首を切り開いて手術をおこなう
食道の上部にできたがんを「頚部食道がん」といいます。食道がんのなかでは、それほどは多いタイプではありません。
一般的な手術では、首の部分を切り開いて手術をおこなっていきます。切除するのは、頚部の食道と頚部リンパ節になります。
ただし、がんが咽頭・喉頭にまで広がっている場合には、がんの及んでいる咽頭・喉頭もあわせて切除していくことになります。
手術の順序
1.皮膚の切開
のどを切り開いて、食道周囲の動脈、静脈、神経を取り除きながら、頚部リンパ節を郭清(切除)していきます。
2.食道を取り除く
頚部の食道を取り除いていきます。がんの広がりによっては、咽頭・喉頭も切除していきます。また、がんが食道の下の方にまで及んでいる場合は、胸部食道まで取っていきます。
3.食道の再建
のどと残った食道の間に、小腸の一部を移植して、代わりの食道をつくっていきます。これが新たな食べ物の通り道になっていきます。胃を引き上げて再建することもあります。
4.気管孔をつくることも
咽頭・喉頭を切除した場合、のどに孔をあけて、呼吸ができるようにするための処置をしていきます。