肺がんの名医 病院

東京医科大学病院
     
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      東京医科大学病院 の名医
  加藤治文教授 第1外科 肺がんの名医… 肺がん[1]
  坪井正博医師 第1外科 肺がんの名医… 肺がん[4]

肺がんセルフチェック

気になる症状や、習慣が自分にあてはまるかチェックしてみましょう。
  両親またはどちらかが肺がんになった
  肺がん検診を受けたことがない
  タバコを1日20本以上、15年間以上吸っている
  最近やせてきた
  タバコを15歳以下で吸い始めた
  石綿やコールタールを扱う仕事をしていた
  夫(妻)が10年以上のヘビースモーカーで家でもよく吸う
  光化学スモッグが発生する場所に住んでいる
  間質性肺炎(肺線維症)塵肺・COPDにかかった
アスベストと接触したことがある
  痰に血がまじっていたことがある
  せき、たんが長く続く
  排気ガスの多い道路の近くに住んでいる
  原因不明の微熱がつづくことがある
  血痰が出る
  痰の細胞診の検査を受けたことがある
  息が苦しい
  住まいの近くに工場の煙突がある
  ストレスに弱いほうである
  胸が痛い
  声がかれる
  胸部ヘリカルCT検査を受けたことがある
  家の前の道路がコールタールである
  上腕に頑固な神経痛がある
  男性なのに女性化乳房がみられる
 気になることが5つ以上ありますと定期健診をおすすめいたします。
何よりもまず早期発見が肺がん対策です。

肺がんの予防

肺がんの予防は、まず危険因子・原因をなくすこと、危険因子のリスクを少なくする食事や習慣をすること、そして定期検査をすることです、それが結果的に肺がんの予防となります。
 肺がんの危険因子・原因の代表はやはり喫煙です、肺がんと喫煙の章でも述べたように喫煙が肺がんのリスクを高めることはデータで証明されています。
 ということは、タバコをきっぱりやめることがまずは肺がんの予防になるでしょう。
 喫煙者には「そんなことわかっているよ!」と皮肉を言われそうですが、肺がんを真剣に予防したいとお考えの人はこの際きっぱりやめたほうがよのでは?
 よくいまさらやめたってそんなに変わらないだろうと言いますが、喫煙による体への負担をトータルで考えると、やはりやめたほうが賢明ですね。
 よく、軽いタバコなら比較的大丈夫と言われますが、これはあるデータによると軽いタバコのほうが、より深く吸い込むため悪影響は手ごたえのあるきついタバコを吸い込むよりも、かなりの頻度で悪影響を及ぼすようです。
 
 そのほかの危険因子としては、大気汚染やアスベストなどですが、大気汚染などは防ぎようがないのですが、例えばジョギングを行なう時になるべく空気の澄んだ時間帯に行なうなど、喫煙と同じで、深く呼吸した時により影響をうけるので普段よりも呼吸が深くなる運動のときは、場所や時間帯を考え運動したほうがよいでしょう。
 アスベストのような職業による場合、専門の知識を身につけ(講習などを受ける)正しい対処法・知識を身につけることがまず第一です。
 その上で適切な処置と対応(アスベストのレベルにあわせたマスクを着用するなど)をすることは絶対条件です。
 近年の規制による建築資材の指導が行なわれているとはいえ所詮、実質的にはアスベストは含まれてますし、回収のどの際にはまさしく規制前の素材がむき出しになるので再注意を徹底しなければなりません。
 他のページでも述べましたが、アスベストによる職業被害・肺がんの発生はこれからがピークですので間違いなく今まで以上の社会問題となるでしょう。

肺がんの生存率

非小細胞肺がん
 治療開始からの5年間生存する割合(5年生存率)は、がんの病期と全身状態により異なります。手術をした場合の5年生存率は
  病期I期(IA、IB期):70%
  II期(IIA、IIB期):50%
  IIIA期:25%
 といわれています。
 手術が適切でないIII期で、放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合
 2年生存率は40~50%
 5年生存率は15~20%
 IV期で化学療法を受けた場合
 1年生存率は50~60%です。
        小細胞肺がん
 限局型で放射線療法と化学療法の合併療法を受けた場合
 2年生存率:約50%
 3年生存率:約30%
 5年生存率:約25%
 進展型で化学療法を受けた場合
 3年生存率は約10%です。
 しかし、これは統計学的な平均的数字であり、個々にあてはまるものではありません。
 予後は、がんのタイプ、がんの病期(がんが肺の中だけにあるのか、他の臓器に拡がっているのか)、生活能力などの一般的な健康状態に深く関連しています。
 
    様々な条件での肺がんの生存率
 発見動機
 
 発見動機  5年生存率  10年生存率    平均生存期間
 検 診 52.2±3.5 40.3±4.2 7.83±0.53
 他疾患 51.1±5.8 32.6±7.0 52±0.85
 有症状 37.4±4.1 25.0±4.3 74±0.73

肺がんの転移

 肺がんの怖さは、他のガンでもそうですが転移によって手の施しようがなくなることです。
 肺がんの転移は起こりやすくまた、他の臓器ガンからも転移しやすいのです。
 なぜ肺がんは、転移したりされたりすることが多いのでしょうか?
 それはガンというものが転移する場合血液やリンパを介在してガン細胞が移動するからです。
 もちろん元々の腫瘍近辺にも転移しますが“代謝”をつかさどる血液やリンパの流れに沿ってガン細胞は転移するのです。
 肺がんの場合、肺が酸素を体の隅々まで行き渡す役割があるのでより多くの血液による代謝頻度が高いため高転移に関与しているといってもよいでしょう。
 また、ガン細胞は血液を新生させより活性化していくので肺がんの転移はより遠くの臓器にまで転移してしまうのです。

