大腸がんは、全長約1.5mの腸に発生するがんで、腸から肛門に続く長さ約15cmの「直腸」にできるがんが、大腸がんの全体のうちの約半分を占めています。また、上行・横行・下行・S状の4つに区分される結腸部分にもがんができます。
急増する大腸がんの新規患者数は年間約9万人、2005年に国立がんセンターがまとめた最新の統計では、男性で4位、女性で3位が大腸がんが原因で亡くなっています。
以前の直腸がんの手術は、命の代わりに男性は性機能を失ったり、女性は尿が漏れやすくなったり、と、病気と戦いながら日常生活を送るにあたって、大変な苦しみがありました。
今日では、できるだけ、自然の肛門と神経機能を温存する手術テクニックが普及して、この10年間でその苦しみを味わうことなく、がん治療に大きな貢献をもたらしています。
それに加えて、大腸がんの「腹腔鏡下手術」、おなかに5mm~10mm程度の小さな穴を数箇所開け、腹腔鏡を入れて大腸を切除するがん手術が登場して、患者さんの体にかかる負担が大幅に減りました。
増加をたどる大腸がん、新しい治療をはじめている日本全国の病院をご紹介します。
●北里大学病院 外科 (神奈川県)
外科 渡邊昌彦(わたなべまさひこ) 教授・國場幸均(こくばゆきひと)講師
(電話)042-778-8111
腹腔鏡下手術の第一人者・渡邊昌彦教授は、累積手術数1000例以上。2003年12月に教授になってからは、2004年に268例、2005年に298例と大腸がんの手術が急増しました。(年間に同じ部位のがんの手術が200例を越えることはまれ)そのうち、渡邊教授、國場幸均講師らが得意とする腹腔鏡下手術が半数を占めています。その腕を求めて、東北や、関西、九州からも患者さんが来院するほどです。
●新潟県立がんセンター 新潟病院 (新潟県)
消化器外科 瀧井康公(たきいやすまさ)外科部長、
消化器内科船越和博(ふなこしかずひろ)内科部長 (電話)025-266-5111
内視鏡的切除が可能な早期がんは消化器内科の船越和博部長で担当し、切除が必要な早期がんや進行がんに対する手術を瀧井康公部長らの大腸外科が引き受ける、といった分担が出来ている。2004年の年間手術数218例のうち、直腸は74例、その他の結腸は144例でした。専門外来は毎週水曜日、新患は月~金曜日の毎日受け付ける体制を整えています。
●国立がんセンター東病院 (千葉県)
下腹部外科 齊藤典男(さいとうのりお) 手術部長、杉藤正典(すぎとうまさのり) 病棟医長、
消化管内科 大津敦(おおつあつし) 内視鏡部長 (電話)04-7133-1111
大腸がん手術287例中、直腸126例、結腸161例をこなす。消化器内科が手がける内視鏡的粘膜切除は150例あり、そのうちの95%は日帰りの手術、平均入院日数は2日ほどです。開腹手術は160例、平均入院日数は15日ほどです。また、腹腔鏡下手術117例でも、平均入院日数は10日ほどです。年間の外来数も、大腸がんだけで、1万3500人にもなります。
「大腸がんに対するもっとも効果的な治療は、いまだに手術による切除(または内視鏡下切除)です。しかし、がんの進行状況に合わせて機能温存手術や、低侵襲手術といった手術が可能になってきました。各治療法のメリットとデメリットをよく理解し、ご本人に合った治療法を選びましょう。」(杉藤正典医長)
●病院名・診療科・医師名・電話・治療方針・特徴
●札幌厚生病院 (北海道)
外科 近藤征文(こんどうゆきふみ)副院長、益子博幸(ますこひろゆき)部長、消化器科 今村哲理(いまむらあきみち)副院長 (電話)011-261-5331(北海道)
がんの完全切除と確実なリンパ摘出に取り組みます。消化器科の今村副院長と、黒川聖医長らは、大腸がんの内視鏡治療を得意としています。
●山形県立中央病院 (山形県)
外科 佐藤敏彦(さとうとしひこ)副部長、消化器内科 間部克裕(まべかつひろ)医師
早期大腸がんの場合、内視鏡を使った粘膜切除術や、腹腔鏡を使った手術で術後平均10日の退院を可能にしています。進行再発がんに対しては、拡大手術を施行します。
●自治医科大学付属 さいたま医療センター (埼玉県)
一般・消化器外科 小西文雄 教授、河村裕 講師 (電話)048-647-2111
●愛知県がんセンター中央病院 (愛知県)
消化器外科 加藤知行(かとうともゆき)院長、平井孝(ひらいたかし)外来部長、金光幸秀(かねみつゆきひで)医長 (電話)052-762-6111(愛知県)
加藤知行院長は日本を代表する大腸外科医の一人。結腸の早期がんには腹腔鏡下手術を慎重に行い、早期結腸がんに対しては、東海地方で唯一「経肛門的内視鏡下マイクロサージェリー(TEM)が行える装置を導入しています。」
●大阪府立成人病センター (大阪府)
消化器外科 大植雅之(おおうえまさゆき) 医長、能浦真吾(のうらしんご)診療主任、消化器内科 飯石浩康(いいいしひろやす)部長 (電話)06-6972-1181(大阪府)
進行直腸がんにもっとも力を入れており、可能な限り肛門温存手術に挑んでいます。早期の直腸がんでは経肛門的切除などの、「おなかを切らない手術」も行っています。
●広島大学病院 (広島県)
消化器外科(内視鏡外科)岡島正純(おかじままさずみ)教授、小島康知(おじまやすとも)講師、池田聡(いけださとし)講師 (電話)082-257-5555(広島県)
大腸外科全般にわたり「患者さんにやさしい治療」を合言葉に、よりレベルの高い医療を目指しています。中国・四国地方ではトップクラスの病院で、岡島正純教授は大腸がん手術の名手として知られています。
●久留米大学病院 (福岡県)
外科 白水和雄(しろうずかずお) 主任教授、緒方裕(おがたひろし)助教授、赤木由人(あかぎよしと)講師 (電話)0942-35-3311
大腸がん年間手術数118例(直腸62例、結腸56例)とくに直腸肛門がんに対しては、内視鏡手術を取り入れ、「究極の肛門温存手術」として注目されています。
