肺気腫とは?
肺気腫とは、肺胞の組織が壊れ、たまった空気を押し出せなくなる病気。肺での酸素交換が困難になる。
肺は拡げるとテニスコート1面分くらいの広さがあると言われている。そのため、肺胞は半分が崩壊しても症状が出ない。この間に健康診断で異常が発見されることは少なく、聴診器でもわからない。
崩壊した肺胞が元に戻ることはないため、完全治癒はなく、壊れていない肺だけで機能を維持するしかない。
肺気腫の原因
肺気腫は別名を「タバコ病」とも言われるように、主な原因はやはり喫煙に依るものが大多数を占める。ヘビースモーカーの人は要注意。ただ、喫煙者の2割程度しか肺気腫にならないため、喫煙に遺伝子的な要因が重なって発症すると見られている。
生活環境下の大気汚染が原因になることもある。
肺気腫の症状
運動時の息切れから始まる。初期の頃は階段を駆け上がるとか、ちょっと走るなど、急激な運動を伴うと息が切れてできないという程度。初期の頃は自覚症状も少なく、発覚しにくい。これが進行すれば、普通に歩く、家事をするなどの軽い運動でも息切れ、呼吸困難になる。
さらには、常に息苦しくなったり、胸がゼーゼーする感じなどの症状が慢性的に続くようになる。また慢性気管支炎を伴うと咳や痰が出るようになる。
高齢で痩せ型の人に多く、病状が進行することで更に痩せてしまうこともある。
肺気腫の治療法等
肺気腫の診断は、胸部のX線撮影で発見されることが多い。自覚症状がなくても、X線で発覚するケースも少なくない。
治療は吸入式の治療薬を用いるケースがほとんどで外科的な手術は滅多にない。基本的には悪化するのを予防し、残った肺組織で日常生活を維持することが治療の目的になる。
また、言うまでもなく禁煙は絶対条件。風邪を引くことで急激に症状が悪化するため、日頃から風邪の予防にも注意する。