肝臓がん 腹水

肝臓がんが進んでくると、腹水がたまってきます。これは肝臓の機能低下によって、血管内の水分やリンパ管からリンパ液が漏れ出してきて、お腹の中に溜ってしまうためです。腹水が溜まることにより、お腹は徐々にふくらみます。また、急激な体重贈増加や尿量の減少などがあらわれてきます。
 溜ってしまった腹水は、抜く必要があります。利尿剤を利用したり、腹水を腹腔内から排出する処置、すなわち、お腹に針を刺して腹水を抜く「腹水穿刺」という方法があります。
 腹水は、元々、栄養を含んだものですから、抜きすぎても栄養が不足して、体力が落ちてしまいます。急速に腹水を除去すると体内の水分バランスが崩れてしまい,心臓や腎臓に負担をかけたり,肝臓の血流が低下することにもなります。
このような場合、肝硬変そのものの症状が悪化することがあり,悪い状態が更に進んで、命を縮めてしまう可能性もあります。このようなことから、腹水コントロールは医者と患者の十分な理解の元で行うことが大切になります。