腫瘍性ポリープである腺腫は、前がん病変と考えられるので、内視鏡を使って切除します。
有茎性(粘膜面から茎をもって発育している形態)であれば内視鏡的ポリペクトミー(ポリープ切除術)、無茎性であれば内視鏡的粘膜切除術(EMR、コラム)が行われます。
これらの方法によってポリープ全体を組織学的に検査することが可能になり、診断と治療の両方を兼ねることができます。
腺腫のなかでも、カーペット状の形態をした大きな無茎隆起は結節集簇様病変と呼ばれ、分割切除によるEMRが行われます。
このような大きな病変を一括して切除するために、内視鏡的粘膜下層剥離(はくり)術(ESD、コラム)や、腹腔鏡を用いた手術が行われることもあります。
近年、ポリープと形が異なり、平坦なあるいは、わずかに陥凹した腺腫が数多く発見されています。
この病変はEMRによって治療されますが、ポリープの形をした腺腫よりも一般的に悪性度が高いため、これを見落とさないように注意することが大切です。
非腫瘍性ポリープは通常がん化することはないので、積極的に切除する必要はありません。しかし、有茎性で大きなポリープは出血や腸重積を起こす可能性があるので、内視鏡的ポリペクトミーを行います。