●高野病院 (熊本県)
大腸肛門科 山田一隆院長 (電話)096-384-1011(熊本県)
乳がんに強い病院ベスト10
肝臓がんは年々増加傾向にあり、平成16年には約3万5000人が死亡している。肝臓がんの多くは肝硬変を伴っているので治療が難しいが、いろいろな治療法が開発され、治療の選択肢は広がりつつある。定評のある病院はどこなのか。
●東大病院(東京都)
東京大学医学部付属病院の消化器内科では、ラジオ波焼灼療法をこれまでに
約2300例、昨年は約500例行っている。合計数、年間数ともに世界トップを誇る。
ラジオ波焼灼療法とは超音波装置などでがんの位置を確かめながら、長さ20センチ、
太さ1.5ミリの針状の電極をがんに刺して、その電極に電磁波の一種であるラジオ波を
流して、100度前後の熱でがんを焼き切る治療法である。
肝臓がんが「3センチ以下で3個以内」が治療にはよい条件だが、これを超えても
肝機能が良ければ治療対象になる。
「がんが多発していたり、肝硬変を合併していたりするため、肝臓がんを切除できるのは
20~30%です。しかも、手術ができても1年で20%、5年で80%が再発します。
このため、体への負担が少なく、根治性が高く再治療が容易なラジオ波療法が広く
行われるようになったのです」(椎名秀一朗講師)
また、「ラジオ波療法は転移性の肝臓がんにも有効です」と椎名講師は言う。
大腸がんの肝転移36例にラジオ波焼灼療法を行い、5年生存率が76%という
驚くべきいい成績を挙げている。今後、ラジオ波療法と全身化学療法を組み合わせた
治療も行っていく予定だ。
●国立がんセンター中央病院(東京都)
国立がんセンター中央病院の肝胆膵グループが行う肝臓がんの切除手術は、
年間約180例に上り全国トップクラスだ。がんを含めて肝臓の一部を切除する治療で、
がんを確実に取り除くことができるのが長所だ。肝機能が十分に保たれていて、
がんが1~3個の場合などがいい対象になる。
「切除手術では出血量を極力少なくし、スピーディーに行い、在院日数を短くするように
取り組んでいます」と島田和明医師。
切除手術の80%は輸血なしで行うことができる。入院日数も10日から2週間ほどと短い。
「手術時間を短くすることで、患者さんの体への負担を軽減することができます」(島田医師)
難易度の高い症例も含めて、すべてのステージ(進行度)を合わせた5年生存率は
約50%だ。
●京都大学病院(京都府)
京都大学病院の移植外科は、肝臓がんに対する肝移植手術で先駆的な役割と
実績を誇る。これまでに肝臓がんに対する生体肝移植を123例(05年10月1日現在)
実施している。
特に04年1月からは一定の条件内での生体肝移植手術が保険適用となり、
手術数が増えている。
「生体肝移植が保険適用となるのは、“がんの直径が3センチ以下のものが3個以内”、
あるいは“がんが1個なら直径5センチ以下”です。ただし遠隔転移やリンパ節転移がなく、
門脈や肝静脈にも浸潤がないことが条件となります」(江川裕人助教授)
生体肝移植ではドナー(臓器提供者)が必要となる。一般的にはドナーは3親等以内の
親族で健康な肝臓を持つ65歳以下の人で、肝移植を受ける患者と血液型が同じか
適合すること(輸血が可能な組み合わせ)が原則だ。
患者の手術時間(切除と移植)は10~12時間。入院期間は約1カ月。ドナーの
手術時間は6、7時間。入院期間は約2週間。
「肝臓がんの生体肝移植の5年生存率は60~70%です。進行がんなどの患者さんに
とって有力な治療の選択肢の一つになりつつあります」(江川助教授)
●病院名・診療科・医師名・電話・治療方針・特徴
●北海道大学病院 第1外科
藤堂省教授(電話)011・716・1161(北海道)
これまでの方法では治療困難だった症例に対しても積極的に肝切除を行う。
肝移植も肝臓がんの治療法として組み込んでいる
●武蔵野赤十字病院 消化器科
泉並木部長(電話)0422・32・3111(東京都)
ラジオ波穿刺針は確実性と安全性を考慮した特殊な針を使用。
ラジオ波療法延べ1150例で5年生存率67%。腹腔鏡も使う
●国立がんセンター中央病院 肝胆膵グループ
島田和明医師(電話)03・3542・2511(東京都)
切除手術の年間数で全国トップクラス。「治療ガイドライン」に基づいて
切除手術を実施。難易度の高い症例にも対応している
●東京女子医科大学病院 消化器病センター外科
高崎健教授(電話)03・3353・8111(東京都)
肝臓がんの年間手術数200例。手術のみならず、免疫療法、
化学療法も組み合わせる。ラジオ波療法120例、肝動脈塞栓療法350例
●東京大学医学部付属病院 消化器内科
椎名秀一朗講師(電話)03・3815・5411(東京都)
ラジオ波療法の合計数、年間数で世界トップの実績。原発性肝がんだけでなく、
大腸がんの肝転移などにも積極的に取り組んでいる
●名古屋大学付属病院 消化器外科I
二村雄次教授(電話)052・741・2111(愛知県)
手術不能例が多い胆管細胞がん(肝臓がんの一つ)の患者が全国から来る。
切除症例数160、切除率約80%は世界でもトップクラス
●京都大学病院 移植外科
江川裕人助教授 高田泰次助教授(電話)075・751・3111(京都府)
肝臓がんの生体肝移植手術数で全国一。95年に移植外科、99年に
臓器移植医療部を発足。生体肝移植手術で先駆的役割を果たす
●大阪府立成人病センター 消化器外科
佐々木洋部長(電話)06・6972・1181(大阪府)
肝臓がんの年間手術数90例。個々の状態に応じて肝切除と開発工夫した
補助療法の複合治療を行う。ラジオ波を含む最適治療を実施
●近畿大学病院 消化器内科
工藤正俊教授(電話)072・366・0221(大阪府)
99年以後のラジオ波療法延べ2000例。3センチ以下3個以内の5年生存率76%。
