前立腺がんにはいくつか種類があり、分類の仕方もいくつか存在します。
組織学的分類と呼ばれるもので、分けると、前立腺がんは、腺がん・まれな腺がん・移行上皮がん・扁平上皮がん・基底細胞がん・神経内分泌がん・未分化がん・そのほかの悪性腫瘍となります。
ただ、前立腺がんでは腺がんがほとんどです。腺がんは、さらに、高分化腺がん、中分化腺がん、低分化がんに分けられます。
低分化のほうが、これから悪化していく余地が大きいことを示しているので、タチが悪いといえます。
また、他にもがんの組織の形で1~7に分けるWHO分類、増殖パターンなどで1~5に分けるグリーソン・スコア分類があります。
がんの発見の動機による分類というのもあります。これは、がんがどのようにして見つかったのかということで分類します。
臨床がん、オカルトがん、偶発がん、ラテントがんの4つに分類されます。
臨床がんは、診察によって診断される前立腺がんです。
オカルトがんは、体のどこかに転移が見つかって調べてみたら前立腺がんというパターンです。
偶発がんは、前立腺組織を、がん以外の病気の治療のために切り取ってみたら、偶然にがんが見つかったケースです。
ラテントとは、「隠れた」という意味なので、ラテントがんは、がん細胞があるにもかかわらず、症状として出ていないもののことです。
死後に解剖してがん細胞が見つかるケースが、ラテントがんです。