職業性肺がんとは、アスベスト、砒素、クロム、ニッケル、クロロメチルエーテル、マスタードガス、ウラニウムなどを扱う職業の人が、その物質が原因で発症した肺がんをいいます。
代表的なのはアスベストによるものです。
アスベストとは、蛇紋石や角閃石といった天然の石が繊維状に変化したもので、耐久性に優れ、熱に強く、電気絶縁性もあることから、建材などの用途に用いられてきました。
断熱材としても大量に使われていましたが、アスベストを吸入してから15~40年後に肺がんや中皮腫が発症する事がわかりました。
アスべストのほかで、職業性肺がんの発症リスクが高いもののひとつである砒素は、農薬などに使われる猛毒物質で、クロムはサビ止めなどに使われる金属元素、ニッケルはステンレス鋼などの合金として使われる金属、クロロメチルエーテルは染料などに使われる揮発性の液体、マスタードガスは化学兵器の一種、ウラニウムは放射性物質の一種です。