狭心症などの心臓病の診断や治療時によく行われる造影検査の際、もともと腎機能が低下している患者さんや、高齢者、糖尿病の患者さんなどではこの造影剤が尿細管の細胞を傷害し、一時的に急性腎不全の状態になることがあります。
主に糸球体が急激に傷害される病気として急性糸球体腎炎や溶血性尿毒症症候群などがあり、やはり急性腎不全の原因となります。
見過ごされやすい原因として、抗生物質や鎮痛剤など、様々な薬剤に対するアレルギーが腎臓に起こる薬剤性急性腎不全の場合があります。
アレルギー反応は主にネフロンや血管の間を埋めている間質という部分に起こることが多く、急性間質性腎炎と呼びます。
直接ネフロンの働き、すなわち尿を作るのに影響は無いように思われますが、間質に炎症に伴う無数の細胞が集まると、ネフロンや血管が圧迫され、尿を作ることが出来なくなり、急性腎不全の原因となります。
血尿や蛋白尿の出ることも少なく、余程尿の量が減少して、強い浮腫でも現れなければ、体がだるい程度の症状で見過ごされることも多いのです。