。
肺門型肺がんは基本的には喫煙者の肺がんですので、タバコを吸わない人にはあまり意味がありません。
一方、肺野型肺がんでは症状に乏しく、とくに初期にはほとんど症状がありません。胸部レントゲン検査で発見します。検診やほかの病気の検査の時に偶然発見されたりもします。
これに対して、最近はへリカルCTといって、患者さんが呼吸を停止している間に目標とする部位の周囲を・線管球がグルグル回転し、その間に患者さんを検査台ごとスライドさせてすき間なく対象臓器の全体を検査する方法が開発され、通常のレントゲン写真では写りにくい部位の肺がんの発見や、小さい肺がんなどの発見に威力を発揮しはじめています。
自覚症状によって肺がんが発見された場合、肺門型肺がんであれば良いのですが、肺野型肺がんの場合には一般には、治癒に結びつく治療は難しいのが現実です。さらに遠隔転移による症状で発見された肺がんの場合、基本的には治癒に結びつく治療はありません。
検診による発見
肺がん発見のための検査は喀痰細胞診と胸部レントゲン検査、CT検査(ヘリカルCT)です。
肺門型肺がんではたんの中にがん細胞がでてくることが多いので、喀痰細胞診を行って発見します。早朝の痰を採取し痰の中にがん細胞が含まれているかどうかを検査するものです。
肺門型肺がんは基本的には喫煙者の肺がんですので、タバコを吸わない人にはあまり意味がありません。
一方、肺野型肺がんでは症状に乏しく、とくに初期にはほとんど症状がありません。胸部レントゲン検査で発見します。検診やほかの病気の検査の時に偶然発見されたりもします。
これに対して、最近はへリカルCTといって、患者さんが呼吸を停止している間に目標とする部位の周囲を・線管球がグルグル回転し、その間に患者さんを検査台ごとスライドさせてすき間なく対象臓器の全体を検査する方法が開発され、通常のレントゲン写真では写りにくい部位の肺がんの発見や、小さい肺がんなどの発見に威力を発揮しはじめています。
肺がんの分類
細胞の形態による分類
肺がんと一口でいっても実はいろいろな種類のがんがあります。
それらは顕微鏡でみたがん細胞の形態から大きく分けると、腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんなどに分類されます。
一番多いのは腺がん
腺がんは肺の末梢に発生するがんの代表的なもので、非喫煙者の女性もかかるがんです。
肺がんの60%の多くを占め、肺がんでは最も頻度の高いがんです。しかも近年この腺がんの増加が著しいことが問題となっています。腺がんははっきりした原因の判っていないがんと考えられていましたが、近年この腺がんにも喫煙と関係のないがんと、喫煙が関係しているがんがあることが判って来ました。
次に多いのが扁平上皮がん
扁平上皮がんは喫煙と関連の深いがんで、非喫煙者はまずかからないがんです。
圧倒的に男性に多く、肺がんの約20%を占めます。後の項で述べる肺門(肺の心臓に近い部分で、比較的太い気管支の部分)型肺がんの代表的なものですが、肺野(肺の末梢の部分)に発生することも多く、扁平上皮がんの60%は末梢発生です。がんが発生したその場所で発育する性格が比較的つよく、転移の足が遅く、完全に切除できると治癒の可能性が高いがんです。また放射線治療も有効ながんです。
その他の肺がん
小細胞がんは発育が早く、小さなうちから転移をおこしやすいがんとして有名です。
幸い肺がんの15%程度にしかすぎません。発育が早いために発見されたときにはすでに進行しており、治療として手術が考慮されることは少なくなります。検診での早期発見による2次予防の難しい肺がんです。
肺門付近にできやすく、喫煙との関連もあり男性に多いがんです。抗がん剤や放射線療法が非常に有効なことが治療上の特徴で、この点で他の肺がんとは治療上の対応が異なり、手術よりも抗がん剤の治療が主体になることの多い肺がんです。
大細胞がんは肺がんの約5%を占めますが、発育が比較的早いという以外あまりはっきりした特徴はありません。
この4種類以外にも肺がんはありますが、特殊で稀ながんということになります。
肺がんと一口でいっても実はいろいろな種類のがんがあります。
それらは顕微鏡でみたがん細胞の形態から大きく分けると、腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんなどに分類されます。
一番多いのは腺がん
腺がんは肺の末梢に発生するがんの代表的なもので、非喫煙者の女性もかかるがんです。
肺がんの60%の多くを占め、肺がんでは最も頻度の高いがんです。しかも近年この腺がんの増加が著しいことが問題となっています。腺がんははっきりした原因の判っていないがんと考えられていましたが、近年この腺がんにも喫煙と関係のないがんと、喫煙が関係しているがんがあることが判って来ました。
次に多いのが扁平上皮がん
扁平上皮がんは喫煙と関連の深いがんで、非喫煙者はまずかからないがんです。
圧倒的に男性に多く、肺がんの約20%を占めます。後の項で述べる肺門(肺の心臓に近い部分で、比較的太い気管支の部分)型肺がんの代表的なものですが、肺野(肺の末梢の部分)に発生することも多く、扁平上皮がんの60%は末梢発生です。がんが発生したその場所で発育する性格が比較的つよく、転移の足が遅く、完全に切除できると治癒の可能性が高いがんです。また放射線治療も有効ながんです。