ラジオ波後のインターフェロン併用では5年生存率100%
●久留米大学病院 肝がんセンター・第2外科
佐田通夫教授(電話)0942・35・3311(福岡県)
外来診察、治療は肝がんセンターで内科、外科、放射線科が共同で実施。
月約500人受診。ラジオ波、肝動注化学療法を積極的に行う
●東大病院(東京都)
東京大学医学部付属病院の消化器内科では、ラジオ波焼灼療法をこれまでに
約2300例、昨年は約500例行っている。合計数、年間数ともに世界トップを誇る。
ラジオ波焼灼療法とは超音波装置などでがんの位置を確かめながら、長さ20センチ、
太さ1.5ミリの針状の電極をがんに刺して、その電極に電磁波の一種であるラジオ波を
流して、100度前後の熱でがんを焼き切る治療法である。
肝臓がんが「3センチ以下で3個以内」が治療にはよい条件だが、これを超えても
肝機能が良ければ治療対象になる。
「がんが多発していたり、肝硬変を合併していたりするため、肝臓がんを切除できるのは
20~30%です。しかも、手術ができても1年で20%、5年で80%が再発します。
このため、体への負担が少なく、根治性が高く再治療が容易なラジオ波療法が広く
行われるようになったのです」(椎名秀一朗講師)
また、「ラジオ波療法は転移性の肝臓がんにも有効です」と椎名講師は言う。
大腸がんの肝転移36例にラジオ波焼灼療法を行い、5年生存率が76%という
驚くべきいい成績を挙げている。今後、ラジオ波療法と全身化学療法を組み合わせた
治療も行っていく予定だ。
●国立がんセンター中央病院(東京都)
国立がんセンター中央病院の肝胆膵グループが行う肝臓がんの切除手術は、
年間約180例に上り全国トップクラスだ。がんを含めて肝臓の一部を切除する治療で、
がんを確実に取り除くことができるのが長所だ。肝機能が十分に保たれていて、
がんが1~3個の場合などがいい対象になる。
「切除手術では出血量を極力少なくし、スピーディーに行い、在院日数を短くするように
取り組んでいます」と島田和明医師。
切除手術の80%は輸血なしで行うことができる。入院日数も10日から2週間ほどと短い。
「手術時間を短くすることで、患者さんの体への負担を軽減することができます」(島田医師)
難易度の高い症例も含めて、すべてのステージ(進行度)を合わせた5年生存率は
約50%だ。
●京都大学病院(京都府)
京都大学病院の移植外科は、肝臓がんに対する肝移植手術で先駆的な役割と
実績を誇る。これまでに肝臓がんに対する生体肝移植を123例(05年10月1日現在)
実施している。
特に04年1月からは一定の条件内での生体肝移植手術が保険適用となり、
手術数が増えている。
「生体肝移植が保険適用となるのは、“がんの直径が3センチ以下のものが3個以内”、
あるいは“がんが1個なら直径5センチ以下”です。ただし遠隔転移やリンパ節転移がなく、
門脈や肝静脈にも浸潤がないことが条件となります」(江川裕人助教授)
生体肝移植ではドナー(臓器提供者)が必要となる。一般的にはドナーは3親等以内の
親族で健康な肝臓を持つ65歳以下の人で、肝移植を受ける患者と血液型が同じか
適合すること(輸血が可能な組み合わせ)が原則だ。
患者の手術時間(切除と移植)は10~12時間。入院期間は約1カ月。ドナーの
手術時間は6、7時間。入院期間は約2週間。
「肝臓がんの生体肝移植の5年生存率は60~70%です。進行がんなどの患者さんに
とって有力な治療の選択肢の一つになりつつあります」(江川助教授)
●病院名・診療科・医師名・電話・治療方針・特徴
●北海道大学病院 第1外科
藤堂省教授(電話)011・716・1161(北海道)
これまでの方法では治療困難だった症例に対しても積極的に肝切除を行う。
肝移植も肝臓がんの治療法として組み込んでいる
●武蔵野赤十字病院 消化器科
泉並木部長(電話)0422・32・3111(東京都)
ラジオ波穿刺針は確実性と安全性を考慮した特殊な針を使用。
ラジオ波療法延べ1150例で5年生存率67%。腹腔鏡も使う
●国立がんセンター中央病院 肝胆膵グループ
島田和明医師(電話)03・3542・2511(東京都)
切除手術の年間数で全国トップクラス。「治療ガイドライン」に基づいて
切除手術を実施。難易度の高い症例にも対応している
●東京女子医科大学病院 消化器病センター外科
高崎健教授(電話)03・3353・8111(東京都)
肝臓がんの年間手術数200例。手術のみならず、免疫療法、
化学療法も組み合わせる。ラジオ波療法120例、肝動脈塞栓療法350例
●東京大学医学部付属病院 消化器内科
椎名秀一朗講師(電話)03・3815・5411(東京都)
ラジオ波療法の合計数、年間数で世界トップの実績。原発性肝がんだけでなく、
大腸がんの肝転移などにも積極的に取り組んでいる
●名古屋大学付属病院 消化器外科I
二村雄次教授(電話)052・741・2111(愛知県)
手術不能例が多い胆管細胞がん(肝臓がんの一つ)の患者が全国から来る。
切除症例数160、切除率約80%は世界でもトップクラス
●京都大学病院 移植外科
江川裕人助教授 高田泰次助教授(電話)075・751・3111(京都府)
肝臓がんの生体肝移植手術数で全国一。95年に移植外科、99年に
臓器移植医療部を発足。生体肝移植手術で先駆的役割を果たす
●大阪府立成人病センター 消化器外科
佐々木洋部長(電話)06・6972・1181(大阪府)
肝臓がんの年間手術数90例。個々の状態に応じて肝切除と開発工夫した
補助療法の複合治療を行う。ラジオ波を含む最適治療を実施
●近畿大学病院 消化器内科
工藤正俊教授(電話)072・366・0221(大阪府)
99年以後のラジオ波療法延べ2000例。3センチ以下3個以内の5年生存率76%。
ラジオ波後のインターフェロン併用では5年生存率100%
