慢性腎不全の治療

慢性腎不全の治療目標の1つは慢性腎不全の進行を予防し、少しでも透析療法への移行を遅らせることにあります。慢性腎不全は進行性の疾患です。多少の変動はあるものの、良くなることはありません。従って、薬物療法や食事療法、安静療法により、少しでも進行を遅くさせることが目標です。
慢性腎不全治療のもう1つの治療目標は合併症の予防です。慢性腎不全の進行とともにいろんな合併症が現れます。中には、生命をおびやかすようなものもあります。
慢性腎不全が進行しても、透析療法が有りますからすぐに生命にかかわる事はありません。しかし、例えば高血圧が持続するような場合には、もちろん腎臓にも悪影響を及ぼしますが、生命にかかわる心臓病や脳卒中などの合併症の原因となるわけです。さらに生命にかかわることはなくても、不適当な食事療法などを行うと骨がもろくなる、などの合併症が現れます。
腎機能の低下を予防する1つの方法は、腎臓の負担を減らすことです。
腎臓を会社に例えますと、慢性腎不全では、10人いた社員が5人以下に減ったとします。会社の仕事量が同じであれば、残った5人には今まで以上に仕事の量が増え、ついには過労死し、ますます社員は減っていきます。残った社員が減らないようにするには仕事量を減らす必要があります。これが食事療法や安静療法、薬物療法の目的です。

慢性腎不全の治療は早い段階から

腎機能が3分の1以下に低下した状態を慢性腎不全と呼びますが、現実にはこの時期にはかなり進行した状態で、むしろ正常の70%以下に低下すれば、慢性腎不全の予備群として適切な治療が必要となります。
一般に腎機能が1/3程度に低下した段階を慢性腎不全と呼ぶのは、ちょうどこの頃から、血液中にクレアチニンや尿素などの老廃物が蓄積するためです。

慢性腎不全の病態

腎臓は2個ありますが、片方を摘出しても腎機能はほとんど低下することは有りません。腎臓に大きな予備力があるためです。逆に腎機能が正常の半分くらいしかない、という場合には、働いているネフロンの数は既に約6分の1程度に減少しています。
慢性腎不全では糸球体のろ過圧が上昇していることが知られています。これによって、ネフロン数が減少しても糸球体ろ過量(腎機能)は保たれます。しかし糸球体ろ過圧が上昇するのは、糸球体内の血圧が上昇している(糸球体内高血圧)からです。糸球体毛細血管の動脈硬化が進行し、糸球体が過労死することになります。

慢性腎不全に至る病気

両方の腎臓を同時に傷害する病気はすべて慢性腎不全の原因となり、慢性透析療法に至る疾患でもあります。
慢性腎不全の原因を透析療法を必要とする疾患で見ると、糖尿病患者が急激に増加しており、1998年には慢性糸球体腎炎に代わって糖尿病性腎症が第一位となっています。慢性腎不全と言う名前は病名ではなく、腎臓の働きが低下していると言う病態名です。

慢性腎不全の原因

原因は主に糸球体を傷害する慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症、間質を傷害する間質性腎炎、血管を傷害する高血圧などが上げられます。
病状も急性腎不全とは違い、末期に到るまでほとんど症状が無いのが特徴です。もちろん尿も十分に作られます。しかし、末期となれば慢性透析療法が必要となります。
急性腎不全と異なり、治ることは期待出来ません。腎機能が正常の10%以下に低下した末期腎不全に至ると、腎移植を受けない限り一生透析療法を受けなければなりません。

腎臓がんの予防

腎臓がんを予防するには、食生活や生活習慣を見直すことによってある程度予防することは可能であると思われます。
腎臓がんになりやすい人をみていくことによって、腎臓がんをいかに予防するかということもわかるというものです。
その一つに、腎臓がんは男性の方がなりやすいということです。男性の方が多いわけですから特に男性は気を付けなくてはいけません。
そして、食生活でいえば脂っぽいものを多く食べている人は、腎臓がんになりやすいため、なるべく脂っぽいものを控えることは予防になると思われます。体重が重く肥満と診断されている人も注意が必要ですので、太り過ぎないように体重を管理するのも予防になります。
また、生活習慣としては、喫煙をしている人は腎臓がんを発症しやすくなるので、禁煙をしていた方が予防になります。
前にも触れましたが、糖尿病で人工透析を受けている方は腎臓がんになる確率が増しますから、恐らく医師にも言われると思いますが、検査を常にする必要性が出てきます。
遺伝性の問題も無視はできません。自分の家系に腎臓がんを発症した人がいる場合は、他の家系と比べて腎臓がんになる確率が増しますから、常に検査を定期的に受けることが予防につながると思われます。

慢性膵炎の食事療法

慢性膵炎では、食欲不振、嘔吐、黄疸が出る。
食事のポイント
●高タンパク、低脂肪の食事にする
脂肪の少ない良性タンパク質で膵臓機能を回復し、脂肪制限で急性膵炎発作を防止する。
●ビタミン、ミネラルを摂取する膵臓機能回復に有効である。
●酒、香辛料はとらない腹痛の原因となるので、とらない。