前立腺がんの主な症状は、尿障害です。
初めのうちはそれほど目立った症状は出ないのですが、前立腺がんが、ある程度大きくなって、尿道を圧迫したり、尿道に出てきたりすると、様々な症状が出てきます。
具体的には、眠りについた後に何回も尿意が沸き起こり、何回も小便をする夜間頻尿や、小便がちょろちょろとしか出ない排尿遅延、小便を出した後にまだ尿が残っている感じがする残尿感などがあります。
ちなみに、前立腺が大きくなる「前立腺肥大症」でもまったく同じような症状が出ます。
これらの症状のほかにも、尿に血が混じる、精液に血が混じる、尿をする時に痛むといった障害も出てきます。
前立腺がんが、さらに進行すると、がん細胞が尿道を圧迫して、小便を出したいのに、尿がまったく出ない尿閉という状態におちいります。
膀胱の中に大量の尿がたまっていきますので、こうなると、尿道にやわらかいチューブを入れて、無理やりに尿を外に出す治療を行います。
周辺の骨に転移すると、骨が痛みますし、足や下腹部がむくみます。
さらに転移が進むと、腎臓から膀胱に尿を送る尿管にも障害が出て、その流れがさえぎられてしまいます。
こうなると、今度は腎臓の機能まで障害が出てきて、機能が低下します。
前立腺がんは初期の段階では症状がわかりにくいので、偶然のきっかけで発見されることが多く、はっきりと症状が出てきた段階では、すでにがんが進行している場合が多いのです。