●久留米大学病院 肝がんセンター・第2外科
佐田通夫教授(電話)0942・35・3311(福岡県)
外来診察、治療は肝がんセンターで内科、外科、放射線科が共同で実施。
月約500人受診。ラジオ波、肝動注化学療法を積極的に行う
胃がんに強い病院ベスト10
胃がんの死亡率は肺がんに次いで第2位、死亡者数は年間5万人に上る。
がんの進行度によって治療の選択肢も異なるが、胃がんの治療で専門家の評価が高い病院はどこなのか。
●国立がんセンター中央病院(東京都)
国立がんセンター中央病院の内視鏡部は、早期胃がんに対する内視鏡治療数が年間約450例で全国トップを誇る。
内視鏡治療とは胃カメラを介して行う治療。がんの根元にワイヤをかけ高周波電流を流して焼き切る内視鏡的粘膜切除術(EMR)と、ITナイフ(高周波針状ナイフの先端にセラミック製のチップを付けたもの)などを用いてがんをまくり上げるように切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)がある。
同病院では96年に胃壁を傷つけないように工夫したITナイフを開発し、2000年からESDを本格的に始めた。
「現在、内視鏡治療の99%はESDです。EMRは最大径2センチまでのがんが対象で、がんを焼き切るため、大変大事な病理判定を不正確にすることがあります。しかし、ESDの対象は最大径2センチ以上のがんと広く、しかもがんの組織を傷つけないように切除する方法なので、病理判定が正確にできるという利点があります」(斉藤大三部長)
ESDは通常、全身麻酔で行われるが、患者が検査室のベッドに寝いいる時間は30分~3時間、平均60~70分だ。開腹手術より体への負担ははるかに少なく、入院も4~7日間ですむ。
●大阪市立総合医療センター(大阪府)
胃がんの進行度にはステージⅠ期からⅣ期まである。大阪市立総合医療センターの消化器外科は手術後の5年生存率がすべての病期で全国平均を上回る。I期が96・2%(全国平均91.4%)、II期が75.7%(68.6%)、III期が56.8%(39.7%)、
IV期が25.8%(6.7%)で、全体でも全国トップだ。
同科での胃がんの年間手術数は約200例で、そのうち60~70%は腹腔鏡手術。 「おなかに0.5~1.2センチの穴を数カ所開け、その穴から手術用具を入れて、従来の開腹手術と同じ操作をするものです。原則としてII期以下の患者さんを対象にしています」(谷村愼哉副部長)
この腹腔鏡手術のメリットは(1)手術後の痛みが少ない(2)傷がほとんど目立たない
3)手術の翌日に歩ける(4)術後の内臓の癒着や腸閉塞などの合併症が少ない
5)入院期間が短く、短期間で仕事に復帰できる――などである。
「腹腔鏡手術の術後の治療成績は、通常の開腹手術と比べてまったく遜色ありません」(谷村副部長)
III期以上では病状と進行度に応じて、開腹手術や化学療法が行われる。
●都立駒込病院(東京都)
都立駒込病院化学療法科では、手術ができないほど進行した胃がんや、手術後に再発した胃がんに、抗がん剤治療を実施し、治療効果を上げている。症状の改善や生存期間の延長が目的だ。
「現在、経口抗がん剤のTS―1(一般名テガフール・ウラシル)を基本にし、ほかの抗がん剤も併用して治療効果を高めています。がんが半分以下に縮小し、その状態が1カ月以上続いた患者さんの割合(奏効率)は50%程度です。ここ2、3年で、抗がん剤治療の奏効率は飛躍的に向上しています」(佐々木常雄副院長)
抗がん剤治療でがんを縮小させてから手術を行うケースもあるという。 抗がん剤治療のために短期入院中の進行・再発胃がんの患者は常時20人ほど。外来通院で治療を受けている患者は50人ほどだ。
「患者さんが元気なら、最初に用いた抗がん剤が効かなくなったら次の抗がん剤、さらに別の抗がん剤といくつものメニューが選べるようになりました。その結果、かなりの延命効果が得られるようになっています」と佐々木副院長。
●埼玉県立がんセンター 消化器外科
田中洋一部長 (電話)048・722・1111(埼玉県)
年間症例数は350例を超え、うち手術は180~200例で良好な5年生存率を得ている。
術式や術前化学療法の臨床試験も行う
●国立がんセンター東病院 上腹部外科
木下平外来部長 (電話)04・7133・1111(千葉県)
治療方針はすべて腫瘍内科医とのカンファランスで決定。ガイドラインに基づき、
進行度に応じた治療を選択。臨床試験も多数実施中
●国立がんセンター中央病院 内視鏡部
斉藤大三部長 (電話)03・3542・2511(東京都)
早期胃がんのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は年間約450例で全国一。
斉藤部長はESD研究会の代表世話人で技術向上に尽力
●癌研究会有明病院 消化器センター外科
山口俊晴部長 (電話)03・3520・0111(東京都)
延べ症例数は1万5000例に達し日本一。内科、外科などが合同で診療にあたる
チーム医療を推進。患者負担の少ない腹腔鏡手術にも熱心
●都立駒込病院 化学療法科
佐々木常雄副院長 (電話)03・3823・2101(東京都)
1975年、全国で初めて発足した化学療法科。抗がん剤の専門医7人が治療。
抗がん剤の臨床試験、新薬開発の治験にも力を入れる
●新潟県立がんセンター新潟病院
外科 梨本篤部長 (電話)025・266・5111(新潟県)
術後合併症が低率で治療成績はトップレベル。機能温存縮小手術、根治を目指す
拡大手術、高度進行がんへの化学療法を中心に治療
●静岡県立静岡がんセンター 胃外科
米村豊副院長 (電話)055・989・5222(静岡県)
QOLを保証するため、進み具合に応じて、内視鏡的粘膜切除・腹腔鏡的胃切除・
最も適切なリンパ節郭清による胃切除術を行う
●大阪府立成人病センター 消化器外科
