肺がんの標準的な手術

肺は右が三つ、左が二つの肺葉に分かれています。
 ぶどうの房が太いつるに右に三つ、左に二つぶら下がっているのを想像してください。それぞれの房には気管支と血管が入り込んでいます。
 この房のうちどこかにがんが発生したとき、房を単位として切り離すのが確実で、技術的にもやりやすいのです。
 一番多く行われているのが房の一つを切り離す「肺葉切除」。
 右肺の場合は上葉と中葉、中葉と下葉という二つの房をあわせて切り離す2葉切除も割合に多く行われます。
 がんが房の根元付近にまで食い込んでいると、右あるいは左の全部の房を取り除く必要がでてくることがあります。片肺全摘出術です。
 全摘出は手術後の肺活量の低下が大きく、身体への負担も大きいので、そうするべきかどうかの判断は慎重になります。
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胸のレントゲン写真の見方

肺がんの知識を得る前に、正常な肺についての知識をある程度深めておく必要があります。そうでないと、一体何の話か分からなくなってしまいます。
 胸のレントゲン写真やCTで目立って見える部分を覚えれば十分です。
下の写真と図に正常のレントゲンで質問の多い部分を示してあります。
 一番大きなポイントはレントゲンは自分の正面に立った人が半透明に見えていると考えるところでしょう。
 黒い部分はX線の通りやすい、つまり空気の多い部分。白い部分はX線の通りにくい部分、筋肉や脂肪、骨などです。
 中心にある白い部分を縦隔と呼び、心臓や大動脈があります。また、縦隔にはたくさんのリンパ節があります。
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肺がんの4つのタイプ(腺がん)

腺がん
 唾液の出る唾液腺や胃液の出る胃腺などの腺組織とよく似た形をしているがんのことです。
 腺がんは、多くの場合、肺の奥のほうのこまかく枝分かれした先にできます。女性やタバコを吸わない人にできる肺がんの多くがこの腺がんで、肺がん全体の半数程度を占めます。
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肺がんの進行度

肺がんの進行度
        リンパ節転移 
     
         N1
  同側気管支周囲および/または同側肺門リンパ節および肺内リンパ節転移で、 原発腫瘍の直接浸潤を含む
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         N2
  同側縦隔リンパ節転移および/または気管分岐部リンパ節転移
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         N3
 対側縦隔、対側肺門、同側または対側斜角筋前、または鎖骨上窩リンパ節転移
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肺がんの進行度

肺がんは、がんの大きさと広がりによって進行度を分類します。
 その分類には、TNM分類が用いられ、T―原発腫瘍の大きさ、N―リンパ節転移、 M―遠隔転移の組み合わせにより病期が 定められます。 自分のがんの病期(進行度)をきちんと把握しましょう。
        T―原発腫瘍の大きさ
          T1
 腫瘍の最大径が3cm以下で、肺組織または臓側胸膜に囲まれており、気管支鏡的に 癌浸潤が葉気管支より中枢に及ばないもの(即ち主気管支に及んでいない)
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           T2
  腫瘍の大きさまたは進展度が以下のいずれかであるもの
 最大径が3cmをこえるもの
 主気管支に浸潤が及ぶが、腫瘍の中枢側が気管分岐部より2cm以上離れているもの
 臓側胸膜に浸潤のあるもの
 肺門に及ぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが一側肺全体に及ばないもの
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          T3
  大きさと無関係に隣接臓器、即ち胸壁(superior sulcus tumourを含む)、 横隔膜、縦隔胸膜、壁側心膜のいずれかに直接浸潤する腫瘍
または腫瘍が気管分岐部から2cm未満に及ぶが、気管分岐部に浸潤のないもの
 または無気肺あるいは閉塞性肺炎が一側肺全体に及ぶもの
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肺がんの第四の治療法 免疫細胞療法とは

肺がんの免疫細胞療法とは、がん細胞を攻撃する機能を持つ免疫細胞(リンパ球)を体外に取り出し、専門の培養施設で加工・処理することで大量に数を増やしたり、機能を付加した上で再び体内に戻す、副作用のほとんどないがん治療法です。
 最先端の免疫学や分子生物学に基づいた先進的治療であり、いわゆる三大治療(手術・抗がん剤・放射線療法)と併用することも可能で、進行がんへの治療効果や、手術後の再発予防効果が期待できます。
 既に、厚生労働省が定めた先進医療として、適応疾患を限定する形で各地の大学病院やがんセンターでも実施されています。
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肺がんの種類

肺がんを分類すると腺がんや扁平上皮がん、大細胞がんの総称である非小細胞がんと、小細胞がんに分かれます。
 この中でもっとも多いのは腺がんで、肺がんの男性の40%、女性の70%を占めています。次に多いのが扁平上皮がんで、男性の40%、女性の15%ほどの割合です。
 小細胞がんは全体の15~20%ほど、そして大細胞がんはおよそ5%です。こうしてみると、肺がんは腺がんを始めとした非小細胞がんが多いことが分かります。以下でそれぞれの特徴について見ていきましょう。
             腺がん
 肺がんの中で最も多く見られるもので、唾液腺や胃腺などの腺組織と似た形をしています。肺の奥の方の細かく枝分かれした末梢部分に発生する肺野型ことがほとんどです。タバコによる影響は、他のタイプに比べると弱い傾向があり、無症状の段階でも検査によって発見できることがよくあります。
 特に女性に多い傾向があります。肺がんの中でも、腺がんは進行のスピードが様々ですので、一概に速いか遅いかということはできません。
           扁平上皮がん
 皮膚や粘膜を覆っている扁平上皮という組織に似た形をしており、大部分は肺の入り口に近い肺門部に発生します。タバコとの関係が深く、血痰等の症状が出やすいため、これが原因で発見されることが多くあります。
            大細胞がん
 癌細胞が大きいもので、他のタイプに分類できないものが入っていることもあるため、あまり同質的なものばかりではありません。増殖のスピードは速いものの、自覚できる症状がなかなか出ないため、診断時には進行していることもあります。
            小細胞がん
 癌細胞が小さいもので、他の組織型よりも進行が早く、脳や骨、リンパ節、肝臓、副腎などに転移しやすいという特徴を持った悪性度が高い癌です。肺門部にできることが多く、タバコとの関係が比較的強いとされています。
 
 放射線治療や抗がん剤が効果的という特徴があります。およそ80%は癌細胞が種々のホルモンを産生していることも、このタイプの特徴でしょう。
 上記が肺がんを腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん、小細胞がんに分類した場合の、それぞれの特徴です。どの組織型に属するかによって、同じ肺がんでも性質が異なりますので、自分の症状を知るために役立つことと思います。
 非小細胞がんと小細胞がんでは、治療に使われることの多い抗がん剤の種類も変わってきます。多くの方は腺がんに該当すると思いますが、自分がどの組織型に該当するのか、すでに発症している方は確認しておきましょう。治療の際には、それぞれの組織型や症状の進行度、転移の状態にあった治療法を選択する必要があります。