肺がんの手術

 肺がんの手術のおもな目的は、病巣を切除するということですが、肺がんの場合腫瘍のできた場所の葉単位(肺の構成部分で、右肺が上、中、下葉で左肺が上、下葉となります。)で切除することが多いです。
 もちろん侵された部分が広い場合、左肺全摘出とか右上中葉摘出といった範囲にもなります。
 肺がんの手術は基本的には、部分切除といって腫瘍とその周りの正常組織の一部のみを切除します。
 その、より広範囲の場合区域切除 といって肺葉をさらに細かく区分けした部分を切除対象とします。
 その次に肺葉単位となります。
 その他肺がんの手術は肺門部、上縦隔の主に主気管支や気管に沿ってあるリンパ節を切除したりするリンパ節郭清術があります。

肺がんの治療

 肺がんの治療方法には、大きく分けて3つあります。外科療法、化学療法、放射線療法です。
 外科療法は、ガン病巣を手術によって摘出する方法です。
 化学療法は抗がん剤によって病巣の進行を抑えたりなくそうとする方法です。
 放射線療法はX線や他の高エネルギーの放射線を使って病巣を殺すものです。
 これらはガンの進行度や肺がんの型、患者の体力や希望によって実際の治療を決めていきます。時には併用したり交互に行なったりします。

肺がんの原因

 肺がんの原因というと、真っ先に思い浮かべるのが喫煙だと思います。喫煙は肺がんに限らずあらゆる疾病とガンと因果関係がありますが、肺がんは特に喫煙による原因の頻度が高いといえるでしょう。
 あるデータでは、たばこを吸う人での肺がん発生率は、吸わない人に比べて、男性では4.5倍、女性では4.2倍に高いと言われてます。
 また、やめた人は吸わない人に比べて、男性では2.2倍、女性では 3.7倍に高くなっているそうです。
 肺がんになった人のうち、男性では68%、女性では18%がたばこを吸っていなければ肺がんにならなくてすんだ、すなわち、たばこが原因と考えられました。
 扁平上皮がんと小細胞がんは、太い気管支に発生するがんでたばことの関連が大きく、腺がんと大細胞がんは、肺の奥に発生するがんでたばことの関連が小さいといわれてきました。
 ある結果でも、扁平上皮がんと小細胞がんを合わせて検討すると、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では12.7倍、女性では 17.5倍このタイプのがんにかかりやすいという結果でした。
 腺がんについては、たばこを吸う人は吸わない人に比べて、男性では2.8倍、女性では2.0倍このタイプのがんにかかりやすいという結果です。
 このように、腺がんは、扁平上皮がんや小細胞がんよりもたばこの影響の程度は小さいですが、たばこを吸わない人に比べて吸う人の方で腺がんの発生率が高いことには変わりありませんでした。
 たばこを吸う人を、喫煙指数(吸いはじめてからの年数×一日に吸う本数)によって分けると、たばこを吸わない人に比べて、喫煙指数が増えるほど肺がんに発生率が増加していました。
 喫煙指数が1200をこえる人では、吸わない人に比べて6.4倍肺がんになりやすいという結果です。

肺がんの症状

肺がんの症状は病巣のできる部位によって変わってきます。大きく分けると肺門型とと肺野型によって症状は変わります。
肺門型はより気管支に近い部分にできるガンで、症状もでやすいです。
肺がんの症状は咳や痰、または血痰、喘息のようなぜーぜーといった感じにもなり、なんとなく風邪にちかい症状です。
肺野型の場合初期はほとんど症状はありません。検診や人間ドッグなどでみつけないとわかりません。
ある意味ガンが進行して他の部位に転移して、その転移した場所の痛みや具合が悪くなってから原因が肺野型の肺がんだったということもあるのです。
それぞれの部位でも進行してくると、胸痛が現れてきます。これは肺がんが胸壁を侵し始めて、胸水がたまったりするためです。
そのほかに疲労感や、食欲不振、体重減少などが起こります。

肺がんとは?

肺がんとはどういう症状なのでしょう。
人間は呼吸をする時に空気を鼻や口から体内に取り込みます。
 経路としては喉から気管そして気管支にいたります。
 気管支には主気管支、葉気管支、区域気管支と段階的にわかれ、下層にいくにしたがって細かく分岐してきます。
 それが20回ほど分岐すると肺胞にいきつきます。
人間はこの肺胞で酸素を体内に取り込み呼吸を行ないます。
 そして二酸化炭素を排出しているのです。
 経路的にこの気管支から肺胞にいたる部分を肺と呼び、この肺にできるガン、腫瘍をすべて肺がんと呼びます。

