治療を行っても回復の見込みがない状態を末期と呼びます。ここまで症状が進行してしまうと、治ることは期待できないものの、残された余命を延ばすことや、痛みの緩和をはじめとして生活の質を高めるための対策を講じることができます。
肝臓がんが末期症状になってしまった場合であっても、適切な治療法を選択することが重要であることに変わりはありません。ただし、余命の長さを最重視するか、体が自由に利くことや副作用が軽いことを重視するかといった点も考慮して、自分にもっとも合ったものを主治医と共に選んでいきましょう。
末期肝臓がんとは
たとえば、ステージがいくつになったら末期症状であるという定義が存在するわけではありませんが、たとえばステージ4になった場合には、これに該当することが多いと考えられるのではないでしょうか。
治療には、完治の期待ができるものと、それ以外の目的で行われるものがあります。そのため、最初から克服できないことを前提にしなくてはならないケースもあります。もはや治す術がない場合には、末期肝臓がんとされます。
たとえば、体中に転移が進んでしまい、もはや手の付けられない状態になってしまっていることがあります。こうしたケースでも、抗がん剤による化学療法を用いることによって、治らないまでも症状の進行を遅らせられることがありますので、余命を延長させることになります。
また、末期における治療の目的として、痛みを緩和させることも重要視されることがあります。命があれば申し分なしとは言えませんので、痛みがひどい場合には、それを軽くする必要があります。
初期症状はほとんど存在しないため、進行してから自覚できるようになりますが、末期の場合の一例としては、黄疸や腹水などがあります。ただし、同じ兆候でも表れる時期は癌の位置なども含めて個人差がありますので、黄疸や腹水があったら必ずしも助からないというわけではありません。
余命の実際
肝臓がんの症状が進行してしまった場合には、余命を宣告されることがあります。病名の告知と共にショックな出来事ですが、残された時間を無駄にしないためにも、気持ちを立て直すことが求められます。
人生の残りが限られたものになってしまった時に、すぐに感情を整理して何をしておくべきか考えられる人もいれば、混乱してしまう人もいます。誰しも動揺するものですが、余命が短ければ短いほど、同じ時間でも貴重なものになります。
なお、余命の期間を告げられたとしても、それは絶対に当たるわけではありません。半年と宣告されても、9ヶ月以上生きるといったこともありますので、あくまで目安として捉えておいたほうがよいでしょう。
肝臓がんは簡単に治せる病気ではありません。しかしながら、医療が進歩しているのも事実です。自分が直面している状況において何ができるのか、主治医とよく話し合って、納得できる選択をしてください。