乳がん以外の乳房の病気の中で最もよくみられるのは、乳腺症です。
厳密には乳腺症は病気ではありません。
検査で診断がきちんとつけば、一般的には治療の必要はありません。
女性の乳腺組織がその役割と発揮するのは、授乳期で、それ以降、乳腺組織はだんだんと退縮していきます。
授乳を経験していない20~30歳代や、閉経を迎える40~50歳代では、女性ホルモンのバランスが乱れるなどして、乳腺組織の細胞の一部に変化が生じることがあります。
これが乳腺症です。
乳腺組織の細胞が増殖した部分がしこりとして触れたり、痛みを引き起こしたりします。
また、しこりからの出血によって乳頭からの異常な分泌物が現れることもあります。
乳腺症によるしこりは、基本的にがん化することはありません。
ただし。乳がんとの鑑別が難しいので、定期的に乳がん検診を受けるとともに、自己検診を行って、
自分の乳房の状態をよく知っておくことが大切です。
乳房の状態を知っておくことで、乳腺症のしこりとは違うしこりができたときに気づきやすいので、乳がんの発見につながります。