胃がんは初期症状であれば治癒を目指すことができるほど予後が良いのですが、末期に近づくほど予後の経過は悪化します。
病期(ステージ)ごとに一般的な5年生存率を見ていくと、ステージ0ではほぼ100%、ステージ1で90%、ステージ2で80%、ステージ3で50%、ステージ4で10%となっています。すべての病期を通算するとおよそ70%となっていますが、末期に近づくと決して良好とは言えない数字であることに注意が必要です。もっとも、難治がんの代表格であるすい臓がんと比べると明らかに予後が良好であり、癌であっても早期発見によって助かる見込みは十分にあると言えます。
胃壁への変化が小さいスキルス性の場合を除けば、定期的に検診を受けておくことによって初期症状の段階で発見することは可能です。末期になる前に治療を行うことによって、治癒を目指しましょう。悪化するほどに再発の危険も高くなります。
胃がん検診を行った場合、実際に胃がんと診断されるのは1000人に1人から2人の割合とされていますが、それでも大きな危険を避けるためには受診の意味があります。日本人にとって縁の深い癌ですので、油断しないで下さい。生存率が高いうちに治療しておきましょう。
他の病院と生存率を比較するときには、通算の数字ではなく、それぞれの病期ごとに比べておきましょう。条件を揃えなくては適正な結果が得られないからです。
また、特定の病期のみの数字が悪い場合には、十分な症例数が確保できていないケースや、その進行度における治療を効果的に行うための専門医がいないことや、設備が整っていない可能性がありますので、原因を明らかにしておいた方が良いでしょう。