その他の肺がん
小細胞がんは発育が早く、小さなうちから転移をおこしやすいがんとして有名です。
幸い肺がんの15%程度にしかすぎません。発育が早いために発見されたときにはすでに進行しており、治療として手術が考慮されることは少なくなります。検診での早期発見による2次予防の難しい肺がんです。
肺門付近にできやすく、喫煙との関連もあり男性に多いがんです。抗がん剤や放射線療法が非常に有効なことが治療上の特徴で、この点で他の肺がんとは治療上の対応が異なり、手術よりも抗がん剤の治療が主体になることの多い肺がんです。
大細胞がんは肺がんの約5%を占めますが、発育が比較的早いという以外あまりはっきりした特徴はありません。
この4種類以外にも肺がんはありますが、特殊で稀ながんということになります。
肺がん検診の現状
昭和62年から老人保健法により、各市町村で肺がん検診が導入されています。
1991年には、肺がん検診受診者数は550万人を超え、このうち2,200人が肺がんと診断されています。
多くの市町村で、早期発見や禁煙指導などの健康教育、講習会やパンフレット配布を行っています。その他、肺がんをなくす会などの団体による検診も行われています。
検診で発見された肺がんの比率は、全肺がんの10%未満ですが、咳、痰、血痰などの自覚症状で発見された肺がんに比べ、検診で肺がんが発見された場合の病期は早期のものが多い結果となっています。
肺がん検診は、一般的には胸のレントゲン写真と喀痰細胞診と呼ばれる痰の検査により行われております。
最近は、ヘリカルCTと呼ばれる肺のX線断層検査が約15秒間で行われるようになり、より小さな肺がんも発見されるようになっています。
肺の奥のほうにできる肺がんは(肺野型)、レントゲン写真でよく発見されます。喫煙ともあまり関係がないので、40歳以上の方は、年1回は少なくとも検査する必要があります。
一方、肺の入口にできる肺門型のがんは喫煙と深く関係しています。レントゲン写真に映りにくいのですが、痰の中にがん細胞がこぼれ落ちてくることが多いので、痰の細胞検査で早期に発見することができます。
特に50歳以上の重喫煙者の方は、肺の入口の部分のがんにかかる率も高いので、痰の細胞診も定期的に行う必要があります。
検診で肺癌が発見された患者さんの方が,自覚症状はあってから受診された患者さんより,明らかに長生きできています.
ちなみに,別の病気で病院に通院中に発見された患者さんも,自覚症状がないうちに発見できているため,長生きしておられます。
検診で早期発見される場合,70歳以上の高齢者より,60歳代までの方のほうが,早期発見により長生きできる可能性が高い結果がでました。
これは,70歳以上の高齢者では,早期に肺癌が発見されても,高齢のために手術や抗癌剤治療ができないこと,肺癌を治療しても,別の病気で亡くなっておられる方が多いためです。
1991年には、肺がん検診受診者数は550万人を超え、このうち2,200人が肺がんと診断されています。
多くの市町村で、早期発見や禁煙指導などの健康教育、講習会やパンフレット配布を行っています。その他、肺がんをなくす会などの団体による検診も行われています。
検診で発見された肺がんの比率は、全肺がんの10%未満ですが、咳、痰、血痰などの自覚症状で発見された肺がんに比べ、検診で肺がんが発見された場合の病期は早期のものが多い結果となっています。
肺がん検診は、一般的には胸のレントゲン写真と喀痰細胞診と呼ばれる痰の検査により行われております。
最近は、ヘリカルCTと呼ばれる肺のX線断層検査が約15秒間で行われるようになり、より小さな肺がんも発見されるようになっています。
肺の奥のほうにできる肺がんは(肺野型)、レントゲン写真でよく発見されます。喫煙ともあまり関係がないので、40歳以上の方は、年1回は少なくとも検査する必要があります。
一方、肺の入口にできる肺門型のがんは喫煙と深く関係しています。レントゲン写真に映りにくいのですが、痰の中にがん細胞がこぼれ落ちてくることが多いので、痰の細胞検査で早期に発見することができます。
特に50歳以上の重喫煙者の方は、肺の入口の部分のがんにかかる率も高いので、痰の細胞診も定期的に行う必要があります。
検診で肺癌が発見された患者さんの方が,自覚症状はあってから受診された患者さんより,明らかに長生きできています.
ちなみに,別の病気で病院に通院中に発見された患者さんも,自覚症状がないうちに発見できているため,長生きしておられます。
検診で早期発見される場合,70歳以上の高齢者より,60歳代までの方のほうが,早期発見により長生きできる可能性が高い結果がでました。
これは,70歳以上の高齢者では,早期に肺癌が発見されても,高齢のために手術や抗癌剤治療ができないこと,肺癌を治療しても,別の病気で亡くなっておられる方が多いためです。
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