ネフロ-ゼ症候群は病名ではありません。
尿蛋白が1日3.5g以上を呈し、血液の中で最も多いアルブミンと言う蛋白質が減少し、3.0g/dl以下(正常は4.0g/dl以上)に低下した場合をネフロ-ゼ症候群と呼んでいます。
アルブミンが減少するとむくみの共通の症状が見られるためネフロ-ゼ症候群と言う呼び方をするわけです。
ネフローゼ症候群の原因としては先に述べた慢性糸球体腎炎など)が最も多いのですが、糖尿病性腎症、膠原病などもネフロ-ゼ症候群を呈します。
原因は様々ですから、当然治療法も原因によって異なります。いずれにせよ、糸球体基底膜(蛋白質を漏らさないための膜)の網の目があらくなり、蛋白質が尿に漏れることによって起こります。
尿蛋白の程度とむくみの程度は必ずしも一致するものではありません。むくみを早く見つけるには、約10秒くらいきつく押さえて、へこみが持続するか調べます。
むくみの程度がきつくなると、全身浮腫となり(5kg以上体重が増加する)、腹水や胸水、さらには肺浮腫まで呈することがあります。こうなると一時的にも透析で体の余分な水分(むくみ)を取り除くことも必要となります。