肺がんの原因

 肺がんの原因というと、真っ先に思い浮かべるのが喫煙だと思います。喫煙は肺がんに限らずあらゆる疾病とガンと因果関係がありますが、肺がんは特に喫煙による原因の頻度が高いといえるでしょう。
 あるデータでは、たばこを吸う人での肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性では4.5倍、女性では4.2倍に高いと言われてます。
 また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では 3.7倍に高くなっているそうです。
 肺がんになった人のうち、男性では68%、女性では18%がたばこを吸っていなければ肺がんにならなくてすんだ、すなわち、たばこが原因と考えられました。
 扁平上皮がん小細胞がんは、太い気管支に発生するがんでたばことの関連が大きく、腺がんと大細胞がんは、肺の奥に発生するがんでたばことの関連が小さいといわれてきました。
 ある結果でも、扁平上皮がんと小細胞がんを合わせて検討すると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では12.7倍、女性では 17.5倍このタイプのがんにかかりやすいという結果でした。
 腺がんについては、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では2.8倍、女性では2.0倍このタイプのがんにかかりやすいという結果です。
 このように、腺がんは、扁平上皮がんや小細胞がんよりもたばこの影響の程度は小さいですが、たばこを吸わない人に比べて吸う人の方で腺がんの発生率が高いことには変わりありませんでした。
 たばこを吸う人を、喫煙指数(吸いはじめてからの年数×一日に吸う本数)によって分けると、たばこを吸わない人に比べて、喫煙指数が増えるほど肺がんに発生率が増加していました。
 喫煙指数が1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいという結果です。