病院で専門医から治療を受ける場合には、手術や抗がん剤による化学療法、放射線治療が一般的に行われています。しかし、手術には後遺症がありますし、抗がん剤や放射線治療には副作用があり、深刻な事態を招くこともあります。そうした方法のほかに、胃がん治療に食事療法を用いる方法もありますので、参考にしてください。
予防のために 名医による効果的な治療も、予防にはかないません。なにしろ、最初から食事で胃がんを予防することができれば、闘病生活を送る必要がなくなるのです。消化器官である以上、食べたものの影響を受けることは否めません。
そこで気をつけたいことは、食事の時間を決めて、毎日規則正しい時間に食べることや、野菜や果物を豊富に摂取すること、過剰な脂肪や香辛料、アルコールの度数が高いお酒を控えること、保存状態の悪い物やカビの生えたものは食べないことが挙げられます。
これらの注意点を守ったとしても、絶対に胃がんにならないわけではありません。しかし、食生活の乱れが罹患リスクを高めることは間違いのないことですので、リスクを減少させることにはつながります。日々の行動を少しづつでも変えてみましょう。
術後の場合 胃がんの手術を行うと、胃の一部、または全部を摘出することになりますので、術前と同じ感覚でいるわけにはいきません。食べるものには原則として制限がありませんが、食べ方には変化があります。
まず、回数を増やして一度に食べる量を減らすことです。無理に多めに食べようとするより、何回かに分けてみましょう。体調がよいと以前と同じ量を口にしてしまいそうになると思いますが、調子に乗ってしまうと後で苦しくなりますので、自重してください。新しい量に慣れるまでは、意識的にコントロールしましょう。
また、噛むことによって、消化機能の低下を補いましょう。焦らずゆっくり食べるようにしてください。また、回数が増えても、毎日の時間は一定に保ちましょう。お腹が空いた時に好きなだけ口に運ぶのではなく、規則正しい生活を送ることが大切です。アルコールや消化の悪いものは、専門医と相談しながら摂取するようにしてください。くれぐれも体に負担をかけすぎるようなことはしないでください。
ダンピング症候群 術後の後遺症として一般的なものに、ダンピング症候群があります。ダンピング症候群には早期と後期があり、早期ダンピング症候群は食後30分以内に発生する動機やめまい、脱力感、発汗、顔色の変化、下痢などの症状を示します。早期ダンピング症候群を防ぐためには、食事の時の水分を控えることや、甘くてとろとろしたお汁粉のようなものに気をつけることが必要です。
後期ダンピング症候群の症状としては、食後2時間から3時間ほど経過してから、冷や汗や倦怠感、めまい、指のふるえ、脱力感が現われます。血糖値の低下が原因となっていますので、食後2時間ほど経った頃に間食をすることで予防することができます。