逆流性食道炎の症状が進んでくると、吐き気や嘔吐症状が出ることがあります。
逆流性食道炎の原因のところで触れたように、食道括約筋や横隔膜の機能の低下に加えて、胃酸の過剰な分泌は、胃酸が逆流しやすくなる条件に挙げられます。
逆流性食道炎は、単一の原因によって起こるというよりは、これらの原因がいくつか重なっている場合が多く、またその症状も多岐に渡ります。
例えば、「食道括約筋の機能低下で食道と胃の境目の締りが緩くなり、胃酸の逆流が頻繁に起こっている時に、胃酸が気管支に逆流して、激しく咳き込むことで腹部に圧力がかかり、胃の内容物まで逆流してしまう」といった複合的な症状です。
逆流性食道炎の症状はどれも、生活の質を低下させるものばかりですが、中でも嘔吐は最もつらい症状と言って良いでしょう。
実際には、アルコールの過剰摂取や食べすぎなどが原因で嘔吐した際に、逆流性食道炎を煩っている方も少なくありません。
食生活の中に、嘔吐を誘発させる原因が無いか考えてみましょう。
また、吐くと楽になるからと、嘔吐を習慣化させることも体への影響を考えると非常に危険ですから、絶対に止めましょう。
嘔吐は、生活の質を低下させ、ひどい時は社会生活に支障をきたすこともある症状です。
また、嘔吐は精神的なストレスによっても起こりやすくなりますので、嘔吐を繰り返すことで更にストレスとなって嘔吐が慢性化している可能性もあります。
頻繁に嘔吐が起こるようであれば、逆流性食道炎の治療に加えて、心療内科などの精神的なケアも必要な場合もあることを覚えておきましょう。