矢野雅彦医長 (電話)06・6972・1181(大阪府)
内科とも連携して早期から進行まで進行度に応じたあらゆる治療を提供。
年間症例数300例以上。研究的な治療も積極的に取り組む
●大阪市立総合医療センター
消化 器外科 東野正幸副院長 谷村愼 哉副部長(電話)06・6929・1221(大阪府)
手術数は年間約200例、そのうち60~70%は腹腔鏡手術で行う。
III期以上には病状と進行度に応じた治療でQOLを向上
●九州大学病院 消化器・総合外科(第二外科)
前原喜彦教授 (電話)092・642・5466(福岡県)
進行度に応じた手術と抗がん剤感受性試験に基づく化学療法を実践。
新規の抗がん剤による最適個別化療法を実施している
がんの進行度によって治療の選択肢も異なるが、胃がんの治療で専門家の評価が高い病院はどこなのか。
●国立がんセンター中央病院(東京都)
国立がんセンター中央病院の内視鏡部は、早期胃がんに対する内視鏡治療数が年間約450例で全国トップを誇る。
内視鏡治療とは胃カメラを介して行う治療。がんの根元にワイヤをかけ高周波電流を流して焼き切る内視鏡的粘膜切除術(EMR)と、ITナイフ(高周波針状ナイフの先端にセラミック製のチップを付けたもの)などを用いてがんをまくり上げるように切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)がある。
同病院では96年に胃壁を傷つけないように工夫したITナイフを開発し、2000年からESDを本格的に始めた。
「現在、内視鏡治療の99%はESDです。EMRは最大径2センチまでのがんが対象で、がんを焼き切るため、大変大事な病理判定を不正確にすることがあります。しかし、ESDの対象は最大径2センチ以上のがんと広く、しかもがんの組織を傷つけないように切除する方法なので、病理判定が正確にできるという利点があります」(斉藤大三部長)
ESDは通常、全身麻酔で行われるが、患者が検査室のベッドに寝いいる時間は30分~3時間、平均60~70分だ。開腹手術より体への負担ははるかに少なく、入院も4~7日間ですむ。
●大阪市立総合医療センター(大阪府)
胃がんの進行度にはステージⅠ期からⅣ期まである。大阪市立総合医療センターの消化器外科は手術後の5年生存率がすべての病期で全国平均を上回る。I期が96・2%(全国平均91.4%)、II期が75.7%(68.6%)、III期が56.8%(39.7%)、
IV期が25.8%(6.7%)で、全体でも全国トップだ。
同科での胃がんの年間手術数は約200例で、そのうち60~70%は腹腔鏡手術。 「おなかに0.5~1.2センチの穴を数カ所開け、その穴から手術用具を入れて、従来の開腹手術と同じ操作をするものです。原則としてII期以下の患者さんを対象にしています」(谷村愼哉副部長)
この腹腔鏡手術のメリットは(1)手術後の痛みが少ない(2)傷がほとんど目立たない
3)手術の翌日に歩ける(4)術後の内臓の癒着や腸閉塞などの合併症が少ない
5)入院期間が短く、短期間で仕事に復帰できる――などである。
「腹腔鏡手術の術後の治療成績は、通常の開腹手術と比べてまったく遜色ありません」(谷村副部長)
III期以上では病状と進行度に応じて、開腹手術や化学療法が行われる。
●都立駒込病院(東京都)
都立駒込病院化学療法科では、手術ができないほど進行した胃がんや、手術後に再発した胃がんに、抗がん剤治療を実施し、治療効果を上げている。症状の改善や生存期間の延長が目的だ。
「現在、経口抗がん剤のTS―1(一般名テガフール・ウラシル)を基本にし、ほかの抗がん剤も併用して治療効果を高めています。がんが半分以下に縮小し、その状態が1カ月以上続いた患者さんの割合(奏効率)は50%程度です。ここ2、3年で、抗がん剤治療の奏効率は飛躍的に向上しています」(佐々木常雄副院長)
抗がん剤治療でがんを縮小させてから手術を行うケースもあるという。 抗がん剤治療のために短期入院中の進行・再発胃がんの患者は常時20人ほど。外来通院で治療を受けている患者は50人ほどだ。
「患者さんが元気なら、最初に用いた抗がん剤が効かなくなったら次の抗がん剤、さらに別の抗がん剤といくつものメニューが選べるようになりました。その結果、かなりの延命効果が得られるようになっています」と佐々木副院長。
●埼玉県立がんセンター 消化器外科
田中洋一部長 (電話)048・722・1111(埼玉県)
年間症例数は350例を超え、うち手術は180~200例で良好な5年生存率を得ている。
術式や術前化学療法の臨床試験も行う
●国立がんセンター東病院 上腹部外科
木下平外来部長 (電話)04・7133・1111(千葉県)
治療方針はすべて腫瘍内科医とのカンファランスで決定。ガイドラインに基づき、
進行度に応じた治療を選択。臨床試験も多数実施中
●国立がんセンター中央病院 内視鏡部
斉藤大三部長 (電話)03・3542・2511(東京都)
早期胃がんのESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)は年間約450例で全国一。
斉藤部長はESD研究会の代表世話人で技術向上に尽力
●癌研究会有明病院 消化器センター外科
山口俊晴部長 (電話)03・3520・0111(東京都)
延べ症例数は1万5000例に達し日本一。内科、外科などが合同で診療にあたる
チーム医療を推進。患者負担の少ない腹腔鏡手術にも熱心
●都立駒込病院 化学療法科
佐々木常雄副院長 (電話)03・3823・2101(東京都)
1975年、全国で初めて発足した化学療法科。抗がん剤の専門医7人が治療。
抗がん剤の臨床試験、新薬開発の治験にも力を入れる
●新潟県立がんセンター新潟病院
外科 梨本篤部長 (電話)025・266・5111(新潟県)
術後合併症が低率で治療成績はトップレベル。機能温存縮小手術、根治を目指す
