前立腺がんの生存率は他のがんに比べると比較的高めだと言えます。
しかも、前立腺は肺や大腸と違って、直接生命の維持にかかわる組織ではありません。
子供を作るための組織なので、切り取っても生命に支障は出ません。
ただ、がんが残っている場合に見つけにくく、死亡後に前立腺がんだったと判明するケースもしばしばあるほどです。
一般的にがんの生存率には5年生存率が使われます。
これは、治療後5年以内に生存している患者の割合です。
他のがんでは5年経って再発しなければ、その後の再発の可能性はほとんどないことから「完治した」と確定されますが、前立腺がんは5年経った後でも20%近くの人が再発するので、進行が遅い
一方で、完治もしにくいがんだと言えます。
前立腺がんの5年生存率は、一般的には、前立腺内に限局している場合で70~90%、前立腺周囲に拡がっている場で50~70%、
リンパ節転移がある場合で30~50%、骨や肺などに遠隔転移がある場合で20~30%です。
また、がん以外の原因による死亡率は、局所にとどまるがんの10年非がん死率で100%、局所浸潤・リンパ節転移が認められる症例の10年非がん死率で37.4%、初診時骨転移が認められる症例の
10年非がん死率は11.2%です。
前立腺がんは年齢が高くなるにつれて、かかりやすくなります。しかし、高齢化すると他の病気も出てきますので、先に他の病気が悪化したり、寿命で死ぬことが多いのです。