女性の喫煙率は男性よりも低いです。この事から女性の肺がん罹患率は少ないとも言われていますが、喫煙しない女性にも肺がんは発症します。
喫煙以外にも生殖関連要因やホルモン剤使用が、肺がんの発生と関係があるのではないかと考えられています。
厚労省が40~69歳までの喫煙していない女性約45000人を対象に、女性ホルモンに関わる要因と肺がんリスクとの関連を調べたところ、対象となった約45000人のうち、153人が2002年までに肺がんを発症したのですが、そのうち閉経していた111人をさらに詳しく調べたところ、月経のある期間が長いと肺がんになる危険が約2倍~2・5倍高いことがわかりました。
女性ホルモンが具体的にどのようにして肺がんに関わるのかは、まだ正確には分かっていないようですが、女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、肺のがん細胞の増殖を直接促進したり、肺がん細胞中のエストロゲン受容体に、エストロゲンがつくことによってがん化を促進し、肺がんの発生に関わるのではないだろうかと考えられています。
さらに、ホルモン剤の使用と肺がん発生率との関係では、自然閉経でホルモン剤を使用したことのない人と比較して、人工的に閉経しホルモン剤を使用したことのある人では肺がんの発生率が2倍以上高いそうです。
この他の要因として喫煙率に出てこない隠れ喫煙者の存在(女性は自分が喫煙者だと言うことを隠したがる)とヘビースモーカーの配偶者の存在も指摘されています。