拡大手術、高度進行がんへの化学療法を中心に治療
●静岡県立静岡がんセンター 胃外科
米村豊副院長 (電話)055・989・5222(静岡県)
QOLを保証するため、進み具合に応じて、内視鏡的粘膜切除・腹腔鏡的胃切除・
最も適切なリンパ節郭清による胃切除術を行う
●大阪府立成人病センター 消化器外科
矢野雅彦医長 (電話)06・6972・1181(大阪府)
内科とも連携して早期から進行まで進行度に応じたあらゆる治療を提供。
年間症例数300例以上。研究的な治療も積極的に取り組む
●大阪市立総合医療センター
消化 器外科 東野正幸副院長 谷村愼 哉副部長(電話)06・6929・1221(大阪府)
手術数は年間約200例、そのうち60~70%は腹腔鏡手術で行う。
III期以上には病状と進行度に応じた治療でQOLを向上
●九州大学病院 消化器・総合外科(第二外科)
前原喜彦教授 (電話)092・642・5466(福岡県)
進行度に応じた手術と抗がん剤感受性試験に基づく化学療法を実践。
新規の抗がん剤による最適個別化療法を実施している
肺がんの検査方法 2(喀痰細胞診)
剥がれ落ちて痰に混じったがん細胞を検出しようとする方法です。機械で痰を分析しようという喀痰細胞診の自動化は残念ながら実用化されておらず、人間の目でチェックします。専門のスクリーナーという技師がおり、熟練したスクリーナーの判断は相当正確です。
検査の手順は、できるだけ早朝の喀痰を容器に入れて乾かないようにして提出するだけです。苦痛のない簡単な検査なのですが、肺がんがあれば必ず痰にがん細胞が混じっているとは限りません。
気管支鏡で見える範囲に肺がんがあった人(おそらく確実に痰にがん細胞が出てくるであろうと予測される人)でも1回だけの検査では55%の人の痰にしかがん細胞は検出されませんでした。
この数字は2回繰り返すことにより70%、3回で84%となり、喀痰細胞診は3回必要ということが言われています。
医療施設から遠方の人、忙しい人などに自宅で3日間痰をためてもらう方法もありますが、どうしても細胞が変性してしまうため、少し見にくい標本になってしまうようです。
繰り返しになるかもしれませんが、喀痰細胞診が正常であったからといって肺がんがないという証拠にはなりません。
検体(この場合痰のことです)をスライドグラスに伸ばしてアルコールで固定し、染色して顕微鏡で見る。怪しければもう一度医師が確認するという手順を踏みますので結果が出るまで数日かかります。
検査の手順は、できるだけ早朝の喀痰を容器に入れて乾かないようにして提出するだけです。苦痛のない簡単な検査なのですが、肺がんがあれば必ず痰にがん細胞が混じっているとは限りません。
気管支鏡で見える範囲に肺がんがあった人(おそらく確実に痰にがん細胞が出てくるであろうと予測される人)でも1回だけの検査では55%の人の痰にしかがん細胞は検出されませんでした。
この数字は2回繰り返すことにより70%、3回で84%となり、喀痰細胞診は3回必要ということが言われています。
医療施設から遠方の人、忙しい人などに自宅で3日間痰をためてもらう方法もありますが、どうしても細胞が変性してしまうため、少し見にくい標本になってしまうようです。
繰り返しになるかもしれませんが、喀痰細胞診が正常であったからといって肺がんがないという証拠にはなりません。
検体(この場合痰のことです)をスライドグラスに伸ばしてアルコールで固定し、染色して顕微鏡で見る。怪しければもう一度医師が確認するという手順を踏みますので結果が出るまで数日かかります。
肺がんの検査方法 1(レントゲン)
レントゲンによって発見されたX線は物質を透過し(突き抜けることです)、写真のフィルムを感光させる性質をもちます。このとき通り抜ける物質によってX線は吸収され、エネルギーが下がります。
そこで、写真フィルムの入ったカセットの前に立ち、胸を押し付けて、背中側からX線を照射するとカセットの中のフィルムが感光し、写真ができます。その写真はX線が通り抜けてきた体の部分によって濃淡ができます。
例えば骨はX線を吸収する度合いが強いので、骨のある部分に相当するフィルムは感光されにくく、現像したときに白くなります。
逆にほとんどが空気である肺の場合は通り抜けたX線のエネルギーが高いのでフィルムは十分に感光され、現像したときに黒くなります。
このようにして胸部全体を半透明の影絵にして写したものが胸部正面単純X線写真です。
胸部正面単純X線写真

横からでも、斜めからでも撮ることはありますが、なじみが深いのは正面写真でしょう。しかし、単純X線写真では見えない部分(見えにくい部分)があります。
余談ですが、レントゲンという博士はこのX線の発見で第1回のノーベル賞を受賞しています。彼の功績をたたえてX線写真のことをレントゲンと呼ぶわけですが、本来一般名詞ではありません(人の名前です)。この説明ではできるだけ「X線写真」と表記するようにします。
注意しておかなければならないのは、単純X線写真は、立体を平面の写真に投影していることです。
つまり、邪魔者があるとそれの影になったものは見えません。邪魔者とは、肺を中心として考えたときには、骨、心臓、血管、横隔膜などです。胸部X線写真ではこれらの臓器に隠されて見えない肺の部分がかなり大きく存在します。
この欠点を克服しようとして、肺尖撮影や、断層撮影が行われていましたが、CTの導入により特殊な場合に限られるようになりました。
邪魔者がなくても見えないものがあります。気管支は空気の管ですので、同じ空気の塊である肺の中にあると見分けることが困難です。
このために気管支の中に造影剤を入れて気管支の状況を確認するという、気管支造影がありますが、これもCTによって得られる情報でほとんどが代用できるので、最近は特殊な目的以外には使われなくなりました。
