血液透析を行う場合、身体に蓄積された毒素を浄化する為に、1分間で200ml近い血液流量が求められます。
通常の血流では1分間で200mlもの血液を透析装置に送り込む事ができないので、シャント手術を行って血流を多くしなくてはなりません。
人工透析では、動脈に穿刺して血液を取り出す必要がありますが、透析の度に動脈に穿刺するのは困難なので、シャント手術でシャントをつくって動脈と静脈を繋ぎ合せ、静脈の血流量を増やして、透析を行います。シャントがあれば、動脈を穿刺する必要がなく、血液透析ができるようになります。
シャントには、内シャントと外シャントの2つがありますが、ほとんどの人が内シャントになっています。内シャントは、皮膚下で動脈と静脈を繋いでおり、透析を行う際にハリさす痛みがありますが、感染症を引きおこす危険が軽減されます。また、内側にシャントがある事で、見た目に分かりにくいというメリットがあります。
外シャントは、皮膚の外で動脈と静脈にチューブを入れて繋ぐ方法です。透析時の痛みが少ないとされていますが、チューブが外にある事で感染の危険が高く、見た目も良くありません。どちらのシャントであっても、シャントが詰まってしまうと血液流量が少なくなって、血液透析ができなくなってしまいます。
シャントの管理を日々おこない、血栓ができないように注意する必要があります。シャントは利き手とは反対の手につくりますが、重いものを持ったりして圧迫すると、不備の原因になるので日常生活で注意が必要です。