化学療法(抗がん剤)の副作用
骨髄毒性-白血球減少(好中球減少)、赤血球減少、血小板減少
肺がん(肺癌)の抗がん剤治療により血液をつくる細胞がダメージを受け、白血球減少や赤血球減少、血小板減少などの副作用を高頻度で生じます。
肺がんに対する化学療法では、患者さんが抗がん剤の副作用により死亡することが約2%程度起こると報告されています。治療関連死で最も多いのは白血球や好中球減少による重篤な肺炎や敗血症などの感染によるものですから、これらの血液検査の数値が低下した場合には注意が必要です。
白血球減少(好中球減少)が起きると肺炎などの感染症を起こしやすくなります。また発熱が続くこともあります。白血球や好中球の減少に対しては、G-CFS(顆粒球コロニー刺激因子)などを使用することがあります。
赤血球が減少することで貧血になったり、血小板減少により出血しやすくなったり、あざができやすくなったり、注射の跡が消えにくくなるなどの副作用が現れることがあります。
これらの副作用を骨髄毒性といいます。骨髄毒性は目に見える副作用ではないため一般の方は軽視しがちですが、実は命にかかわることが少なくない副作用ですから抗がん剤の投与中は注意深く骨髄毒性が許容範囲内であるかをチェックする必要があります。
吐き気・嘔吐・悪心・下痢・便秘・食欲不振
肺がん(肺癌)治療で抗がん剤が投与されると多くの方で吐き気や嘔吐をおこします。下痢や便秘をする方もいらっしゃいます。
使用する抗がん剤の種類により吐き気や嘔吐が起きやすい抗がん剤もあれば、あまり激しい副作用を伴わないものもあります。場合によっては極度の脱水症状により衰弱してしまう可能性もあります。
脱毛
肺がん治療で使用する抗がん剤によっては脱毛を起こすこともあります。治療が終われば髪の毛は再び生えてきます。
その他の副作用
肺がん治療で用いられる抗がん剤の副作用として、動悸や息切れ、体のむくみ、筋肉や関節の痛みなどが現れることがあります。
手足症候群といって手のひらや足の裏に刺すような痛みがあったり、手足の感覚がまひしたり、皮膚の乾燥やかゆみ、変色などの症状が現れることがあります。
口内炎や倦怠感(だるさ)、皮膚や爪の変色、味覚障害、肝機能障害、腎機能障害なども副作用で現れることがあります。