そこで、写真フィルムの入ったカセットの前に立ち、胸を押し付けて、背中側からX線を照射するとカセットの中のフィルムが感光し、写真ができます。その写真はX線が通り抜けてきた体の部分によって濃淡ができます。
例えば骨はX線を吸収する度合いが強いので、骨のある部分に相当するフィルムは感光されにくく、現像したときに白くなります。
逆にほとんどが空気である肺の場合は通り抜けたX線のエネルギーが高いのでフィルムは十分に感光され、現像したときに黒くなります。
このようにして胸部全体を半透明の影絵にして写したものが胸部正面単純X線写真です。
胸部正面単純X線写真
横からでも、斜めからでも撮ることはありますが、なじみが深いのは正面写真でしょう。しかし、単純X線写真では見えない部分(見えにくい部分)があります。
余談ですが、レントゲンという博士はこのX線の発見で第1回のノーベル賞を受賞しています。彼の功績をたたえてX線写真のことをレントゲンと呼ぶわけですが、本来一般名詞ではありません(人の名前です)。この説明ではできるだけ「X線写真」と表記するようにします。
注意しておかなければならないのは、単純X線写真は、立体を平面の写真に投影していることです。
つまり、邪魔者があるとそれの影になったものは見えません。邪魔者とは、肺を中心として考えたときには、骨、心臓、血管、横隔膜などです。胸部X線写真ではこれらの臓器に隠されて見えない肺の部分がかなり大きく存在します。
この欠点を克服しようとして、肺尖撮影や、断層撮影が行われていましたが、CTの導入により特殊な場合に限られるようになりました。
邪魔者がなくても見えないものがあります。気管支は空気の管ですので、同じ空気の塊である肺の中にあると見分けることが困難です。
このために気管支の中に造影剤を入れて気管支の状況を確認するという、気管支造影がありますが、これもCTによって得られる情報でほとんどが代用できるので、最近は特殊な目的以外には使われなくなりました。
肺がんの予防
一次予防と二次予防
がんの予防には一次予防と二次予防があります。
一次予防とはがんにならないように工夫することをいい、二次予防とは検診によって早期発見、早期治療をして、がんで命を落さないようにすることをいいます。
一次予防
なんといっても禁煙です。
タバコが存在しなければ、理論的には男で70%、女で26%(男女合計で58%)の肺がんがが減少すると考えられています。
一方、喫煙者が禁煙した後の肺がん発生のリスクは、喫煙を継続している人のリスクを1とすると、禁煙後5年以内では0.9倍、5年以上経過して半分に、20年を経過して約3分の1になります。
このように、禁煙の効果はすぐにでるものではありません。一方、喫煙の年数が長いほど肺がん発生のリスクは高いので、一次予防の面からはなるべく早く禁煙をして下さい。
肺がんの他にもタバコによって罹りやすくなるがんは多く、非喫煙者に比し、毎日喫煙する人では30倍以上も喉頭がんになりやすくなります。食道がんで2倍です。しかし、5年の禁煙で食道がんは50%減らすことができ、膀胱がんでは2年の禁煙で50%減少の効果が出ます。今からでも遅くありません。禁煙に心がけましょう。
二次予防
二次予防としての検診を受けていただきたいものです。
一般外来で発見された肺がんと、検診で発見された肺がんを比較するすと、検診で見つかった人は手術を受けられる率が高く、またその病期も治癒率の高い1期の割合が高くなっています。
肺がん検診は、胸部レントゲン撮影と喀痰細胞診により行います。
肺門型肺がんは喫煙との関係が強く、早期にはレントゲン写真無所見が多いのですが、喀痰細胞診で発見することができます。特に50歳以上のヘビースモーカーは、肺門部肺がんに罹る率が高いので定期的に喀痰細胞診を行う必要があります。
肺野型肺がんは早期には無症状でレントゲン写真でしか発見されません。40歳以上では少なくとも年1回は検査が望ましいのです。この利点はX線の被曝線量がごく少なく、時間も短時間で、費用も安いことです。欠点として、がんが1cm以下ではなかなか見つからないこと、肺の全体が写るわけではなく死角があることです。
最近では死角のないヘリカルCTが検診にも応用されれるようになり、普通のレントゲン写真では見つけにくい部位のものや、治る確立のより高い、より小さな肺がんも発見されるようになっています。欠点は被曝線量が多くなること、人手がかかり費用も高いことです。
がんの予防には一次予防と二次予防があります。
一次予防とはがんにならないように工夫することをいい、二次予防とは検診によって早期発見、早期治療をして、がんで命を落さないようにすることをいいます。
一次予防
なんといっても禁煙です。
タバコが存在しなければ、理論的には男で70%、女で26%(男女合計で58%)の肺がんがが減少すると考えられています。
一方、喫煙者が禁煙した後の肺がん発生のリスクは、喫煙を継続している人のリスクを1とすると、禁煙後5年以内では0.9倍、5年以上経過して半分に、20年を経過して約3分の1になります。
このように、禁煙の効果はすぐにでるものではありません。一方、喫煙の年数が長いほど肺がん発生のリスクは高いので、一次予防の面からはなるべく早く禁煙をして下さい。
肺がんの他にもタバコによって罹りやすくなるがんは多く、非喫煙者に比し、毎日喫煙する人では30倍以上も喉頭がんになりやすくなります。食道がんで2倍です。しかし、5年の禁煙で食道がんは50%減らすことができ、膀胱がんでは2年の禁煙で50%減少の効果が出ます。今からでも遅くありません。禁煙に心がけましょう。
二次予防
二次予防としての検診を受けていただきたいものです。
一般外来で発見された肺がんと、検診で発見された肺がんを比較するすと、検診で見つかった人は手術を受けられる率が高く、またその病期も治癒率の高い1期の割合が高くなっています。
肺がん検診は、胸部レントゲン撮影と喀痰細胞診により行います。
