胃切除後の食事の注意ポイント:要注意の食品

コーヒー
一日に1杯~2杯程度なら心配ありませんが、味の濃いコーヒーを何杯も飲むと、おなかの調子を崩す原因になります。ブラックコーヒーを飲む方もいますが、空腹時にはできるだけ避けるようにしたほうがよいでしょう。
食物繊維の多い野菜
食物繊維が多い野菜には、キノコ類、海藻類、タケノコ、コンニャクなどがあります。食物繊維はもともと消化しにくく、よく噛まないまま飲み込んでしまうと、お腹をくだしたり、詰まってしまうことがよくあります。
便秘予防のためにも、食物繊維はできるだけ不足したくない食品ですので、よく噛んで食べるか、調理の段階で細かくしておきましょう。
大豆
食物繊維も多いので、一部の調理法によっては、消化がよくない場合もあります。豆腐や納豆などは消化も良いので安心して食べることができます。
いか、たこ、貝類
噛みにくいので、そのまま流し込むとよく消化不良を起こします。無理に飲みこむのはよくないので、あまり摂らないのも1つの方法です。
香辛料
香辛料には辛いものもありますが、塩分の摂り過ぎよりは心配ありません。大量に摂取すると、健康な人と同じように、胃の粘膜が傷つきます。
アルコール
すぐに禁酒する必要はありませんが、胃の機能が低下しているので、アルコールがすばやく吸収されるようになります。その結果、酔いが早くなるのでやや注意しましょう。ビールも、炭酸ガスによっておなかが膨れることがありますが、個人差があります。
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食道がん(食道癌)の治療:頸部食道がんの外科手術

食道がんが、頸部に留まっていて周囲への拡がりが無い場合には頸部食道のみを切除すると同時に頸部リンパ節の切除も行います。手術は小腸の一部を移植して食道を再建します。
がんが喉頭の近くまで拡がっている場合には頸部食道とともに喉頭も切除し、小腸の一部を移植します。
喉頭を切除してしまうため声帯が失われ声が出せなくなりますので、代用音声を用いることになります。
また呼吸機能も失われるため気管の入り口を首の皮膚につなげて気管孔をあけることになります。
胸部にまで食道がんが拡がっている場合には胸部食道も切除する必要がでてきます。
胃を食道の代わりとして用いる再建術が行われます。
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胃切除後の食事の注意ポイント:食べ方

胃を切除した後の毎日の食事についてですが、食事の内容自体は、それほど変更する必要はありません。
注意点としては、脂肪分をとり過ぎないことです。重要なのは食べ方です。
胃切除のあとの症状
すぐにおなかがすく
少しずつしか食べられない
早食いすると苦しくなる
食事のあと、動悸やめまいがする
下痢をしやすい
おならがよく出る
空腹時に低血糖症状があらわれる
食後の不快な症状の多くは、ダンピング症候群と呼ばれるものです。これは、胃の幽門を切除した場合や、全部摘出した場合などに起こりやすいとされています。
食後30分以内:早期ダンピング症状
症状:めまい、動悸、発汗、眠気、下痢など
腸の消化液の分泌が増して、水分やホルモン量のバランスが崩れることから生じます。
食後2、3時間後:後期ダンピング症状
症状:倦怠感、脱力感、めまい、冷や汗、ふるえなど
食後の急激な高血糖状態に対し、血糖を下げるホルモンである「インスリン」が膵臓から大量に分泌されます。その結果、血糖が下がりすぎて症状が発生します。
ゆっくり少しずつよく噛むことが大切
胃の切除後は、少しの食事でもすぐにおなかがいっぱいになります。このときに食事を取りすぎると、ダンピング症状が起こりやすくなってしまいます。
はじめは1日5食を目標にして、徐々に量を増やしていけばいいでしょう。
食事中の心がけ
1回の食事は30分の時間をかける
胃の働きが悪くなっているので、早食いは消化不良やつかえ、苦しみの原因になります。食べる量は減っていても、食事にかける時間は最低でも30分はとるようにしましょう。飲食物が流れるペースを自分で調整しましょう。
少量でとどめる
術前はまだまだ食べれたかもしれませんが、控えめにしましょう。食べられる量にも個人差がありますが、さっきも述べたように、食べすぎはダンピング症状のもとにもなります。
食べていかないと体力がつかないと心配するかもしれませんが、食べすぎも体に良くありません。
一口ごとに箸をおく
飲み込んだ飲食物が流れていったのを確認してから、毎回箸を置いて休憩するのがよい方法です。一気に食べるのを防ぐこともできます。
          
