インターロイキンの抗腫瘍効果の仕組みは、インターフェロンと違い、リンパ球などの免疫担当細胞を活性化し、そのリンパ球が腫瘍細胞を破壊するという作用が主で、腫瘍への直接作用は考えられていません。
インターロイキン-2の効果については、前向き無作為化試験は行われていません。欧米での第Ⅱ相試験での奏効率は14%でした。
完全に腫瘍が消えてしまった患者、および治療後の腫瘍切除によってCRとなった患者は、長期生存が得られているということです。
このことは他のサイトカイン療法や最近開発された分子標的薬にはない特徴とされています。
欧米で行われているインターロイキン-2の治療は、非常に高用量のインターロイキン-2の投与で得られた結果であり、我が国の保険適用限度である1日210万単位の数十倍を使用しています。
投与量に比例して有害事象も強くなるため、欧米での高用量の投与法では外来や一般病棟での管理は困難であり、集中治療室で行うことが多いようです。
毒性軽減のため、投与量の減量や投与方法の変更についても考慮されてきました。投与量については、高用量と比較して、低容量では、奏効率、奏効期間ともやや劣る結果でした。投与方法については、静脈注射、皮下注射のうち、皮下注射において副作用が少なかったとの報告があります。
日本での投与方法は、1日1~2回合計70万~210万単位を2時間かけての点滴投与です。残念ながら我が国では皮下注射は認められていません。
少ない量から開始し、副作用を確認しながら、徐々に投与量を増加していきます。連日投与が理想ですが、副作用の個人差が大きく、症例によって投与量や投与日を調節しなければなりません。
副作用として発熱、悪寒、関節痛といったインフルエンザ様症状がみられます。インターフェロンと異なる点は、“馴れ”が生じることはなく、回数を重ねても発熱は同様に出現することです。