前立腺がんは骨に転移しやすい病気です。
高カルシウム血症の治療に使用されていたビスホスホネート製剤という薬が、多くのがんの骨転移に有効で
あることがわかっています。
骨には、造骨細胞という骨を作る細胞と、破骨細胞という骨を再吸収する細胞があり、正常な骨では2つのバランスがとれています。
ビスホスホネート製剤は、破骨細胞を抑える働きがあります。
前立腺がんが骨に転移すると骨が弱くなり、骨折しやすくなるので、この製剤を使って、骨を壊す細胞を弱めることで、骨を固めてがん細胞の骨の増殖を防ぐという方法です。
ビスホスホネート製剤の中でもゾレドロン酸という薬がもっとも高い効果を発揮するということがわかってます。
こちらは抗がん剤に比べると、副作用ははるかに少ないため、骨転移が多い患者には有効かもしれません。
もともとは血液中のカルシウムの量を減らす薬なので、場合によっては、他の薬で血液中のカルシウム量を補う必要も出てきます。
実際に体に投与する際は、15分以上かけて点滴を打ち、3~4週間に1度のペースで体内に投入していくことになります。