乳がんの進行には、乳管の中を伝わって広がる乳管内進展と、乳管の壁を破って乳管の外へ広がる浸潤の2つのタイプがあります。
乳管内進展のみのがんは、非浸潤がん、一部でも浸潤があれば浸潤がんとなります。
がんの進行にともなって現れる症状は、このタイプによって違います。
乳管内進展の場合、がんが成長して現れる症状は、乳頭からの異常な分泌物です。
増殖したがん細胞からの出血によるもので、色は赤や茶、黒に変色していることもあり、また黄色で透明な液体のこともあります。
乳がんは通常、片側の乳房の1つの乳管に発生するため、片側の乳頭のいつも同じ孔から異常な分泌物が出るときは要注意です。
また、乳管内でがん細胞が増えてくると、乳腺組織が腫れて、なんとなくしこりが区別できるようになります。
さらに、乳頭のただれが見られることもあります。
これは、乳管内に広がったがん細胞が乳頭まで達したために起こる湿疹のような症状です。
軟膏などを塗っても治りません。
乳頭のただれは、パジェット病という特殊な乳がんの症状としても現れます。
パジェット病・・・乳頭近くの乳管内に発生して、乳頭に向かって進行する特殊な乳がんです。
症状として、乳頭のただれ、乳頭が赤くなどです。