開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれます。
この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。後遺症は食生活と大きく関係しており、日常生活において見過ごせないものとなります。
手術後の後遺症
ダンピング症候群
ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。
不快な症状
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる
貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。
骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。
腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)
ヘルニア腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。
流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。
胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。
胃を切除した後は、体重が減少します。これは、食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。