大腸がんと肥満の関係について

大腸がんは、肥満の人で凡そ1.5倍多くなりやすいようです。肥満は糖尿病や動脈硬化にかかる危険度が高いですが、特に男性の場合は、大腸がんになりやすいといった事も厚生労働省の疫学調査で解明されています。
肥満指数が25未満と比較して、大腸がんの危険度は、27~29の1.4倍、30以上の場合は、1.5倍となっています。肥満傾向の人は、インスリンの分泌が多く、がん細胞が、増えやすくなる傾向があることもわかりました。
ここ数年、日本でも大腸がんにかかる人が急増していますが、日本人も欧米人のように肥満になる人が増えてきましたが、急増の原因を肥満と特定することはできず、国立がんセンターでは「他の危険因子も探る必要がある」としています。
欧米諸国では、高身長も大腸がんの危険度を上げると考えられているようですが、日本人は身長での差はなく、女性では肥満指数、身長などの関連は、ハッキリとしていません。
又、毎日よく歩く人ほど大腸がんの死亡率が減るというデータもでています。肥満と癌の予防には、特に運動として、毎日ウォーキングを行う習慣がお勧めです。
大腸がんが増えている背景には、ファーストフードやコンビニエンスストアが登場して、これにより食生活の欧米化が定着したことによります。又、穀類や野菜に含まれる繊維質の量が減っている事もがんの増加に大きく関係しています。
大腸がんの予防で必要なのは、日本人の各家庭に浸透している、肥満を招きやすい欧米化した食事について反省し、伝統的な和食を基本にして、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素を積極的に補っていく食生活が必要です。