生化学的再発(PSA再発)も再発の一種です。
通常、前立腺がんの手術を行い、前立腺をすべて切り取った後にPSA検査(がんが残っていると血中のPSAという物質の濃度が高まる)をすると、PSA値はほとんど0に近い数値を示します。
ほとんどのPSAは前立腺から生産されているので、前立腺を切り取った後にはPSAも当然生産されなくなります。
通常なら生産されないはずのPSAが増えてきて、PSA検査で高い数値が出ることがあります。
これを生化学的再発と呼んでいますが、体のどこかにまだ前立腺がん細胞が残っている時に、この状態になります。
術後に通院して3ヶ月ごと、または6ヶ月ごとに1度PSA検査を定期的に行っていく過程で、PSA値の上昇がみられ、画像検査を追加で行って再発が見つかることもあります。
他のがんは、5年以上経過しても再発がないと、完治したと判断されるのですが、前立腺がんは、5年を経過しても再発するケースが多い珍しいがんです。
術後5年を経過してPSA再発を認めたものが27%もあったという調査もあるほどです。