乳がんと間違えやすい症状:乳腺症

エストロゲンとプロゲステロンの分泌のアンバランスにより、乳腺の細胞にいろいろな変化が起こる症状です。
30~40代に多く見られ、乳房内にしこりができたり、乳腺の一部がむくんだり、水がたまったり、痛みや張りを感じたりします。乳頭から分泌物が出ることもあります。
痛みの強いときだけ治療の対象となります。 乳腺症ががん化することはありませんが、乳腺症の下に乳がんが隠れていることもあるので、マンモグラフィーや超音波検査などを定期的に受けることが必要です。
細菌感染によって起こる乳房の病気で、赤く腫れたり、痛み、膿み、しこりなどが見られます。特に、授乳期に、母乳が乳房内にうっ滞して炎症を起こすうっ滞性乳腺炎が多く、ここに乳頭から細菌が進入すると化膿性乳腺炎となって膿みが出るようになります。
乳頭にできた傷から細菌感染が起こることもあります。膿みのあるときは注射器で膿みを吸い出したり切開する他、抗生物質を使います。 
授乳期以外に、乳房の広い範囲に乳腺炎が起こることもあります。原因はよくわかっていませんが、乳頭からわずかに出ている乳汁に、リンパ球などが反応してできるのではないかと考えられています。乳房に膿みがたまり、治療しても繰り返し炎症が起こることもあります。 
また、乳輪の下に乳管膨大部と呼ばれる乳管のふくらんでいるところがありますが、乳輪下膿瘍といって、ここに膿みがたまることがあります。これは、陥没乳頭の人に起こりやすく、直りにくい乳腺炎です。陥没乳頭では、皮膚の表面の角質が乳頭の中まで入り込んでいるために分泌物がたまりやすいのです。
乳頭に穴を開けて、その部分を取り除くと乳腺炎を起こさなくなります。穴は、縫合しないで開いたままにしておくと、自然に閉じてきます。
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