肝臓がんの特徴

◆肝臓のはたらき
人間の内臓臓器の中で、最も大きく、成人では重さが1~1.5kgもあります。
栄養素の代謝や有害物質の解毒をはじめ、たくさんの複雑で重要な働きをしており、
私たちは肝臓の働きなくしては、生きていくことはできません。
◆特徴
◆C型肝炎から発病するパターンが圧倒的に多い。
肝臓がんは年々増加傾向にあり、現在、がんによる日本人男性の死亡者数は、
1位の肺がん、2位の胃がんに次いで、肝臓がんが3位を占めています。
男女で比較すると、3対1と男性に多く見られますが、
女性の場合でも、死亡者数は肝臓がんが4位を占めています。
男女合わせて年間約3万4千人が肝臓がんで亡くなっています。
年代としては40~60歳代によく見られます。
◆肝臓がんの種類
肝臓に発生するがんには、主として「肝細胞がん」と「肝内胆管がん」がありますが、
成人がかかる肝臓がんの約9割は、肝細胞から発生する肝細胞がんです。
肝がんは、肝臓から発生した「原発性肝がん」と、
胃や大腸など、他の臓器にできたがんが転移した「転移性肝がん」とに
大別されます。
一般に、転移性肝がんは、原発性肝がんに比べて治療が難しく、
命に関わることがあります。ただ、大腸がんの肝臓転移については、
手術によって対応できるケースもあり、比較的治療しやすいものといえます。
◆肝炎ウイルスとの密接な関係
日本人の肝がんの多くが「ウイルス性肝炎」をもとにして発生しています。
肝炎ウイルスにはA~G型までありますが、肝がんの原因となるのは、
主にB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスです。特にC型肝炎ウイルスは、
肝がんの原因の約8割を占めています。
 C型肝炎ウイルスに感染すると、多くの場合、40~100日間の
潜伏期間を経て、肝臓に急性の炎症が起こります。
これを急性肝炎といい、自然に治る人もいますが、
ほとんどは無症状に経過し、慢性肝炎から肝硬変へと進行します。
肝硬変になると、10~20年後肝がんを発病する危険性が高くなります。
 現在のところ、肝炎ウイルスと肝がんがどのような関係にあるのかは、まだ明らかではありません。
 肝炎ウイルスが正常な肝細胞に作用し、細胞の核に有る遺伝子を傷つけることによって、
 肝細胞ががん化するのではないかと推測されています。
 しかし、肝炎ウイルスが体内に侵入したとしても、必ずしも肝炎を起こすわけではありませんし、
 ウイルス性肝炎になっても、必ずがんになるわけではありません。
 いずれにしても、慢性肝炎や肝硬変の段階で適切な治療を受けて、
肝がんへの進行を食い止めることが大切になります。
 肝炎ウイルス以外に、肝がんを発症させる発がん物質として
「アフラトキシン」という黄色いカビの一種や、
着色剤のアゾ色素などが知られています。
◆症状
 肝がんに特有の症状は無く、肝がんを発病しても、肝硬変の症状が現れます。
 肝硬変とは、肝炎ウイルスによる肝細胞の破壊が進み、肝臓全体が萎縮して
 肝機能が低下した状態を言います。
 肝硬変によって、代謝や解毒などの肝機能が低下してくると、
「食欲不振、全身の倦怠感」などの症状が出てきます。
 肝機能の低下が更に進むと、血管やリンパ管から漏れ出した液体成分がおなかにたまったり(腹水)、顔や手、眼球の白目部分が黄色くなってしまう黄疸という症状が現れます。
 さらに、肝臓の血流が悪くなると、肝臓に送られるはずの血液が、
食道や胃の静脈に大量に送られるため、静脈がコブ状に膨らみます。
これを「静脈瘤」といいます。
 静脈瘤が破裂すると「吐血」や「下血」を起こし、命を落とすこともあります。
 また、肝臓でせき止められた血液は、脾臓にも流れ込みます。
その時に赤血球が壊される為、めまいや冷や汗、脱力感といった
「貧血」の症状が出ることもあります。
◆がんによる症状が現れることも
 肝臓には、肝動脈と門脈の2つの血管を通って、血液が運び込まれます。
 このうち、門脈ががんで詰まると、小腸や大腸などの消化管に血液がうっ滞してしまいます。
 その結果、消化管がむくんで、「下痢」が続くことがあります。
 また、がんが突然破裂して出血し、「腹痛」を起こすこともあります。
 がんがかなり進行すると、みぞおちの上から、しこりにふれることもあります。
 ただ、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、肝硬変にしても肝がんにしても、かなり進行してから出ないと症状が現れません。
 したがって、肝がんが発生する危険度の高いハイリスク・グループの人(ウイルス性肝炎の方)は定期的に検査を受けて肝臓の状態を調べることが重要です。