肺門型肺がんは喫煙との関係が強く、早期にはレントゲン写真無所見が多いのですが、喀痰細胞診で発見することができます。特に50歳以上のヘビースモーカーは、肺門部肺がんに罹る率が高いので定期的に喀痰細胞診を行う必要があります。
肺野型肺がんは早期には無症状でレントゲン写真でしか発見されません。40歳以上では少なくとも年1回は検査が望ましいのです。この利点はX線の被曝線量がごく少なく、時間も短時間で、費用も安いことです。欠点として、がんが1cm以下ではなかなか見つからないこと、肺の全体が写るわけではなく死角があることです。
最近では死角のないヘリカルCTが検診にも応用されれるようになり、普通のレントゲン写真では見つけにくい部位のものや、治る確立のより高い、より小さな肺がんも発見されるようになっています。欠点は被曝線量が多くなること、人手がかかり費用も高いことです。
肺がんの副作用と対策
外科療法
手術に際しての一番の苦痛は、術後の痛みです。
しかし今は疼痛対策が非常に進歩していますので、かつてのような激しい痛みはほとんど感じることはなくなりました。硬膜外麻酔という仕掛けを手術直前に麻酔医が背中から行います。その他の鎮痛剤も非常に良いものが出来ています。
手術にはリスクがつきもので、100%安全な手術はありません。しかし、この手術も非常に安全になってきました。現在の一般的な手術関連死亡率は1~2%です。
手術中の事故はまずないのですが、怖いのは術後の合併症(余病)が生命の危険を伴うことがあることです。この中で最も怖いのは肺炎で、喫煙者は明らかに多くなります。手術を受けるなら、禁煙は絶対にしなければ命にかかわると思って下さい。
退院後は、息ぎれや、術後6ヶ月程度は傷の痛みを伴うことがあります。息ぎれがひどくライフスタイルの変更が必要になる場合がありますが、術前に予測不能でこのようになることはほとんどありません。
放射線療法
主な副作用は、放射線による食道炎、皮膚炎、肺臓炎です。
食道炎、皮膚炎は放射線治療の中ごろから終わりごろに出てきます。食道炎は食事をするとしみたり、痛みを感じたりします。皮膚炎は皮膚に痒みや軽い痛みが出ます。肺臓炎は放射線終了後に二カ月位の間に出ることがあります。
初期症状は咳、微熱、息ぎれです。強い反応が出た場合は、ステロイドホルモンを投与して治療する必要があります。強い肺臓炎にはならなくても、放射線のかかった範囲の肺は放射線肺線維症という状態になり、肺としての機能はなくなります。
化学療法
主な副作用は、骨髄毒性(貧血、白血球減少による感染、血小板減少による出血傾向など)、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、末梢神経障害(手足のしびれ)、肝機能障害、腎障害、脱毛、疲労感などです。
用いる抗がん剤の種類や個人差もあります。その他予期せぬ副作用も認められることがあります。強い白血球減少に対しては感染を防ぐため、白血球増殖因子(G-CSF)を用います。吐き気に対しても良い薬剤が開発されずいぶん楽になりました。
内視鏡治療(レーザー治療)
副作用として重篤なものはありません。
しかし、ヘマトポルフィリンは正常組織にも1~2カ月はわずかに残りますので、直射日光との反応で光過敏性皮膚炎を起こします。その防止のため、約4週間直射光より遮断する必要があります。
手術に際しての一番の苦痛は、術後の痛みです。
しかし今は疼痛対策が非常に進歩していますので、かつてのような激しい痛みはほとんど感じることはなくなりました。硬膜外麻酔という仕掛けを手術直前に麻酔医が背中から行います。その他の鎮痛剤も非常に良いものが出来ています。
手術にはリスクがつきもので、100%安全な手術はありません。しかし、この手術も非常に安全になってきました。現在の一般的な手術関連死亡率は1~2%です。
手術中の事故はまずないのですが、怖いのは術後の合併症(余病)が生命の危険を伴うことがあることです。この中で最も怖いのは肺炎で、喫煙者は明らかに多くなります。手術を受けるなら、禁煙は絶対にしなければ命にかかわると思って下さい。
退院後は、息ぎれや、術後6ヶ月程度は傷の痛みを伴うことがあります。息ぎれがひどくライフスタイルの変更が必要になる場合がありますが、術前に予測不能でこのようになることはほとんどありません。
放射線療法
主な副作用は、放射線による食道炎、皮膚炎、肺臓炎です。
食道炎、皮膚炎は放射線治療の中ごろから終わりごろに出てきます。食道炎は食事をするとしみたり、痛みを感じたりします。皮膚炎は皮膚に痒みや軽い痛みが出ます。肺臓炎は放射線終了後に二カ月位の間に出ることがあります。
初期症状は咳、微熱、息ぎれです。強い反応が出た場合は、ステロイドホルモンを投与して治療する必要があります。強い肺臓炎にはならなくても、放射線のかかった範囲の肺は放射線肺線維症という状態になり、肺としての機能はなくなります。
化学療法
主な副作用は、骨髄毒性(貧血、白血球減少による感染、血小板減少による出血傾向など)、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢、末梢神経障害(手足のしびれ)、肝機能障害、腎障害、脱毛、疲労感などです。
用いる抗がん剤の種類や個人差もあります。その他予期せぬ副作用も認められることがあります。強い白血球減少に対しては感染を防ぐため、白血球増殖因子(G-CSF)を用います。吐き気に対しても良い薬剤が開発されずいぶん楽になりました。
内視鏡治療(レーザー治療)
副作用として重篤なものはありません。
しかし、ヘマトポルフィリンは正常組織にも1~2カ月はわずかに残りますので、直射日光との反応で光過敏性皮膚炎を起こします。その防止のため、約4週間直射光より遮断する必要があります。
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