慢性胃炎には、大きく分けて、ピロリ菌感染が原因で起こる組織学的胃炎、内視鏡検査で見たときに胃の粘膜がただれている内視鏡的胃炎、患者が自覚症状を訴える臨床的胃炎の3つがあります。
日本では、これら3つを区別せずに慢性胃炎をひとくくりにして診断しているため、ひと口に慢性胃炎と言っても、その中身はかなり異なるといったことが起こっています。
慢性胃炎とは胃の粘膜に継続的に炎症が起こっている状態で、内視鏡生検による胃の組織検査で炎症が確認された場合につけられる病名ですが、実際は胃の痛みやもたれ、吐き気などの自覚症状が長く続いている時に慢性胃炎と診断されることが多いのです。
症状だけから診断された場合には、昔から胃酸過多、神経性胃炎、胃アトニーなどと呼ばれていた病気が含まれている機能性胃腸症の可能性があります。