肺がんと抗がん剤

 肺がんの場合局所的な治療で改善できないほどの、腫瘍の転移が見られる場合化学療法、すなわち抗がん剤を使用します。
 肺がん患者の6割程度は化学療法を行うようです。
 抗がん剤は種類や状況によって静脈注射点滴静脈注射、まれに内服します。
 抗がん剤は一般に、複数の薬を組み合わせて投与します、その理由は、副作用や患者さんの体力によってですが複数の組み合わせによってより抗がん剤の効果をあげることができるからです。
 問題はやはり副作用で患者さんが耐えられなくて続けられなかったり医師の判断で中断することもあります。
 ただし副作用に対しての薬も最近はたくさんありますので無理せず苦しいことをどんどん担当の医師や家族に意思表示して対応してもらいましょう。

肺がんの手術

 肺がんの手術のおもな目的は、病巣を切除するということですが、肺がんの場合腫瘍のできた場所の葉単位(肺の構成部分で、右肺が上、中、下葉で左肺が上、下葉となります。)で切除することが多いです。
 もちろん侵された部分が広い場合、左肺全摘出とか右上中葉摘出といった範囲にもなります。
 肺がんの手術は基本的には、部分切除といって腫瘍とその周りの正常組織の一部のみを切除します。
 その、より広範囲の場合区域切除 といって肺葉をさらに細かく区分けした部分を切除対象とします。
 その次に肺葉単位となります。
 その他肺がんの手術は肺門部、上縦隔の主に主気管支や気管に沿ってあるリンパ節を切除したりするリンパ節郭清術があります。

肺がんの治療

 肺がんの治療方法には、大きく分けて3つあります。外科療法化学療法放射線療法です。
 外科療法は、ガン病巣を手術によって摘出する方法です。
 化学療法は抗がん剤によって病巣の進行を抑えたりなくそうとする方法です。
 放射線療法はX線や他の高エネルギーの放射線を使って病巣を殺すものです。
 これらはガンの進行度や肺がんの型、患者の体力や希望によって実際の治療を決めていきます。時には併用したり交互に行なったりします。

肺がんの原因

 肺がんの原因というと、真っ先に思い浮かべるのが喫煙だと思います。喫煙は肺がんに限らずあらゆる疾病とガンと因果関係がありますが、肺がんは特に喫煙による原因の頻度が高いといえるでしょう。
 あるデータでは、たばこを吸う人での肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性では4.5倍、女性では4.2倍に高いと言われてます。
 また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では 3.7倍に高くなっているそうです。
 肺がんになった人のうち、男性では68%、女性では18%がたばこを吸っていなければ肺がんにならなくてすんだ、すなわち、たばこが原因と考えられました。
 扁平上皮がん小細胞がんは、太い気管支に発生するがんでたばことの関連が大きく、腺がんと大細胞がんは、肺の奥に発生するがんでたばことの関連が小さいといわれてきました。
 ある結果でも、扁平上皮がんと小細胞がんを合わせて検討すると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では12.7倍、女性では 17.5倍このタイプのがんにかかりやすいという結果でした。
 腺がんについては、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では2.8倍、女性では2.0倍このタイプのがんにかかりやすいという結果です。
 このように、腺がんは、扁平上皮がんや小細胞がんよりもたばこの影響の程度は小さいですが、たばこを吸わない人に比べて吸う人の方で腺がんの発生率が高いことには変わりありませんでした。
 たばこを吸う人を、喫煙指数(吸いはじめてからの年数×一日に吸う本数)によって分けると、たばこを吸わない人に比べて、喫煙指数が増えるほど肺がんに発生率が増加していました。
 喫煙指数が1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいという結果です。

肺がんの症状

肺がんの症状は病巣のできる部位によって変わってきます。大きく分けると肺門型とと肺野型によって症状は変わります。
肺門型はより気管支に近い部分にできるガンで、症状もでやすいです。
肺がんの症状は咳や痰、または血痰、喘息のようなぜーぜーといった感じにもなり、なんとなく風邪にちかい症状です。
肺野型の場合初期はほとんど症状はありません。検診や人間ドッグなどでみつけないとわかりません。
ある意味ガンが進行して他の部位に転移して、その転移した場所の痛みや具合が悪くなってから原因が肺野型の肺がんだったということもあるのです。
それぞれの部位でも進行してくると、胸痛が現れてきます。これは肺がんが胸壁を侵し始めて、胸水がたまったりするためです。
そのほかに疲労感や、食欲不振、体重減少などが起こります。

肺がんとは?

肺がんとはどういう症状なのでしょう。
人間は呼吸をする時に空気を鼻や口から体内に取り込みます。
 経路としては喉から気管そして気管支にいたります。
 気管支には主気管支、葉気管支、区域気管支と段階的にわかれ、下層にいくにしたがって細かく分岐してきます。
 それが20回ほど分岐すると肺胞にいきつきます。
人間はこの肺胞で酸素を体内に取り込み呼吸を行ないます。
 そして二酸化炭素を排出しているのです。
 経路的にこの気管支から肺胞にいたる部分を肺と呼び、この肺にできるガン、腫瘍をすべて肺がんと呼びます。