線維腺腫は20~40歳代に多く見られ、特に30歳代に多いことが特徴的です。症状はしこりだけで、痛みを伴わないことがほとんどです。
しこりは球状または卵形でゴムのような弾力を持ちます。
片方の乳房に1つできることが多いのですが、数個できたり両方の乳房にできることもあります。
大きさは2~3cmぐらいで、5cmの大きさになるのは全体の3%ぐらいです。
若い方で乳房の形が変わるぐらい大きくなることもありますが、その場合は若年性線維腺腫と呼ばれています。
線維腺腫は女性ホルモンの影響で形成されると考えられており、ホルモンの分泌状態が変わると自然に消えてしまいます。そのため70~80歳になると線維腺腫のある方はまったくいなくなります。
診断は比較的簡単に済みますが、硬くてまわりが歪んでいるものは乳がんと間違えることもあります。若い方の診察の場合は、マンモグラフィでは乳腺が濃く写るため、しこりとして見つけにくい場合が多々あります。
超音波検査では乳腺は白く写り、しこりは黒く写りますので若い方でも分かります。両方の診察を受けて精度を上げる診察が、一番望ましいと思います。