腎移植は、高血圧、糖尿病などが原因で腎不全となったすべての患者が受けることができます。
腎移植の条件
全身麻酔による手術に耐えられる体力があること
免疫抑制薬を使うため、感染症や悪性腫瘍を治療しておくこと
生体腎移植の場合、腎臓の提供者(ドナー)が両親やきょうだいなどの血縁者となり、ドナーとレシピエント(移植臓器受容者)の腎機能を調べる組織適合検査(HLA検査)が行われます。
適合検査で移植が可能と判断されれば、問題なく手術を受けることができます。また、腎臓提供者と血液型が異なっていても、特殊な治療を行えば移植が可能となります。
献腎移植の場合は、ドナーから腎臓を提供するという意志表示が前提となります。臓器移植の管理は、社団法人・日本臓器移植ネットワークが行っていますが、2010年からは改正臓器移植法が施行され、あらかじめ登録することによって親族への優先提供ができるようになっています。
家族の書面による承諾があれば、本人の意思が不明な場合でも、脳死のもとでの献腎移植も可能となりました。
献腎移植を希望する人は、日本臓器移植ネットワークに登録して、移植の順番を待つことになります。
組織適合検査(HLA検査)について
HLA検査は、ドナーとレシピエントの免疫系の適合性を調べる検査です。HLAとは白血球にあらわれる抗原で、この型によって組織の適合性が決まっています。
HLAの型が、移植される腎臓のものと、移植を受ける人のものとで大きく異なると、移植後に激しい拒絶反応が起こってしまいます。
あらかじめ検査をしておいて、適合性の高い腎臓を移植するようにしています。