すい臓(膵臓)がんの治療:抗がん剤治療

すい臓(膵臓)がんは抗がん剤は効きにくいとされ,複数の抗ガン剤を組み合わせることも多いようです。抗がん剤としてよく用いられるものにフルオロウラシルがあり,がんの切除後に放射線と併用することで再発防止に効果があるとされます。
 
細胞内でで代謝され,三リン酸化合物となり,DNAの合成を阻害する作用を持つジェムザールという抗がん剤が開発され,延命効果や疼痛緩和効果などが認められています。
手術ができない3期と4期のすい臓(膵臓)がんに対する治療法は,原則として抗がん剤治療か化学放射線療法(抗がん剤治療+放射線治療)になりますが,ただし,化学放射線療法は3期に対してのみ行われます。
ジェムザールは外来で投与が可能で,毒性が少ないため,患者の負担も少なく,ジェムザール単独の治療でも化学放射線治療と同等の効果が期待されています。
現在では,膵臓がんの抗がん剤治療においてはジェムザールだけの治療を行っている施設が増えています。
国立病院機構大阪医療センターではジェムザールを使う標準的治療の他に、ジェムザールとTS-1の単剤同士の比較や、併用療法の効果を調べる臨床試験を行っています。この臨床試験は全国の施設が参加する大規模なものです。
 TS-1は、ジェムザールが登場する以前に膵がんで使われていた5-FUの成分をもとに、日本で開発された薬です。
これまでの臨床試験の結果,ジェムザール単独よりも,TS-1との併用療法のほうが効果の大きいことが予想され,効果が期待されています。
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