膵臓と周囲リンパ節などを切除する方法です。すい臓(膵臓)がんの治療の中では最も確実な治療法となります。すい臓(膵臓)がんの位置によって以下のような方法が選択されます。ただし、肝臓に転移を認める場合や、主要な動脈に癌の浸潤を認める場合は手術以外の治療法の対象となります。
(1)膵頭十二指腸切除
膵頭部を中心に癌がある場合に、十二指腸・胆管・胆嚢を含めて膵頭部を切除します。胃の一部を切除する場合と、胃をすべて温存する場合があります。門脈という血管に、癌の浸潤が疑われる場合は、門脈(もんみゃく)の一部も合併切除して再建することで、癌の切除は可能です。切除後には膵臓、胆管、消化管の再建が必要となります。
(2)膵体尾部切除
膵臓の頭部よりも尾側に癌がある場合に、膵臓の体尾部と脾臓を一緒に切除します。切除後の消化管の再建は必要ありません。
(3)膵全摘術
癌の範囲によっては、膵全摘術といって、膵臓のすべてを切除する手術が必要となる場合もあります。ただし、術後には血糖を調整するために、インスリンの注射が必ず必要となります。
(4)その他
癌を切除することはできない場合でも、十二指腸など閉塞して食事がとれなくなるのを防ぐための胃と小腸のバイパスや、黄疸が出ないようにするための胆管と小腸のバイパス手術を行うことがあります。