前立腺がんの最新治療は十分に臨床によって効果が実践されていない場合や、薬品の認可が日本では下りていない場合、実施できる病院が限られるなど様々な問題がありますので、前立腺がんの最新治療を受けたいと希望しても、それが叶わないこともあります。
最新治療としては、凍結療法や免疫療法、高密度焦点式超音波治療があります。
凍結療法凍結手術療法とも呼ばれ、前立腺がんの癌細胞を凍らせて破壊します。
免疫療法患者さんの免疫力を高めることで、癌に対する抵抗力を高める方法です。
高密度焦点式超音波治療高エネルギーの超音波を集中させることによって高温を発生させ、前立腺がんを治療する方法です。
また、ホルモン療法の効果が薄れて前立腺がんの症状がぶり返す再燃と呼ばれる状態への対策に使われる最新治療としては、間欠療法や交代療法があります。間欠療法はPSA値の動きを見ながら断続的にホルモン療法を行うものであり、ホルモン療法の項目で詳しく触れていますので、ここでは交代療法について説明します。
交代療法ホルモン療法に用いる抗アンドロゲン剤を変更してみる方法です。抗アンドロゲン剤を切り替えても効かなくなってしまったら、今度はホルモン療法に抗がん剤を加えることで効果を得ることができます。
さらに、従来は効き目が薄いとされていた抗がん剤についても、タキソテールという抗がん剤が開発されたことによって状況が変わってきました。日本ではまだ未承認の方法ですが、海外で行われている前立腺がんの最新治療の研究として、サリドマイドとタキソテールの併用療法と、高用量ビタミンDとタキソテールの併用療法があります。
まず、サリドマイドとタキソテールの併用療法ですが、それぞれを単独で用いるよりも、併用することによって生存期間の延長と再発の予防効果があることが認められました。また、ビタミンDは癌細胞の細胞周期を止める効果や分化を誘導する作用が明らかになっており、タキソテールと併用することでより一層効果が上がったという報告があります。
前立腺がんの最新治療としては、これらの併用療法はまだ不明な点も残されていますが、今後に期待をつなぐという意味では、有望なものと言えるでしょう。