有害物質を吸い込むことによって肺胞が傷つき、肺機能が低下してしまう病気が肺気腫です。原因となる有害物質としては、大気中の汚染物質やタバコの煙が挙げられます。
40代以降の男性に多い傾向を持つものの、環境が同じであれば女性の方が男性よりも発症しやすいというデータがありますので、女性も安心できません。喫煙歴や済んでいる場所の空気の汚れ方といった要因が関係していますので、注意が必要です。
症状としては、咳や痰が多くなったり、息苦しさを感じたりすることがあります。取り込める酸素の量が減少します。
治療の方法としては手術によって痛んだ肺胞を切除し、機能を正常な状態に戻す肺減量療法や、移植を行う方法があります。また、薬を使った肺気腫の治療もあり、気管支拡張剤や去痰剤を投与することがあります。
さらに、有害物質を吸い込まなくてよい環境に移る方法もあります。これは転地療法と呼ばれているもので、空気のきれいな場所に移ることによって、有害物質を吸引しないようにします。環境との結びつきが深い病気だけに、こうした治療法が用いられているのです。もちろん、喫煙者の方であればタバコをやめるといった対策も必要です。