乳がんの特徴

乳がんは「女性がかかり、亡くなるがん」の中では、胃、肺、結腸、肝臓に次いで第5位で、2万人以上の方が亡くなっています。
 日本人の女性で乳がんにかかる人は年々増加していて、毎年約3万人もの女性が、乳がんにかかっています。
 男性でも乳がんになることがありますが、女性の1/100くらいの発生率です
 乳がんの特徴
 進行はゆっくりですが、転移しやすいことがいちばんの特徴です。
 乳がん増加の背景に見えることは…
 月経期間が長い 卵巣から分泌される『エストロゲン』という女性ホルモンが乳腺組織に作用する期間が長いほど、乳がんの発生率が高くなることが知られています。近年、食生活の欧米化により、日本人は発育も体格もよくなりそれによって、初経が早くなったり、閉経が遅くなる傾向があります。その結果、エストロゲンの作用期間が長くなったことが、乳がん増加につながっていると考えられます。
 初産年齢の高齢化 妊娠中はホルモン環境が大きく変わり、これが乳がんの発生を抑える方向に作用すると言われています。ですが、現代は初産年齢が高齢化し、乳がんの発生が始まる若年期に出産を経験しない女性や、子供を産まない、あるいは出産回数の少ない女性が増えています。
 肥満 閉経後は卵巣に代わって、副腎から分泌される『アンドロゲン』というホルモンが、脂肪組織に豊富に含まれる『アロマターゼ』という酵素により、エストロゲンに変換されます。そのため、肥満の人は乳がんのリスクが高くなります。
 全身に転移しやすい 乳がんは、がん細胞の発育自体はゆっくりしているのですが、全身に転移しやすいのが特徴です。乳房にがんが発生した時点ですぐに、ごく一部のがん細胞が血管やリンパ管に侵入し、全身に目に見えない転移を起こしている可能性が高いのです。
 乳がんが特に転移しやすいのは、骨や肺、肝臓です。がん細胞がリンパ管を伝わって、わきの下や鎖骨上のリンパ節に 広がってしまうこともあります。
 症 状
『乳房のしこり』で見つかるケースが多い
 約9割は『乳房のしこり』で受診し、そのうち痛みがあるのは約15%ほどですが、一般的に 『痛みを伴わないしこり』とされています。
 また、がんが皮膚近くの乳腺組織にできると、早期から皮膚にくぼみやひきつれが見られることがあります。乳頭の増したにがんが発生したり、がんで乳腺がひきつれを起こすと、乳頭が凹んだりします。まれに、乳頭から分泌物が出ることがあり、これを「乳頭異常分泌」といいます。
 健康な人でもホルモンの影響で、乳頭の数箇所から透明、またはミルク色の分泌物が見られることはありますが、乳がんの場合は血液の混ざった分泌物が、乳頭の乳管開口部の1つからだけでるのが特徴です。
 検 査
乳房のしこりは、乳腺症や乳腺線維線種など良性の病気でも見られるため、鑑別のために次のような検査が行われます。 視診・触診 まず最初に行われるもので、経験豊富な専門医であれば視診と触診だけでも、約7割の確立で乳がんを診断できます。
 マンモグラフィー 乳房を上下と左右からプラスチックの板で押し挟み、平らにしてからエックス線撮影をします。ごく小さな乳腺組織の変化や石灰化をとらえることができ、しこりをつくる前の早期の乳がんを発見します。
 超音波検査 しこりの内部を調べるのに優れています。乳がんの多くは、マンモグラフィーと超音波検査でほぼ診断がつきます。
 穿刺吸引細胞診 細かい注射針を、皮膚のうえからしこりに向かって刺し、病巣部の細胞を吸引して、顕微鏡で調べます。多くの場合、この検査で診断は確定しますが、ごく一部は診断がつかないこともあります。その場合、以前は手術で乳房を切開して、しこりの一部を摘出する「外科生検」が行われていましたが、現在は太い針を刺し、しこりの組織を採取する「針生検」が主流です。
 乳管造影検査 しこりがなく、乳頭異常分泌だけが見られる場合に行われる検査です。先端が丸くて細い針を乳頭の入管開口部に挿入し、造影剤を注入してエックス線撮影をします。このほか、直径1mm以下の細いファイバースコープ(内視鏡)を、乳頭の乳管開口部から挿入し、乳管を観察する「内視鏡検査」もあります。
 転移を調べる検査 乳がんと診断されたら、骨シンチグラフィーや超音波検査、CT検査などで骨や肺、肝臓などへの転移の有無も調べます。
 治 療
 乳房温存療法 早期の段階なら、がんだけを切除して乳房を残す方法が可能です
 乳房切除術 がんが乳房内に広がっている場合は、乳房を切除します
ホルモン療法・化学療法 残ったがん細胞を死滅させるため、全身的な治療を行います