CT検査は身体にあらゆる角度からX線照射し、得られた情報をコンピューターで解析するものです。造影剤を使う場合と使わない場合がありますが、造影剤を用いる方法では病変がより鮮明に描き出され、検査したい臓器やその周辺をミリ単位の断層写真として観察できます。
CT検査の結果はX線検査や内視鏡検査の結果と総合して病気を判定することに役立っています。また、がん治療(化学療法や放射線療法など)の効果の把握などにも用いられています。
膵臓の場合は造影剤を静脈から注射して行うダイナミックCT検査によって、鮮明な画像を映し出すことができるようになりました。膵がんの診断だけでなく、膵がんで心配な肝臓やリンパ節への転移や、周りの臓器への浸潤の確認が可能です。
また、手術の判断にも役立っています。膵頭部がんでは、腫瘍部がやや黒くなり、それより末梢の主膵管がやや拡張します。膵体がん、膵尾部がんでも同じ像が映し出されます。これにより腫瘍部より先にどのくらい正常組織が残っているか推測できます。