乳房部分照射は、乳房温存療法とセットである放射線療法に使われるものです。
乳房温存療法での放射線治療の目的は、全身に広がる微細ながん細胞の死滅と、がんが取りきれなかった可能性を考慮して行われるものです。
乳房温存療法でがんを切除し、切除した組織の端にがん細胞があればがんがわずかに残っていることがあるので放射線を照射します。本来は乳房全体に照射するのですが、この場合、切除部分だけに照射する方法があり、それが乳房部分照射です。
乳房部分照射は少し強めに照射し集中的に治療するので、治療日数が短くなったり、経済的という特徴があります。
副作用として多少出血することがありますが、照射跡は1か月程度で目立たないようになり、全照射よりも見た目が気にならないといいます。
治療の効果とさらなる安全性が確保されれば乳がん治療においてさらに普及されるでしょう。