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すい臓がん(膵臓癌)の抗がん剤と副作用

すい臓がん(膵臓癌)の治療方法は、抗がん剤治療や放射線治療が主に行われます。
抗がん剤は、がん細胞が分裂しDNAと合成することを妨げる役目をします。
がん細胞は、通常の細胞よりも多く細胞分裂を繰り返すため、それを妨げることで細胞の増殖を抑えます。
抗がん剤が作用するのはがん細胞だけでなく、通常の細胞にまで作用してしまうため、そこには副作用が発生してしまうのです。
すい臓がんは抗がん剤があまり効かないがんです。
それでも、生存率が伸ばせることもあり、副作用との兼ね合いをみながら使用します。
副作用には、主に吐き気、嘔吐、脱毛などが現れます。
他には免疫力の低下や貧血、出血などもみられます。これは、骨髄にある造血細胞から赤血球や白血球、血小板などが骨髄で作らますが、この造血細胞が破壊されてしまうために起こるのです。
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食道がん(食道癌)の治療:外科手術療法

食道がんの標準的な治療で、がんを含めて食道を手術で切除します。
適応となるのはI期~III期までの食道がんで、IV期の場合には外科手術は行われません。
高齢で体力的に手術に耐えられないと判断された場合や、心臓や肺などに合併症があり手術が困難な場合にも適応とならない場合があります。
食道がん(食道癌)の場合、がんの発生部位により手術の方法が異なってきます。
手術の結果起こる合併症が少なからずあります。肺炎は20%程度、縫合不全20%程度、胃・肝臓・心臓などの障害が5%以下で、さらに死亡に繋がる確率は全体で2%程度あります。
手術前から合併症がある場合にリスクが高くなります。
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胃切除後の食事の注意ポイント:後遺症

開腹手術によって胃を切除した後は、いろいろな後遺症があらわれます。
この後遺症を「胃切除後症候群」と呼びます。後遺症は食生活と大きく関係しており、日常生活において見過ごせないものとなります。
手術後の後遺症
ダンピング症候群
ダンピングとは「墜落」という意味で、食べ物が腸に墜落して急に流れ込む様子を表しています。もっとも多くみられる後遺症です。
不快な症状
冷や汗が出る
脈拍が速くなる
動悸がする
倦怠感が出る
頭痛、めまいが出る
まれに意識障害が起こる
貧血
胃の切除により、鉄分とビタミンの吸収が障害されて、欠乏することが原因で起こります。不足している分を補うことが必要です。
骨粗鬆症
胃の切除でカルシウムの吸収が悪くなり、骨がもろくなります。カルシウムやビタミンDを投与して対処していきます。
腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)
ヘルニア腹壁の筋肉が閉じずに、皮膚の下に腸が飛び出している状態です。
流性食道炎
胃の手術後には、胸焼けを起こすことがあります。粘膜保護剤や酵素阻害薬などを使用していきます。
胆石
手術後は胆のうの収縮が悪くなって、胆石ができやすくなることがあります。胆嚢炎で症状が強くなったときは手術が必要になります。
胃を切除した後は、体重が減少します。これは、食べられる量が少なくなるのに加えて、吸収効率が悪くなるためです。
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前立腺がんの骨転移:メカニズム

血液の流れを介して前立腺がんの癌細胞が運ばれ、本来は古くなった骨を壊す役目を負っている破骨細胞の助けを得て居場所を得て増殖します。
癌細胞が破骨細胞を使って増殖するスペースを確保し、増殖すると破骨細胞をさらに働かせ、転移が進むのです。
前立腺がんの骨転移が起こりやすい場所としては、骨盤骨・肋骨・大腿骨があります。
骨は全身の様々な場所に配置されているものの、リスクは均等に分散されているわけではなく、一部に偏っています。
骨転移によって痛みを感じやすい場所としては腰や背中、太ももといった場所です。
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