乳房再建術とは、乳房全切除などにより、乳房をなくすことを余儀なくされてしまった患者さんのために乳房を新たに再建して取り戻すというものです。
乳房再建により術後の心の持ちようも変わってきます乳房再建術をしたことにより、乳がんの再発が増えるということはありません。また、術後の健診も通常通りに行えます。
乳房再建を行う時期は2種類あります。1つは、乳がんの手術と乳房再建手術を同時に行う同時再建(一期再建)と、2つ目は乳がんの手術後に時間を置き再建手術を行う二期再建があります。一期再建の方が二期再建より手術の回数や、体の負担と手術費用が少ないので望まれる方が多いですが、がん細胞が局所再発などをしてしまったときには再建した乳房をまた取り除かなくてはいけないときがあります。
がんが再発する可能性が高い場合は、一期再建を行わず、3年ほど再発はしていないか様子を見て、二期再建をしたほうがいい場合もあるので、担当の医師とじっくり検討してください。
乳房の再建術の方法があります。
1.自分の体の組織を使う筋皮弁法
2.シリコンなど、人工の乳房を使う方法
3.筋皮弁法と人工乳房を併用する方法
1.の筋皮弁法には、お腹の皮膚や筋肉、脂肪などをつかう腹直筋皮弁法(ふくちょくきんひべんぽう)と、背中の皮膚や筋肉、脂肪を使う広背筋皮弁法(こうはいきんひべんぽう)の2種類があります。
2.の、人工の乳房を使用する場合は、組織拡張法と、単純人工乳房挿入法の2種類があります。
自分の体を使う場合も人工乳房を使う場合も、放射線療法やお腹の治療を昔受けたことがある人や、太っている方、タバコを吸う方、糖尿病の方は合併症を起こす可能性が高くなります。
放射線治療を受けたあとは、皮膚がダメージを受けて弱くなっていたり、皮膚が伸びにくくなるのできれいに再建できない場合があります。