他のタイプと比べると、スキルス胃がんの悪性度は特に高く、生存率も低くなりがちです。特徴として早期発見が難しいことが挙げられますが、これは医の粘膜の表面に大きな変化を起こさないことが原因になっています。胃壁の中で広がっていくため、たとえ定期検診を受けていたとしても、見落とされてしまうことが多いのです。そのため、発見された時にはおよそ60%の方が転移しています。
転移はスキルス胃がんの治療法の選択肢を限定してしまうことがありますし、手術を行った場合でも再発の原因になってしまうことが多くなります。一般的には、早期胃がんなら治癒を目指すことができるのですが、すでに転移までしている状態では、話が変わってしまいます。診断としては、胃壁全体が硬くなってから見つかることが多くあります。
厄介なスキルス性ですが、主に30歳代と40歳代の女性に発症しています。この年代の女性は、あまり胃がんにかかることがないため、検診を受けていないことも多くあります。たしかに、検査をすれば確実に発見できるものではなく、見逃されてしまうことも多いのですが、やはりあきらめることはできません。毎年レントゲン撮影を続け、過去の写真と比較することによって、早期発見できる可能性も残されています。
生存率を高めるためには、手術のほかに化学療法を用いることで、残された癌細胞に対応することが一般的に考えられます。もちろん、個別に症状や転移の状態、患者さんの全身状態も考慮しなくてはなりません。現状として納得できるほどの成果が出せていないことが多いのですが、名医に診断してもらうことで、少しでも質の高い医療を望むこともできます。
最新治療の研究では、抗がん剤を小さなカプセルに包んで投与する方法が研究されています。この研究が実用化されることによって、症状の改善は今よりも容易に望めるようになるかもしれません。