内視鏡温存療法は、乳房温存療法の条件に合わなくても行うことができます。
内視鏡乳房温存療法とは、わきの下と乳輪の境目部分に2センチほどの切開をし、そこに内視鏡と手術器具をいれていき、乳房の組織を皮膚や胸の筋肉からはがし、乳房の皮膚を残したまま中の組織を取り出すという方法です。
内視鏡乳房温存療法は、乳房の中身がない状態になりますが、乳首や乳輪、胸の皮膚はすべて残るので術後の見た目は術前と変わりがありません。また、乳房再建術がスムーズに行うことができ、きれいに再建することができるのです。
傷も術後はしわなどに隠れて目立たなくなります。乳房に傷が大きく残る全摘出とは術後大きな差があります。
内視鏡温存療法は大腸がんや胃がんの手術で使われることがありますが、乳がん手術にはそれほどまだ定着はしていません。
乳がんの内視鏡手術は時間もかかり、この手術の経験者や技術をもつ医師がまだ少ないため、内視鏡温存療法を行える病院は一部になります。